柚木麻子のレビュー一覧

  • 私にふさわしいホテル

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    主人公の人間らしい、欲に素直な性格がとっても良くて、そこから生まれる発想が突飛で面白い
    人間生きてれば浮き沈みあるけれど、頑張りたいなと思える作品だった

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    2025年06月21日
  • 早稲女、女、男

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    面白かったー…慶應出身で早稲女とあんまり絡みがない俺からすると「あーこういう早稲女いるいる」とはならなかったけど、早稲田出身の兄から聞いた早稲女像はまさしくこうだったな….

    慶應出身の慶野亜衣子に一番惹かれたのは、俺が慶應出身で学生時代からそういう女性を好きだから…??

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    2025年06月20日
  • ついでにジェントルメン

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    痛快!いつだって女の子の味方の柚木麻子が好き!
    読んでてここまで「楽しい」本は久しぶり。
    不倫鮨、舅、あしみじおじさん、渚ホテルが特に良かった!!(他の3篇もいいけどね!)
    不倫鮨に関してはめっちゃ美味しそう。
    おすすめ!

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    2025年06月18日
  • 伊藤くんA to E

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    終始伊藤くんの性格、行動にプチイラ!あとその周りの女性にも少しプチイラ!けどどんどん読み進めちゃって、このイラっときちゃう感情だったりが、この本にのめり込んでるんだなって思ったー!
    けどちょっと性的?というかそういうシーン多すぎて、そこまで入れなくてよくない?って思ってた^_^

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    2025年06月01日
  • ねじまき片想い

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    初柚木さん!すごく面白かったです!
    ふわふわ女子のあまーいラブストーリーかと思いきや…
    敏腕プロデューサーで、警察顔負けの頭脳明晰プレーヤー、気骨ある精神で事件解決。
    そんなうさぎのお面いたら確かに強く気になるわな。
    目黒刑事、登場もファンタスティックでいいな。

    豊かな人が幸せになれる!その通りだよ〜
    遊園地はこちらまでジーンときました。

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    2025年05月30日
  • 早稲女、女、男

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    一気読みしました。
    他人と自分を勝手に比べて自爆するような、大学生の頃のイタい感情を思い出しました。
    コミカルで読みやすいのですが、胸を抉るようなセリフもあり、バランスが絶妙です。

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    2025年05月18日
  • 嘆きの美女

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    ほぼ引きこもりでネットに毒舌を書き連ねるのが日課の耶居子。美人ばかりのホームページを荒らすのが趣味。ところがある出来事をきっかけに彼女たちと同居することになり…。最初はネガティブだった耶居子がだんだん変わっていくのが見物!続く。

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    2025年05月17日
  • ついでにジェントルメン

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    これはおもしろい!
    他の方の感想読んでると、けっこう好き嫌い分かれそうな感じだが、自分には合っていた。
    7作品載っている短編集。
    1作目から、なかなか突飛な発想ながらもスラスラ読めた。そうめんの話も普通に気になる。
    ちょっとファンタジーな要素もあり、クスッと出来て、でもそこまでスカッとはしないかも。
    どの主人公も、逆境にも負けず、ガムシャラに努力して…!みたいなタイプではなく、あるがままを受け入れつつ、ちょっとだけ努力して、みたいなところが良い。
    この小説の菊池寛ほど自由奔放にはなれないが、楽して生きることに罪悪感を感じなくてもいいんだなと思える作品。

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    2025年04月24日
  • 名作なんか、こわくない

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    これまで読んでいた本、読みたかった本、知らなかった本まで。柚木さんの読書遍歴を垣間見れて自分の妄想の中の積読棚がまた増えました。折に触れこの本を開こうと思います。

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    2025年04月23日
  • 早稲女、女、男

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    ネタバレ

    いや、面白かった!!

