柚木麻子のレビュー一覧
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子育て中、共働きの自分をグイグイ引き込むエッセイでした。
コロナの前、子育てに追われながらも誰かと過ごす時間を楽しもうと動かれていて、うちもやりたい!と思い長は読んでいました。
そして迎えたコロナ禍。終わりの見えない自粛生活の中で、少し浮上しては落ち、自分の中で折り合いをつけていく一方で、「なんかおかしくない?」のパワーを溜めていった柚木さん。確かにコロナは人との繋がりの大切さと同時に、いろんな「これっておかしいな」に向き合ったときでした。
コロナが一応明けたと言われている今、パワーを溜めた柚木さんが、もう我慢しない!と動かれている姿を見たいので続編に期待です。 -
Posted by ブクログ
決して順調でない人生。そんな辛苦のなかを生きる女性たちのゆるやかにつながった縁(えにし)を描くヒューマンドラマ。
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宮元真央は奨学金とアルバイトの掛け持ちで学費と生活費を賄う苦学生だ。
真央が下宿先から通うのは東京でも名の通った私大だが、実家には仕送りしてくれるようなゆとりはなく、頼りにできる親類縁者もいない。おまけに時間に追われ容姿も平凡な真央には、恋人や友人もいない、まさに孤立無援の状態だ。
経済的にも体力的にもギリギリの毎日は真央から希望を奪っていったが、そのことに気づく余裕さえ真央はなくしていた。
ある夏のバイト先でのこと。スーパーのバックヤードか -
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元女優のおばあちゃんの奮闘記
以下、公式のあらすじ
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いつも優しくて、穏やかな「理想のおばあちゃん」(マジカルグランマ)は、もう、うんざり。夫の死をきっかけに、心も体も身軽になっていく、75歳・正子の波乱万丈。
若い頃に女優になったが結婚してすぐに引退し、主婦となった正子。
映画監督である夫とは同じ敷地内の別々の場所で暮らし、もう五年ほど口を利いていない。
ところが、75歳を目前に先輩女優の勧めでシニア俳優として再デビューを果たすことに!
大手携帯電話会社のCM出演も決まり、「日本のおばあちゃんの顔」となるのだった。
しかし、夫の突然の死によって -
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栞子のナルシストさに痛々しいと思いながらも、どこか自分と重ねながら読んでいたから、最後真美子が放った言葉や態度に息が詰まりそうになった。
見下される者と見下す者、見下す者の方がその存在を求めてるって言う感じの言葉がしっくりきた。
お嬢様女子大生の女同士の人間関係って感じがして出てくる人みんなリッチで清潔感溢れててレベルが高いなぁーって感じたから、栞子みたいな1人もがいてる女の子を見てると、何だかホッとして好きだった。
この本では自分の居場所をみんな求めてる
そのために彷徨うとあった
真美子が栞子に憧れたのは、女子大生の真美子にとっての居場所を作ろうとしていたから。
社会人になって美里並み -
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「柚木麻子と読む」とあるので、一作ごとに解説が入るのかと思ったら、そういう形式ではなかった。
柚木麻子・編の林芙美子の短編集である。
こういう作品集は、編者が原作者のどういった部分を好んでいるかで、色合いが変わってくることもある。
やはり「柚木麻子と読む」で良いのだろう。
「はじめに」で、林芙美子本人があまり気に入っていなさそうな作品をあえてチョイスした、と書かれている。
女友達に、ニヤニヤしながらちょっと意地悪をしてみる感じで微笑ましい。
「おわりに」では、林芙美子の作品では、男女の機微を描いたものより、シスターフットが感じられるものの方が好き、と書かれていて、この好みが『ついでにジェント -