【感想・ネタバレ】らんたんのレビュー

あらすじ

「BUTTER」著者渾身の女子大河小説。

大正最後の年。かの天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズした。
彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、という前代未聞のものだった――。

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Posted by ブクログ

涙が止まらない うう、しょっぱい。

幸せでうっとりするような温かい涙と、悔し涙。女が女として生きる人生は、こんなにも戦いに満ちている。

フィクションなんだけど、これは一つの現実だ、と思うシーンがたくさんあった。
岩倉使節団のシーンは本当に読んでいて悔しかった。けれど、そういう、行間に、歴史の流れの中に取りこぼされてしまった失われてしまった(あったかもしれないし、なかったかもしれないけれど、きっと、あったのだとおもう)
声を、涙を、ひとつひとつ見つけて息を吹き込んで、物語として紡ぎあげていて、本当に本当に、すばらしかった。

灯を灯しつないできてくれた、誰一人欠くことのできないすばらしい女性たちに感謝を、私自身も火を絶やさず、この先をずっと照らし続けていけるように。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

今、日本で女性が社会で活躍できているのは、このような方達の努力やがあったからこそだと、感謝できる大河小説。今の自分は、そのような方々のおかげ。
津田梅子先生を知りたくて読んだが、河合道先生の方が親しみを覚える。
勉強があまり得意でなくても、明るさと思いの強さ、シェアする思いやりで、成し遂げられる気がする。
私も、生まれ変わったら、恵泉女学園で中学、高校生活を過ごしたい。
明るく楽しい事をして、学び続けていきたいと思った。

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2025年11月04日

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一色乕児が主人公と思いきや、奥さんといつまでも一緒にいると約束し、姉妹の誓いをした、河井道という人が主人公。

明治、大正、昭和という、まだ女性が軽んじられていた時代に、女性の地位向上に向けて、一生懸命動いていた人。

そして、色々な有名な人ともちょこちょこと関係があり、読んでいて、えっ、この人は!となることも多かったです。

思っていたとおり、戦争という辛い時も何とか女性が軽んじられないように。自分が作った学校を守れるように。と動いていて。

こういう人もいたから、今の私たちもいる。そう思える本でした。

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2025年11月01日

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河井道の生涯をもとに、女子教育の変遷とその実現を支えたシスターフッドの物語 女性活動家だけでなく、各時代の著名人が大勢登場し、さながら大河ドラマのような重厚な読み応え。 朗らかで実直、時に苦悩しながら信念を曲げずに突き進む道と、彼女を慕いともに理想の学園を築いたゆりの二人三脚の道のりに勇気づけられる

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2025年10月06日

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 てっきり一色乕児(いっしきとらじ)という珍しい名前の男性が主人公だと思っていたら、彼の奥さまのゆりさんと深い絆で結ばれた河井道さんのお話だった。

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2025年10月04日

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大河小説で、この厚さ・・・
通勤鞄の中で、一番の重量と存在感を占めていて、どうしようかと困惑したのも束の間。

すごくすごく面白かった!

たくさんの女性が、女性として生きるために、時に果敢に、時にしなやかに闘った記録。

そういうと、なんかすごい大河ーー!!って感じがしてしまって重かったり堅かったりしそうと警戒しそうだけど、そんな心配はいらない。

主人公がとても人間的で、血が通って生きていた人なんだ、ということがよくわかって、ひとりの人間の人生を追っている感じがして、すぐに愛着が湧く。

それから、出てくる人たちがみんな有名人で、
えーこれどこまでが本当!?
って、ドキドキしてしまうのも見どころ 笑

ホントに、あの人があの人に・・・?!みたいないろいろがいろいろあるのです(語彙力・・・


そうして、最後まで読み終えて、巻末についている、おびただしい数の参考文献に、著者のこの作品への情熱を感じる。

さて!たくさん登場人物出てきたし、もう一回読もうかな!

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2025年09月15日

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大河小説のらんたん
凄く読み応えがありました。明治時代に渡米した日本人女性の河井道さん この小説を読むまで知りませんでした。奇しくも、キリスト教の学校を2校で学んでたのに…女子教育をグローバルな視点から推し進めた偉大な方がいたのですね。
 是非朝ドラで見てみたいです。

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2025年08月16日

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明治〜大正〜昭和 近代史上の著名人たちの生の声が聞こえてきそうな そして女性に産まれてきたことを改めて誇りに思える事ができた本でした。
特に心に残ったのは「赤ちゃんの声が決してしない、させてはいけない場所というのは、立派に見えても不自然で排他的」という道先生のお言葉です。これから、何かにつけて思い出します。職場などで。
年を経てまた何事かにぶつかったときこの本に著してある様々な気持ちや祈り、またページを開くことになるかと思います。