    各大学ごとに、確かにこういうイメージあるぅ、っていう女の子が出てきてた。
    私は、同志社卒なので、関西弁も是非出してほしい。笑
    同志社全体では、青学に1番近い印象だけど、私は理系キャンパスだったので、早稲田っぽいかなー?
    隣に同志社女子大があったので、これは日本女子大みたいな感じ笑
    私も、インカレで、同志社男子は同志社女子大(略して同女)と付き合っていた印象。笑

    本の感想も書きます。

    まず、早稲田の早乙女香夏子さん、
    1番私に似ている。笑
    男性と仲良くなるのが苦手で、拗らせていて、負けず嫌い、世話好きで仕切りや、理屈っぽい
    たぶん、美人でなんでもできて妬まれるはずなのに、自ら欠点を大っぴらに出して、そんな役回りに落ちていくタイプ。
    そして、女の子にばかり好かれる。笑
    完璧でそつがないタイプに見えて、後半になるにつれ、2人の男と訳がわからないままぐだぐだとした関係を続け、2人とも別れ、その後6年彼氏ができず、元彼とセフレになり、合コンでそのことを話し、そのまま元彼とやって、なぜか逃亡する。
    逃げてるけどほんとは追いかけてほしくて、逃げ回る。
    元彼がまともになってガッカリしてるのも面白い。
    6年経ったらなぜかあんなにダメダメだった元彼の方がまともになってるのも面白い。

    青学の青島みなみさんと旅先で会って大喧嘩してるのも面白かった。完璧に見えて、売られたケンカは買っちゃって、意外と口喧嘩は弱くて、性格も実はちゃんと悪い笑

    でも、後輩に舐めた態度取られるようなお人好し感もある。

    ほんとにこの人は私すぎる、すごく気持ちがわかっちゃった。

    まだ書き足りない気がするけど、一旦これくらい。

    立教大学、立石三千子さん
    立教生はそつがなく、なんでもさらっとこなせるという印象みたい。
    彼氏にも依存せず、割とモテる、淡白な感じ。
    でも、最後は香夏子さんの彼氏の浮気現場を撮ったり、元彼のこと意外と引きずってたり、人間らしくて可愛い笑

    日本女子大の本田麻衣子さん
    この子も私っぽさを感じる!
    ほんとは素朴で、真面目な子なのに、背伸びをしてもみくちゃにされてた。
    でも私と違って女子大特有のなんだかんだ、帳尻を合わせて、いい男を捕まえるそつのなさもあって、面白かった。最後は総合商社の男と結婚してるし。笑

    学習院大の早乙女習子さん
    学習院はやっぱりお嬢様ゆえの育ちの良さが特徴みたい。
    香夏子の新彼氏候補と、血洗いの池でネックレスを一緒に探すシーンが印象的。
    最後につまらないと思ってた彼氏が、トトロを見たと本気で言っていたシーンで終わるのは面白い。
    彼氏が東海大出身の同期に似てる笑
    習子さん自体は、香夏子の妹だからなのか、あんまり学習院っぽさはない。

    慶應卒、慶野亜依子さん
    生粋の慶應の女の子は、大体小中からの内部生、だから仲もめっちゃいい。
    恋愛面でも、ハイスペの男と長く付き合ってそのまま結婚、多少問題があっても、自力で彼を立て直すバイタリティもある。
    本人たちも努力家で能力が高いから高給取りになる。
    大体、顔をいいみたい。
    全部、自力で手に入れてきたからこそ、すごく自信がある人が多くて、少し人を見下しがちというイメージ?
    私の同期にも慶應女子がいるけど、ホーンとにそんな感じ。イメージ通り笑
    でも、亜依子さんは、その中では少し遅れをとっていた感じ。人間らしさも見えつつ、強く生きている女性でカッコよかった。

    青学卒、
    1、2年目と、3、4年目で、通学する場所が大きく変わるせいで、ホームっぽい自分と、華やかな自分が分離しちゃいがちと言っていた。
    青学のイメージは、青山でできた彼氏、お金持ちで、海外旅行や高級料理にも連れて行ってくれるような人と付き合っているイメージが強かった。
    ずる賢い港区系のイメージだったけど、意外と不器用で、考えも浅めなのは意外だった。
    でも、安心できる彼氏とお金持ちの彼氏で二股してるのはイメージ通り笑
    最後、社長との不倫地獄を抜け出し、結婚してるのも、変わらず生き続けたんだなあと思って笑えた。

    登場人物みんな、人間らしくて、でも素敵な人ばっかりでみんな大好きになった。
    全員と友達になりたいと思う。

    私の好きなちょっと斜めからものを見る感じがはまりすぎててとても面白い本だった!

