柚木麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これまでおよそ読んでこなかったフランス文学をはじめとする、名作揃いの世界文学。時代ごとに女性の描き方は違えども、女性は女性。その辺りを柚木さんは見事に捉えていらっしゃる。上流階級の女性、貧しさと差別の中で生きる女性、女同士の確執などなど。正直取り上げられたフランス文学やイギリス文学にはあまり惹かれなかったけれど(翻訳の文体に馴染めなかった覚えがあります。)大人になったローラ・インガルス・ワイルダーについては、私も愛読したので面白かった。これは翻訳でも読めたんだよね。
ここにある日本の小説はまあまあ読んでいたのですが。
感性が光ることばにもハッとさせられます。
「人間の本質をえぐるのではなくサクリと切り取ってみせる熟練の技術。えもいわれぬふくよかな読後感」向田邦子をこう言ってみせる柚木さん。林芙美子には、最も「ガツン!」とやられてしまいました。
バブルっぽい世相や、都会的な女性には縁がないので、現実には興味もないのけれど、柚木さんの小説になると、興味深く読まされてしまう。そこが、すごい。
エッセイには創作のヒントも見え隠れしていて興味深かったです。色々発見があって面白かったのだけど、それは読書メモに書いておこう。
ここにある本を読んだら、また読み返したい。やはり読んでいればもっと面白いから。 -
Posted by ブクログ
自分の持っていないものを持っている人に対するコンプレックス。そよはごく普通の女の子だと思う。どこにでもいる普通の中学2年生の女の子。でもだからこそ、ある種の気高ささえあるリサの立ち振る舞いや性格を受け入れろというのはなかなか可哀想な話だと思う。「周りを気にしない生き方」をできる人というのは滅多にいない。だいたいの人は自分に言い訳しつつも、周りとなんとかして折り合いをつけて生きている。でもそれは別に悪いことではないと思う。生き方、幸せはその人それぞれ。でも何よりも自分の意志に従って生きる生き方というのは、やっぱり誰しも憧れてしまうものなんだよね
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Posted by ブクログ
ネタバレ朝井リョウのいう柚木麻子の猪突猛進小説を読みたくて購入。非日常性の高い日常小説に読む手が止まらない、湊かなえ作品と近しい好きさを感じた!
マリーアントワネットと重ねるシーンがあるの好き。猛烈に憧れる人がいるのも、その人と実は馬が合っちゃうのも共感で、のめり込んでしまった理由のひとつ。
読んでいる間は、中学生のとき、わたしもこんなだったかなあと振り返る時間だった。グループへの固執・敵味方がすぐ代わる感じ。今は「えーフィクション」と思うけど、小中学生の時って意外とそうだったのかも。
あと、王妃のきれいさをすごく良く描いていた。
めっちゃきれいでつい見惚れてしまう王妃を、毎回想像させられる。BUTTERの時も感じたけど、柚木麻子は魅せたい人をきちんと魅せるのが上手すぎる!
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Posted by ブクログ
モデルとなった、木嶋佳苗、首都圏連続不審死事件に興味があったから、読んでみた。
人を惹きつけるような美しい容姿でない、若くもない女性が、男に大金を貢がせる、虜にする、人心掌握術、カリスマ性みたいなものについて関心があって読んでみたけど、正直そこを特別にフォーカスした内容ではなかったかな?と思った。
主人公で記者の里佳とその親友の伶子、容疑者の梶井真奈子、3人の生き方の異なる女性たちがメインで話が展開していく。里佳と伶子が梶井について知っていく中で、自分の生き方や価値観を揺さぶられ、変化していく過程が主軸という感じ。「女性はこうあるべき」みたいな価値観や、それぞれの生きづらさを描いているという意味では、フェミニズム文学?
経済面や生活基盤における男性への依存という軸でみた時に両極に位置する里佳と梶井。里佳が梶井に出会うことで、梶井に飲み込まれていってしまう感じはすごくよくわかる。自分の反対の極にいる人間の生き方って、ある意味でカウンターカルチャーに触れる感覚?みたいな気持ちよさがあるんだよね。今まで支配されてきたルールや価値観からの解放ってめちゃくちゃ気持ちいいし自分とは反対の極へ向かうことが正解なんだっていう錯覚に陥りやすい。
でも、最終的に里佳は梶井の生き方を知った上で自分に合うものだけを取り入れた。反対の極に振りきらないとても良いエンド。ここは、レシピの「適量」を知っていくって描写ととてもリンクする。あとは、里佳と梶井の中間にいるような伶子が、里佳が飲み込まれる危険を1番危惧していたのも納得できる。梶井の生き方に里佳ほどの新鮮さや解放感を覚えないからこそ見える視点なんじゃないかなあと思った。
雑に結論づけると、前時代的とも言える「美味しいご飯を作って男の帰りを待つ女」も、現代的とも言える「男に依存せず、自分で働いて自立する女」も、その女性像をそのまま自分に当てはめれば幸せになれるわけではなくて、自分なりの生き方を模索していきましょうね、みたいな感じ?「女性はこう生きるべきで、そうすれば幸せになれる」という万能の答えは幻想で、誰かが用意した答えが、そのまま自分の幸せになるわけではない。
あとは、食が生や死、欲望と絡み合って描かれているのは、個人的にう、となる。生々しくてちょっときつい。
グルメ小説か?ってくらい食べ物の描写は秀逸。ウエストのバターケーキとエシレバターは食べたくなった
もう一度読みたいか?と言われたら微妙。読まないかも。ベストセラーってほど革新的な物語なのかはよくわからない。