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2025年02月21日

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愛は溢れる泉。神が人間に与えてくれた最高の贈り物。
そうなんだと腑に落ちた。
道先生に教わった生徒たちは、なんて幸せなんでしょう。
多感な時期に自分もそんな教育を受けていたら人生が違ったかもしれないと思えるほどだった。
日本の男尊女卑の時代を変えようと尽力した人。
こんな素敵な人がいたから今の日本が有るんだと感銘を受けました。

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2025年01月03日

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明治から大正、戦後にかけて女子教育に奔走した河井道の一生をその時代に女子の権利擁護に奔走したり、仕事を持ったりする女性が強い意志を持って生きている姿が描かれている。歴史上の知っている人々がまるで今生きて話しているように感じるその描写に引き込まれて最後まで一気に読み切った。なかなか分量が凄かったが、これだけの内容を調べて書き切った柚木麻子さんの熱量がすごい。河井道の創った恵泉女学園に通学してその風土を愛していたからここまでの作品になったのだろうと思った。

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2024年12月18日

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シスターフッドの契り

今の時代でも、とても新鮮に聞こえる。
この考え方を知っていたら
もっと違う関わりができたのではないか。

性についても、恋愛関係についても、
ずっと自由で多様性を認める世になってはきているけれど、そういうのとは、また異なる
意識的な関係があるということが
とてもステキだった。

これからの人に読んでほしい。

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2024年09月01日

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ネタバレ

明治を生きた女性たちからみた日本史。
道のエネルギッシュでありながら爽やかな人柄と生き様に惚れる。

人生の全てを女子教育と平和教育に捧げた彼女と、ゆりの献身的な日々に感動。当時としては珍しい海外留学をし、リベラルを経験した彼女たちが日本に帰国した時の絶望の度合いは計り知れない。
野口くんや有島くんや徳富くん、太宰くんが当時の頑迷な日本人男性を代表する役割に当てられているのが面白かった。
女は、愛は奪われるもの。不幸に酔うだけで疑問を抱きもしない男たち。時代はまだまだ女に風当たりが強かった。でも、封建的なこうあるべきっていう生き方に反発して、悩んで、自分たちの殻を必死に破ろうとしている男性陣の苦悩もわからないわけではない。

道たちはアメリカで学んだことをちゃんと実践に移し、女性解放に一石を投じた。そして、道が死ぬ最後のその瞬間まで2人が姉妹であり続けたのも、めっちゃ感動して泣いた。
女同士の友情、愛情は素晴らしいと思うが、この2人の様な魂レベルの結びつきは特殊すぎて私の理解を超えるけど、ゆりの献身に涙がこぼれたし、とても優しいラストで読後もしばらく余韻が収まらなかった。

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2024年05月11日

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母校である恵泉女学園の創設者の河井道先生の著書『わたしのランターン』は在学時に読んでいたが、柚木麻子さんが書かれた『らんたん』は、河井先生がとにかくキュートで、登場人物もみな生き生きしていて、全く違うもののように感じながら、一気に読んでしまった。そうか、私がいた学校はこんな歴史を経ていたのかと、卒業して30年近く経ってその学校で学べたことを改めてしみじみとありがたく感じた。そして高校生活を思い起こして、懐かしく温かい気持ちになった。河井道先生が戦後の子女教育のためになしてくださったことを心から感謝して、尊敬と敬意を捧げたい。

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2024年02月22日

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日本の女子教育の変遷がわかる。次々と著名人が登場。
テンポが乗ってくるまで時間がかかり、辻褄を確認のために途中で戻って読み返したら、なるほどと面白さが入り込んできた。

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2025年10月22日

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よかった!
長いけど飽きがない。
戦前からの河合道と一色ゆりの大河物語。シスターフッド物!
有名な人がたくさん出てきます。あの人もこの人も…?!
恵泉いい学校では?入りたかった…という印象に…!

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2025年05月05日

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河井道、一色ゆりという女性たちについて、初めて知りました。
女性が教育を当たり前に受けることができるのは、彼女たちが道を切り開いてくれたからなんだと思いました。史実に基づいたフィクションとありますが、歴史的な骨組みは崩さず、小説としての面白さもあり、とても読み応えのある一冊でした。

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2025年04月29日

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お札になった人達や歴史上の人物が次から次へと登場する流れに興奮しつつも、それだけ明治から昭和は激動の時代であったのだなと再認識しました。今や当たり前に女子も教育の機会に恵まれ、私自身も当然のように大学まで卒業させてもらいましたが、先人達の長年の闘いが勝ち取ったものだったのですね。歴史でサラッと学んだ部分を深く知ることができてとてもよかったです。それにしても道先生のパワフルさ、すごい……!