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    2025年04月20日
  • 名作なんか、こわくない(PHP文芸文庫)

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    私たちも「わかる〜!」と思えるような、柚木先生ご自身の日常の様々な場面に絡めて紹介してくれるのがお見事です!
    あらすじだけ知っても少し堅苦しそうで、正直なかなか読む気にならなかった名作たちが、
    とっても魅力的で親近感のある作品に思えました。ぜひ少しずつ読んでみます。

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    2025年04月13日
  • ついでにジェントルメン

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    お、おもしろい…!!
    短編に、それぞれの時間と時代があって、はっきりと分かれているのかなと思ったけれど、最後に繋がりが見えてきて読み応えがあった。
    登場人物たちの価値観、正義、苦悩…
    わかる部分もあるし、この人はこんな考えなんだって人の思いの広さを感じた。
    短編は長すぎず、短すぎず、楽しんで読めた。

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    2025年03月27日
  • 3時のアッコちゃん

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    『ランチのアッコちゃん』の続き。
    関西が舞台になっている短編もあり、場所のイメージが湧くのが楽しかった。泉の広場、懐かしや。

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    2025年03月24日
  • 注文の多い料理小説集

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    話題の作家さんたちによる短編小説集。
    テーマが食べ物であるが、時代は江戸や現代など様々。
    あーそんな風に思えるのか…というものや、このシチュエーションでそれきたら〜となるものまで、食べるという事を含めてちょっと考えさせられました。

    短編小説ではあるがなかなか濃い一冊です。

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    2025年03月16日
  • とりあえずお湯わかせ

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    ちょっと面白過ぎるな…15歳以上年上の人なのに友達の日記を読んでいる感覚になる これをおうち時間をしなやかにエンジョイする爆笑ままエッセイと言ってきそうな人にはお湯をぶっかけよう!!!!!!!(←最高)

    バズを狙って生み出せるのすごい
    私はスマホ現在進行形中毒者だけど、スマホ中毒を抜け出せても生活がかわらないという情報は救いですね、、、スマホを遠ざけたところで大して仕事は進まない(金言) 私が中毒なのは仕方ないのかもと諦めたい!
    4年前の自分にコメントするスタイルもいいなあ

    おびえる母親を見る→自分が悪者になった気持ちになる→自分の特権性が詳らかになり罪悪感が湧く→それを打ち消すため、自分は悪くない!と母親を攻撃
    というのもなるほど、、、、、

    嘘モテスクラップ 面白い
    私は今付き合いの長い友人と悉く断絶してしまったのでA子ちゃんとの関係性が羨ましい 私も出産した親友におすすめグッズと動画を送りつけたかったな
    公園を研究したり
    ネットで買い物しないのも大事!
    ハンドミキサー変な匂いするのわかるなあ
    横山版三国志 読みたい

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    2025年03月15日
  • 踊る彼女のシルエット

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    ネタバレ

    ◾️record memo

    「うん。とびっきり可愛い女の子たちがさ、ライトを浴びて身一つで戦っている姿を見てると、時計の針が止まって、世界中で動いているのが彼女たちと私だけになったような気分になるんだよね。焦りも不安もなにもかも消えるの。元気が出るの」

    実花はしきりにあの子が素敵、この子のこんなところがいいと、佐知子のまったく知らない女の子たちの名を出して、褒め称えていた。同性をまったくライバル視しない姿勢は新鮮だった。こんなに可愛いのに、それを上手く利用して楽に生きようという小賢しさがまったくない彼女に、佐知子は軽いカルチャーショックを覚えた。自分の目の高さよりももっともっと上、手が届かない場所にずっと心を奪われていて、あとのことは適当に流している様子が、なんだか無性に眩しく思えた。あんな子に会ったことはない、と思い、その夜はなかなか眠れなかった。

