柚木麻子のレビュー一覧
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75歳の元女優で映画監督の妻である正子の、マジカルグランマ(理想のおばあちゃん)をぶち壊す人生の奮闘記。
正子さんがどんどん、どんどん!パワフルになっていく様がカッコよくて、気持ち良くて、スカッとする!
何歳からでも何かを始めて良いんだ!と思わせてくれる。
世間からの目なんて関係ない、自分を見つめ直して、自分のやりたい事を見つけて、突き進む!
途中までは、ステレオタイプのおばあちゃんだったのに、メルカリで家の中の物をこれでもかというくらい売って、「マジカルニグロ」という言葉に出会って、その位から明らかに目線が変わって、目の前の視界が開けて、目標ができて、人生で始めて本来の自分を見つけて、イ -
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「ランチのアッコちゃん」や「BUTTER」等の作品で有名な柚木麻子さんのエッセイ。柚木さんの作品に出てくる芯の強い女性が好きで今まで数々の作品を楽しませてもらったけど、柚木さん自身の考えに触れるのはこのエッセイが初めて。
結論から言って、子育てをするフリーランスとして世の中に持っている不満、違和感に共感することしかなく、また現状を変えたいという思いに心強さを感じた。
なんでこうも世の中は子育て女性に冷たいんだろう?と日頃から思うことが多く、それは潜在的に母親が恐怖心を抱いているからだと。未曾有の少子化が社会問題になっているというのに、妊婦にも子連れにも世の中は冷たい。このエッセイを読んで、 -
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ネタバレ柚木麻子さんの育児とコロナ禍のエッセイ。
手づくりのウォッカ入り
もはやウォッカラムレーズンアイス、
本物のもみの木のクリスマスツリー、
おうち居酒屋の話
などワクワクするようなお話あり、
コロナ禍。
外出自粛と、日々をどうにか工夫する日々。
マイナスな感情やら、悟りやら。
ジェンダー問題から、政治まで。
とにかく
毎日を楽しく暮らせるように
(でもそれを義務化するでも、うまく
いかない時もそんな時もあって当然!と
それすらパワフルに思える)
柚木さんがエッセイ連載中に
生み出された作品である「らんたん」は
必読‼︎と思った。
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期待を裏切る(失礼)面白さで、一日で読んでしまった。
『横浜にある名門お嬢さま大学に通う3人の挫折と葛藤を描いた話』と内容を簡潔に文章にすると、ちょっと違うなあと思う。
北海道から出てきた真美子は幼い頃から病弱だったが(肺がひとつしかないらしい)、自分よりひとつ年上の栞子に憧れて横浜の女子大に入学した。豪華学生寮のルームメイトである美里は、真美子の親友であると同時に彼女の体調を気遣う保護者の役目もしている。
さて、真美子が憧れている栞子なる人物は、14歳のときに『けむり』という本を出版した過去を持つ。真美子はその本が大好きで、盲目的に彼女を尊敬し、慕っている。
自分には才能がある。
人と -
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なんて元気が貰える作品なのだろう!残業が多いだとかミスしただとか、あるいは好きな人ができないだとか。今現在の仕事や人間関係における悩みなんて本当にちっぽけ。もっと広く長い視点で自分の人生を見つめるべきだ!という、20代前半の私に対するメッセージのように感じた。
正子おばあちゃんの自由さ、貪欲さ、プライドの高さ、発想力の高さ、頑固だけど流行り廃りには柔軟…。読み進めていけばいくほど、段々と愛おしく格好良く思えてくる。杏奈とのやり取り(特に序盤)も強烈で面白い〜。杏奈は大成して欲しい。なぜなら「東京ホラーハウス」の構成しかり、杏奈のアイデアはどれも演者やその地域に寄り添っていて素敵だなぁと感じたか -
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江國香織さんの「夕涼み」と綿谷りささんの「青春リグレット」が読みたくて手に取った。夕涼みは、夫の行動にゾッとしたし、私だったらそんなズレた夫とは一緒にいられないと思った。「逃げたかったわけではない、が、逃げられないと思わされることは恐怖だった。竦むような、恐怖だった。」という言葉に共感。誰かに自分の選択肢を奪われたり、縛られたり、自分で自分を決められないことを、人は恐怖と感じるんだなと思った。そして誰にもその出来事は話せないことも、夫を含む周りにはいつまでも愛し合っている夫婦だと思われていることも、自分だけがこのザワザワした気持ちに気づかないふりをしていればいいんだと感じるのもわかる。老女たち