柚木麻子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
作品紹介より
「元アイドルと同時受賞」という、史上最悪のデビューを飾った新人作家・中島加代子。さらに 「単行本出版を阻止される」「有名作家と大喧嘩する」「編集者に裏切られる」etc.絶体絶命のトラブルに次々と襲われる羽目に。しかし、あふれんばかりの野心と、奇想天外なアイデアで加代子は自分の道を切り拓いていく-。何があってもあきらめない不屈の主人公・加代子。これぞ、今こそ読みたい新世代の女子下剋上物語。
=======================
のん主演で映画化されると知り、その前に原作を読みたくて手に取った。
自分の欲しいものを自分の手で掴んで行く主人公 中島加代子、または相田大樹、または有森樹李、大学時代のサークルの先輩で編集者の遠藤と、大御所作家の東十条宗典は加代子に巻き込まれながら変化して行く。
なるほど、スピード感があり映像化に向いていると思った。
加代子の純粋で不気味な執念をのんなら面白おかしく演じてくれるのでは。
体重増加や見た目の変化もしてくれるかな?
現実ではありえないから面白い。痛快だった。
-
Posted by ブクログ
美しい女性が集まった「嘆きの美女」ブログに誹謗中傷コメントを記すことが日課となっていた池田耶居子。
あることをきっかけに彼女達と同居することになるが、美女は美女で、それぞれの生きづらさを抱えていた。
外見も中身もブスと言われている耶居子だが、同居人達は真っ直ぐな言葉を放つ耶居子を慕ってくれ、食へのこだわりが強い耶居子は有名フードコーディネーターの玲子の元でめきめき料理の腕を上げていく。
共に暮らす美女からの影響を受け、外見も中身も少しずつ変化して行く耶居子だが、それは耶居子だけでなく美女たちもそうだった。
最後までスピード感があって面白かった。
柚木さんはこういう物語本当に上手い。
終わりの「耶居子のごはん日記」はいらなかったかなー? -
Posted by ブクログ
豊かな想像力を武器に老舗おもちゃ会社でプランナーとして働く宝子。彼女は、取引先のデザイナーである西島に5年も片思いをしている。
気持ちを伝えられないまま西島を想う宝子だが、彼のもとには何故か次々に災難が降りかかる。
宝子は持ち前の機転と推理力、そしておもちゃを駆使し、彼のためにトラブルを解決していくが……。
浅草の老舗おもちゃ会社に勤める宝子を主人公に、想い人に降りかかる災難を人知れず解決していく恋愛×ミステリ小説です。
宝子は、ふわふわお嬢様然としているけれど、独自の世界を持つ敏腕プランナー。
対して片思い相手の西島はというと、私生活も恋愛関係もだらしない雰囲気の、傍から見てちょっとどうかな? と思うタイプ。少なくとも、友人や身内が付き合っていたら何か言ってしまいそう。
けれど、それでもままならないのが恋心というもので、宝子は実に献身的に西島に降りかかるトラブル(さっきの話にさらに加えて、この男めちゃくちゃトラブルメーカーである)を陰ながら解決していきます。
その熱意を本人に向ければ、簡単に付き合えそうなのにもどかしいな等と思いつつ、明後日の方向に突き進む宝子が健気でかわいくて同時に重い。
お話し全体は、本当におもちゃ箱の中身みたいパワフルで、わくわくとキラキラが詰まっているのに、宝子と西島、その他の登場人物たちの片思いという人間関係だけはやたら絡まり合ってごちゃごちゃしているのが、素敵なものしか入っていなかったのに絡んで色あせてしまった宝石箱みたいで何だか寂しげな雰囲気も。
これはハッピーエンドだ、とはっきり言えるような終わり方ではないけれど、成長と素敵な未来を予見させるような素敵なラストで私は好きでした。
宝子みたいに、好きな物を一途に追いかけられる生き方が出来たら、後悔も少なくきっと素敵な人生だったのでは、と思うと彼女がとても眩しく感じます。 -
Posted by ブクログ
75歳の元女優で映画監督の妻である正子の、マジカルグランマ(理想のおばあちゃん)をぶち壊す人生の奮闘記。
正子さんがどんどん、どんどん!パワフルになっていく様がカッコよくて、気持ち良くて、スカッとする!
何歳からでも何かを始めて良いんだ!と思わせてくれる。
世間からの目なんて関係ない、自分を見つめ直して、自分のやりたい事を見つけて、突き進む!
途中までは、ステレオタイプのおばあちゃんだったのに、メルカリで家の中の物をこれでもかというくらい売って、「マジカルニグロ」という言葉に出会って、その位から明らかに目線が変わって、目の前の視界が開けて、目標ができて、人生で始めて本来の自分を見つけて、イキイキとキラキラとしてくる。
本来の自分を見つけた正子さんは、時に我儘だし、冷たいと思う事もあるし、決して素敵な人とは言えない時もあるけど、それが人間臭くてまた良い。
あんな風にパワーみなぎるおばあちゃんになりたい。 -
Posted by ブクログ
期待を裏切る(失礼)面白さで、一日で読んでしまった。
『横浜にある名門お嬢さま大学に通う3人の挫折と葛藤を描いた話』と内容を簡潔に文章にすると、ちょっと違うなあと思う。
北海道から出てきた真美子は幼い頃から病弱だったが(肺がひとつしかないらしい)、自分よりひとつ年上の栞子に憧れて横浜の女子大に入学した。豪華学生寮のルームメイトである美里は、真美子の親友であると同時に彼女の体調を気遣う保護者の役目もしている。
さて、真美子が憧れている栞子なる人物は、14歳のときに『けむり』という本を出版した過去を持つ。真美子はその本が大好きで、盲目的に彼女を尊敬し、慕っている。
自分には才能がある。
人とは違う。
女と群れるのは嫌いで、男といるほうが気が楽だ。
自分の知らない世界をたくさん知っている栞子の言葉を、真美子は栄養にしてすくすく育つ。真美子にいろんなことを得意げに語る度に、栞子は気がついちゃうんだ。口から出る言葉はすべて正反対で、本当の自分は空っぽだったんだって。気がつくというより、見ないフリをしていた現実に目を向けざるを得なくなったという感じか。
話はこの2人が中心なんだけど、美里は影の主役といってもいいだろう。美里のストイックさや強さが物語のいいスパイスになっている。夢に向かって頑張るひたむきな姿や、厳しい現実に打ちのめされそうになりながらも立ち上がる様が凛として美しい。そして何より冷静で且つやさしい。
まったく違う立場、容姿、性格、才能を持つこの3人の三角関係はどのような結末を迎えるのか。
わたしは、
栞子を取り巻く下らない男たちに呆れながら、最終的には真美子に怯えた。
栞子に対して苛々していた感情は、いつの間にか憐憫の情に変わっていた。