柚木麻子のレビュー一覧
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フォロワーさんの本棚から美味しそうな匂いにつられ手に取った作品。
タイトルからガッツリした料理と美味しいご飯のグルメ小説かと思いきや人間の毒や業のスパイスがピリッと効いた人間味溢れる話だった。
特に面白かったのは柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』、高級料理で女性をつまみ食いしようとした男達が、ある女性の注文によって食いっぱぐれてしまうのがなんとも滑稽でスッキリした後味が爽快!
伊吹有喜の『夏も近づく』も良かった。
拓実の優しさと美味しいご飯のセットが、葉月の心に刺さった棘の傷を癒してくれる。
まさに「心の栄養」を与えてくれる一編。
『味の分からない男』が不穏な話で後味が悪かったぶん、『どっしりふわふわ』が焼きたてのパンと美味しいコーヒーが出てきたような
最高のお口直しだった。
そして最後はまんまと「隠し味(仕掛け)」に騙されてしまった。
どの話も結構なお手前でお後がよろしゅうようで御馳走様です。和洋折中楽しませていいただきました。 -
Posted by ブクログ
映画を観た後に、原作が気になり読みました。
なんでこんなに強くて脆いあの時期の女の子の気持ちを繊細に描けるのだろうと感心するし、涙が出ました。今まで読んだ本では描かれていなかったような、奥の奥の誰にも見透かされたくない女の子の気持ちを読みました。
映画で感じた朱里のいやらしさを言語化してくれる第4章が特に好きでした。そんな彼女も抱えるものがあったのだよなあ、人はみんなどこかにコンプレックスを抱いていて、きっとそんな自分に嫌気を感じながら、それでも他人と生きていくしかないんだよなあ、と思うなどしました。
とにかく柚木さんの若い女の子の解像度の高さに驚き、まだまだこのクラスの別の子の話を読みたいと思うそんな話でした。 -
Posted by ブクログ
明治期の歴史的に有名な人々が数多く出てきて、みんな知人だったんだぁ〜なんて思った。
キリスト教に元づいた思想、理念なのだろうが、河井道は、シェアの精神、明るく前向きで強く、生涯、教育者として生きる姿勢が素敵。
そして、戦後の新しい日本を創ることにも寄与された。
古い日本は男性社会で、女性の立場が弱いのに、明治期に進歩的で自立した考えを持っている方たちがいることに驚いた。
河井道の場合は、父親が働かなくなって、母親が強い人の家庭だったのも女性の自立の一因になったのだろう。
シスターフッド、女性同士の強い絆、家族…分け隔てなくシェアする、明るく前向きな心の持ち主の道。
そのシスターフッドにより、道とゆりは家族として同居生活をし、後にはゆりの夫、娘とも同居をする。
同居というのは、心が通じ合う者同士がすればいいと私も思っている。
血の繋がりがあっても相性が悪ければ、同居はしない方がいいと思う。
相性と距離は比例する、と思う。
私もお茶やランチをする友達、旅行に行く友達、それぞれ違う。
道とゆりの夫とは、元々の知り合いでもないが、お互いの距離の擦り合わせをして、いい同居人同士となった。
同席のとき、道はタバコはNG。お酒も本当は嫌だけど、OKにした。
相手の全部を否定せず、お互いの良きところ…というのが、道の人生において、できる人のような気がする。
有島武郎とか、道にとっては、肯定できる人物ではないけど、相手の話しを聞く姿勢である。
晩年、不安になると、有島武郎の幻影を見る。それは、道の中の影の部分なのだろう。
道との対比として、有島武郎…。悲恋と死。
自己愛が過ぎると、自死に至る…ってことかな〜。
道は、シェアの精神と学校を創るのが夢だったから、めんどくさい恋愛はしなかったwってことかな。
人は、どんな人にでもなれる。
でも、河井道は、今日の日本の社会のために生きる人となるため、女子の教育者となったのだし、運命がそうさせたのだろう。
キリスト教にまつわる行事、クリスマスやバレンタインって、戦前から、教会では日本でもやってたんだ〜とびっくり。
飛行機も飛ばない時代から、世界のあちこちに飛び、時代の先取りをした女性。
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Posted by ブクログ
ワンオペ育児をなんとか"工夫"するサマにとても共感し、苦しくもありホッともした。
私が育児をし始めたのは2021年だから、コロナ禍ではあるものの最初からコロナだったから柚木さんほどの辛さはなかったかも。
と、思いつつ、未だにワンオペが続く日の荒れるメンタルには手を焼いている。
だから、柚木さんの荒れた感じにも、理想(とは?)通りにいかない育児家事の状態にも、みんな似たようなものかも…とホッとする。
フェミニズム色が強いかな〜と感じる回は影響を受けすぎず(ジェンダーについては出来るだけフラットでありたいと思っているから、私は意識しすぎると逆に過敏になりすぎて上手くいかない…)
それでも鯉のぼりの替え歌(ラップ)にはめちゃ笑った(笑)