柚木麻子のレビュー一覧
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人と違うことを認められるようになるのはいつからだろう。果たして今、真の意味で他人を認められているか。多様性を肯定できているか。一体誰が希代子を、朱里を、恭子を、責められるのか。良い人も悪い人もいる。「どんなに良い人間でも、きちんと頑張っていれば、誰かの物語では悪役になる」という。作中みんなが頑張っているわけではない。それでも生きている。どうしようもなく他を、違いを意識しながら。違いを認識できるのは幸いにして不幸なのかもしれない。
柚木麻子のデビュー作でありながら、柚木麻子の作品だということを意識せずに純粋に楽しめた。胃もたれの度合いは低く、切ないがさらさらと味わえた。 -
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アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。
他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。 -
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作品紹介より
「元アイドルと同時受賞」という、史上最悪のデビューを飾った新人作家・中島加代子。さらに 「単行本出版を阻止される」「有名作家と大喧嘩する」「編集者に裏切られる」etc.絶体絶命のトラブルに次々と襲われる羽目に。しかし、あふれんばかりの野心と、奇想天外なアイデアで加代子は自分の道を切り拓いていく-。何があってもあきらめない不屈の主人公・加代子。これぞ、今こそ読みたい新世代の女子下剋上物語。
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のん主演で映画化されると知り、その前に原作を読みたくて手に取った。
自分の欲しいものを自分の手で掴んで行く主人公 中島加代子、または相田大樹 -
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豊かな想像力を武器に老舗おもちゃ会社でプランナーとして働く宝子。彼女は、取引先のデザイナーである西島に5年も片思いをしている。
気持ちを伝えられないまま西島を想う宝子だが、彼のもとには何故か次々に災難が降りかかる。
宝子は持ち前の機転と推理力、そしておもちゃを駆使し、彼のためにトラブルを解決していくが……。
浅草の老舗おもちゃ会社に勤める宝子を主人公に、想い人に降りかかる災難を人知れず解決していく恋愛×ミステリ小説です。
宝子は、ふわふわお嬢様然としているけれど、独自の世界を持つ敏腕プランナー。
対して片思い相手の西島はというと、私生活も恋愛関係もだらしない雰囲気の、傍から見てちょっとど -
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ネタバレやや偏見的でもあり苦手な人もいるかも?と思ったが、元早稲女(解説によるとOBであろうが元はつけず早稲女なようだが)としては、懐かしさと恥ずかしさでいろんなところを痛めながらも笑、あるある〜わかる〜と思いながら読んだ。
大学ごとに女子のイメージが分かれるのは、校風に惹かれる時点ですでにタイプが決まっているのか、入ってから肩書きや扱いでタイプが変わっていくのか、卵が先かひよこが先か、どっちだろう…
わたしも典型的早稲女だけど、自分がいつからこんな感じか覚えてないなー。
広末涼子のくだりが、当時はまだこんなことになると思われてないからこそ、感慨深かった…笑