    実花はお気に入りを決めずにグループ全体を愛する主義で、自分に苦手意識があるだけに歌やダンスなどの技術を最重要視していて、接触系イベントには否定的であり、その分グッズや写真を買い漁って周囲にも配り宣伝するというスタンスらしかった。

    「アイドルに限らず、女がお膳立てしてサービスするのが当たり前みたいなところあるじゃん。そうじゃなくてファンとアイドルが一緒に盛り上がって、連帯できるようになりたい。見る側、見られる側、楽しむ側、楽しませる側、そんな垣根を取っ払いたい。アイドルとファンが共にありたい、と思ってる。誰かに献身されなくてもしなくても、女も男も幸せになれるっていう風になれたらいいな」

    ------男受けを気にして、やりたいことやんないなんて損って意味だよ。男子をビビらせない女の子だから居心地がいいっていうのと、その子のことが好きだから本気で大切にしたいっていうのとは、ぜんぜん違うじゃん?わかる?

    ------忘れないでほしいのは、私たちが戦うのはデートじゃなくて、デートの呪いだからね。デートしなきゃいけない、恋人がいなきゃいけない、女の子ならこうしろ、こうしなきゃひどい目に遭うぞっていう、脅しに負けないグループでいこう。

    「女の口から知らない名前を聞くと、それだけで男性側は引いちゃうし会話もそこで終わっちゃうんだって。得意料理がザッハトルテだとして、そう正直に言ったら、ザッハトルテを知らない男性からはそれだけで、生意気な気取った女だと思われちゃう。だから、料理、とだけ言っておくのがいいんだよ」
    「今時、『マッドマックス』もザッハトルテも知らない上に、面倒な性格の男の人にそこまでして、好かれなきゃいけないの?」

    「自分のライフスタイルやら交友関係やらを捻じ曲げてまで、必死で結婚したところで、そんなもん、すぐに破綻するに決まってるよ。そう言う当たり前のこと、誰も教えてくれないんだよね。努力しろ、焦れ、期限を忘れるな、の大合唱。でもさー、そうやって散々急かした人ほど、結婚する時、大して祝ってくれなかったし、バツイチになった時は腫れ物に触るみたいに目も合わせようとしないの」

    「私は、楽しめない合コンだったら、行かなくても別にいいと思う。散々お膳立てして相手をいい気持ちにさせたところでいざ結婚しても、そんなサービス、日常の中で続けるって大変ですよ」

    ------私、お母さんをあの家から救いたいって思ってるの。でも、お母さんは救われたいとは思ってないんだ。なんだか私って、いっつも空回りだよね。男社会が作ったルールに縛られて身動きがとれなくなってる女の子を救いたいと思ってるんだけど、女の子は別に私なんかに救われたいとは思ってないの。それって私自身が誰より縛られてるからかもしれないね。

    「問題は私の中にあるの。私、どうやっても、異性と上手く付き合えない。いいと思ってくれる人もいるにはいたけど、私の内面を知るとすぐにうんざりする。私自身、心から好かれたいとは思っていないのかもしれない。恋愛している自分も気持ち悪いの。父や兄の仲間になって男側でいたかった自分がまだ残ってて、女の私を笑ってる。性欲は普通にはあるつもりだけど、そんなのもはや一人でどうにでもなるし」

    「アイドルのオーディションに落ち続けたのも、根本には、その問題がどっかにあるんだよ。女の役割を押し付けられると、もう嫌で嫌で仕方がなくなる。でも、アイドルに擬似彼女の側面があるのも否定できない。十年この業界にいれば嫌でもわかる。異性の期待に応えてこそ成立する商売であることを、私はどうしても変えられなかった」