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2025年02月09日

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子どもの頃はただの義務だと感じていた学校というものに、これほどまでに色々な人たちの思いが込められていたと想像すると感慨深い。
「光をシェアする」という考えは今後の人生でも大切にしていきたい。

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2025年01月15日

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女性達の人生を描いた作品。終盤になるとふとしたところで感情を揺さぶられて涙してしまった。
たくさんの人の思いが描かれるのでなるべく間を空けないで読む方がじっくりと入り込めそう。

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2024年10月14日

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なんて暖かい史実。登場人物の多さと物語長さには若干心が折れかけて、時系列も途中混乱したけど、それでも、自分も信じている「愛は分け与えるもの」という精神の強さ、優しさで誰かの光になれるのかもしれない。と希望を持てた。

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2024年08月24日

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史実にもとづいた物語。
その分野は滅多に読まないので、新鮮でした。

先人たちのおかげで、今があることを知り、感謝です。

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2024年08月18日

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大好きな柚木麻子さんの長編小説でずっと読みたかった一冊。個人的には物語が好きだから史実に基づいたお話より全くの物語の方が好き。だけどやっぱり柚木さんの描く女性主人公の機転の効いたパワフルさが大好き。

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2024年03月16日

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知ること、学ぶことは、誰にでも機会が与えられなければならない。
女子教育に尽力した尊い人たちの話。

著者の登場人物へのリスペクトは感じるが、ただただ長い。

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2025年11月24日

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恵泉女学園の創始者、河井道を中心に、明治、大正、昭和初期の女子教育や女性解放運動を描いた小説。

主役の河井道さんこそ知りませんでしたか、津田梅子、山川捨松、平塚雷鳥、市川房枝、村岡花子、野口英世、有島武郎など有名人が総出演で興味深く読めました。

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2025年02月05日

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付属品としての女性から、一人の人間としての女性への変換期。
母が女学校の頃、特に仲の良い女友達を「シスター」と呼んでいたと話していたのを思い出した。

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2024年12月30日

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フェミニズムとシスターフッドに満ちた大河小説で主人公(河井道)が批判されたり迷ったりしながら夢を叶えてくのが圧巻だった…めっちゃ長いんだけど一気に読んじゃった!

ただ飼ってたワニを剥製にするとかはん?とは思ったけどね…

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2024年10月21日

Posted by ブクログ

「朝ドラ」的な時代の中(広岡浅子さん、村岡花子さんの存在感も強い)。だけれど主役は河井道さん。はじめまして。大正デモクラシーを学んだ時に見たお名前がたくさん出てきてシナプスが繋がってゆくよう。
先人たちが勝ち得てくれた「女性」の権利を手に生きてゆくことは、ほんの少し息苦しくもある。女が座る椅子が増えたとて、空いた椅子に座る人は決まっていない。社会が同じ速度で変わらねばならない。

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2024年09月30日

Posted by ブクログ

史実に基づくフィクション。いつもの柚木先生の作品よりは登場人物も多く、読みづらさはある。いつもどおり主要人物が基本的に「善人」で、悪い感情は深く描かれないというか、印象に残らない。そこが良いところだし、読み終わって嫌な気分にはならないが、ハマり込んで読む感じではない。

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2024年07月17日

Posted by ブクログ

女子には高等教育が必要ないとされていた時代。今となってはちゃんちゃらおかしいのだけど、まだその時代の名残りは職場での性差として存在していると思う。評価する側が圧倒的に男性多数だから当然なのだけど。
「らんたん」の主人公が、『なぜ女が恋愛で狂って不幸になって死ぬ物語ばかりなの?』と嘆くシーンが、最近観た「アメリカンフィクション」という映画で、黒人作家が『白人が望む黒人の物語(ドラッグギャング貧困みたいなの)にはうんざり』と嘆くシーンと酷似していて、差別の根底は同じなんだなと感慨深かった。

女性が恋愛も結婚もせずに、明るく楽しく生きる物語を読めて良かった。
ただ、登場人物が多すぎて終盤これはどの人?ってなったから、一気に読んだ方がいいよ!

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

明治から大正にかけて、女性の自由と社会進出に尽力した河井道と渡辺ゆりの物語。

道とゆりは自由な教育を目標に恵泉女学園を設立する。

河井道が戦時中も女子教育に力を入れ、戦後の女子教育の礎を作ったことがよくわかった。

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2024年08月12日

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