    それにしても、こうしてよく見渡してみれば、ノーブランドのねずみ色のVネックのセーターにプリーツスカート、ヒールのないパンプスに、内藤さんが貸してくれたシンプルなイヤリングを揺らしているという出で立ちは、芝田の提唱する婚活ファッションそのものだった。

    今すぐこの場ですべてを脱ぎ捨てて、素っ裸になりたくなった。ここにいるすべての男が、こんな女だけは嫌だ、面倒そうだと、顔を背けるような、エネルギーと主張を素肌にまとって胸を張りたかった。もっと自分らしいおしゃれを研究しよう、と胸に決めた。

    いつになったら、私たちはタイムリミットから解放されて手を取り合うことが出来るんだろう。世界中にある時計を一つ一つ、金槌で壊して歩けたらどんなにいいだろう。

    自嘲気味に笑いながらも、その姿に湿ったところはない。女子大時代の、実花に共通するあきらめと、何かを乗り越えた人特有のさらりとした明るさがあって、かえって胸が痛んだ。

    もう、私たち、こんなレースからは降りるべきなのではないか------。世間の呈する規範に自分を寄り添わせる限り、一生焦り続け、常になんらかの活動中ということになる。

    「例えばなんだけど、将来的にここでみんなで住むとか、どうなんだろう。松本さんも、芝田さんも、私も。松本家に家賃を払って。それで、さっちゃんを雇ってご飯を届けてもらう、とか。健康状態や生活習慣を見張ってもらって」
    「なにそれ、いい年して結婚もしないでシェアハウス?そんなこと無理に決まってるじゃない。ここ、外国じゃないんだから。周りがドン引きするし、いい年した男女が仲良く暮らせるわけないじゃない。それにあんた結婚、決まったんでしょ?」
    芝田はあきれ顔だったが、何故かそわそわした様子で、室内を見回している。
    「いや、あながちおかしな話ではないと思う。それぞれ生活スタイルが確立しているぶん、いい距離感が生まれて続くんじゃないかな。この家、小さいけど部屋数は多いんだよ。そういうことで、僕たちが漠然と恐れていることって、案外避けられるのかもしれない。慌てて、気の進まない結婚なんてしなくても別にいいのかもしれないですよね。今から、無理なく続く暮らしを構想して、そこに向かってちょっとずつ準備を進めていく------」

    確かに、彼は何もわかっていない。結局のところ、実花は心の奥の奥では、結婚なんてしたくないのだ。結婚したい相手が現れないのではなく、結婚というシステムにどうしても窮屈さや違和感を覚えてしまうのだ。それはもう性分であり、個人の生き方だ。強制や我慢ではどうにもならないし、実花が結婚を拒否するからといって、誰かや何かを排斥したいわけではない。

    やっとわかった。実花は田山さんが嫌なのではなく、どんな男とも籍を入れたくないのだ。

    さらさらと口にした田山さんに、実花が奥歯を噛んで焦れているのを、佐知子は意地悪な気持ちでにやにやと眺める。このまま自分が助けなければ、彼女は結婚行きの船の上だ。いい気味である。いっそこのまま世間体を気にした先に待っている現実に押し込められ、自分が手放したものの大きさをよく知ってほしいものだ。

    「あのね、実花。私、ずっとオタクになりたいって思ってたの。オタクって言い方は、失礼にあたるのかな。ただね、自分の好きなものにまっすぐになれて、他の人からどう見えるとか、どう思われるとかおかまいなしの、好きなもの以外はどうでもよくて、なにがあっても平気な人になりたかったの。迷いのない人になりたかったの」

    ------デートしてなきゃ、女子じゃない?
    ばっかみたいなルール。誰が決めたの?
    私が私のヒーローだもん。やりたいことはたくさんあるの。
    キャンプにパジャマパーティー、読書にショッピング。
    宿題、部活、天体観測。家族会議にピクニック!
    私の時間は私のものよ。くだらないデートはぶっつぶせ!
    デートの呪いをぶちやぶれ!

    「……私さ、人並みになれば、もう迷わなくなれると思ったんだよ。でも、もういいや。私、この先も、ずっと迷うと思う。世間の言う、人並みってやつになっても、私はきっと変わらない。腹くくったよ。だって、さっきみたいなステージは科学的に解明できない『何か』でしかないんだもん」

    「今ではもう友達だもん。そう、婚活で知り合ったからわかるんだよ。私たち四人の共通点は、結婚が著しく向いていない。一人が好きなのに、ずっと一人で暮らしていくには気が弱いし、家族がうるさいし、臆病だっていうこと。これが一番いいっていう結論になったの。生活を共にして、チームとして助け合うの。四人とも働きものだから家賃は滞らないだろうし、倉庫にするよりも、松本家の取り分は実はいいはずなんだよ」

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    2025年02月26日
  • らんたん

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    明治〜大正〜昭和 近代史上の著名人たちの生の声が聞こえてきそうな そして女性に産まれてきたことを改めて誇りに思える事ができた本でした。
    特に心に残ったのは「赤ちゃんの声が決してしない、させてはいけない場所というのは、立派に見えても不自然で排他的」という道先生のお言葉です。これから、何かにつけて思い出します。職場などで。
    年を経てまた何事かにぶつかったときこの本に著してある様々な気持ちや祈り、またページを開くことになるかと思います。

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    2025年02月21日
  • 柚木麻子のドラマななめ読み!

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    ananに10年以上連載が続くドラマ批評。過去に脚本家を目指し現在は作家。ドラマを観る視点は独特で的確。
    ドラマ批評はブログなどで雨後の筍のようにたくさんあるが、この方の批評はピカイチ。サブスクの普及もあり、未見のドラマも見やすくなっている昨今、本書は何から見るか迷う際の手引にもなるだろう。
    ドラマを通じたジェンダーについてなど、もっと深く掘り下げたら面白い内容が多い。
    本書は後日譚もあるが、基本連載当時のままであるのが実に良い。現代の視点で過去のドラマを見てしまうとモラハラだったりセクハラだったり、ふてほどのようになってしまうので。

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    2025年02月20日
  • 早稲女、女、男

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    ネタバレ

    私は早稲田理工を3留して同い年の元早稲女と付き合っている、長津田みたいなしょーもない男です。
    あまりにも長津田が自分の境遇と重なりすぎて序盤数ページで深刻なダメージを喰らうも、なんとか読み進め始めたら面白すぎてもう止まらなくなってしまいました。

    それぞれの女子大生は歳の割には「しょーもない」自我やプライドに囚われて「しょーもない」恋愛物語を繰り広げるのですが、そのありきたりでくだらないシナリオこそがミソだと思うのです。
    つまらないものに拘る自分など脱ぎ捨てて、負けても惨めでもいいから生きるべき道筋を進め、そんなメッセージが伝わってくるようでした。
    世界が向けてくる眼差しに怯えていた長津田が不恰好な姿でも香夏子へのアプローチをするのが本当にカッコよくて、3留する前に長津田のような先輩に出会いたかったなと切望。

    香夏子については所謂「おもしれー女」だと思って好意的に捉えていたので、ラストにその痛々しさが剥がされるシーンには私も「え、そうなの?」と大困惑。
    でも確かによく考えたらずっと痛々しかったような、妙に納得してしまう不思議な清々しさが……笑
    22から28までずっと自虐キャラだったらそりゃイタいか。

    チープな恋愛物語を通じて、子どもっぽい矮小な自我を脱ぎ捨て成熟していく過程を描いた素晴らしいジュブナイル小説だと思います。
    何より自分の境遇と重なりすぎているし、様々な過去の友人を思い出して懐かしく苦しい気持ちになれました。

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    2025年02月17日
  • 注文の多い料理小説集

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    なんかすっごく満ち足りた。
    “夏も近づく“清涼炭酸水的に澄んでる。

    “どっしりふわふわ“パン食べたいなぁ〜って読み進めてたら「え?!」「んえぇぇ?!」ってフランスパンで殴られたぐらいの衝撃やった!

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    2025年02月08日