柚木麻子のレビュー一覧
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柚木麻子女史は前作の『 BUTTER 』でも強い女性を描かれていたが、今回登場する若い女性たちも、一見ひ弱そうで実は逞しかった。
昭和初期から現在まで、苦労を抱えて生きる女性たちが7編の短編に綴られている。
様々な立場の女性たちが、ユーモアを含めながら自らの道を切り開く痛快物語だ。
全編に駄目な男に対峙する女性が綴られている。
「女性が社会で仕事をするのはつらいだろうけど、男だって大変なんだよ」と思っている男性こそ、この一冊で女性の現状を知るべきだ。
登場する女性たちは、懸命に真剣に生きている。
子育て真っ盛りのシングルマザーは、一杯のワイン、一貫の握りを心ゆくまで味わうことは難しい。
女性が -
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ネタバレ「お酒」というテーマでプロが書くとこんなにも物語が膨らむんだ!ってすごく驚き、というか感動させられた一書!
最初の、ボンボンの話もとっても素敵で。大人ロマンスって感じで、どことなく切なく、甘い感じがたまらなかった。こういう、恋なら、少し素敵だなって思えるよね。
お酒の入ったお菓子、食べたくなっちゃう。
酒造の後継のお話だったり、お酒とお料理を一緒に食べるのに拒否感を感じてしまう女性の話も、新たな世界を見せてもらっている感で、めちゃよかった。。
大人の素敵に雰囲気が物語全体に漂っていて、なんだかうっとりさせられるというか、切ない物語もあったけど、少しあったかくなる感じもあって、お酒を飲んだ -
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ーだって、年寄りは次にちやほやされるのはいつかわからないんだもの。ひょっとしたら、そんな機会がないまま死んじゃうかもしれないんだもの。
正子の言葉を読んで、心にひんやりとした風が吹いた。そうか、歳を重ねていくごとに、褒められたり心配されたりすることは減っていくのか。怒られることが減るとはよく聞くが、もはや関心を持たれること自体減ってしまうとは。
そして今までやってきてもらったように、今度は自分が若者に関心を向ける番になっていくのか。
切ない。しかし言われてみれば、若者のあいだで何が流行っているかは世間で話題になるが、お年寄りのあいだで何が流行っているかは話題に上がりもしない。お年寄りに関心 -
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BUTTERで魅了された柚木麻子さんが描く鮨屋×バブルを舞台とした小説とのことで手をとってみた。
まさに親から聞いてた通りのみんなが浮かれていてギラギラしてたバブル全盛期
ユーミンや尾崎豊にひょうきん族、資産や税金対策のために買うマンションやラッセンの絵、肩パッドたっぷりの服を着たスナックのママ、ジュンコシマダやアニエスベーの服を着る主人公
眩しくてどこが切ないバブル期を終始ありったけの固有名詞で表していて、その時代を生きていた気持ちになれて楽しかった。
なんと言ってもお鮨の表現が美味しそうで美味しそうで…
おぼろとかタコの桜煮とか知らない料理を検索しては幸せな気持ちになった。
はじめて -
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The British Book Awards 2025を受賞した『BUTTER』(第157回直木賞候補作品)を著した柚木麻子は、最近毒を軽やかなタッチで描き出している。本作は第161回直木賞候補作品。
主人公正子は元映画女優、映画監督との結婚を機に家庭に入ったが、今では家庭内別居が続き一人で生きていくために俳優業の再開を目論む。スマートフォンのCMのおばあちゃん役を射止め順調にいくと思えたが、夫の死をきっかけに転落して行く。マスコミから叩かれ、芸能事務所との契約を解除された。夫の知り合いと名乗る若い娘杏奈との同居生活、残された家屋の売却、息子との確執を通じて、何故か生きがいを感じるようになる -
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ネタバレ料理をテーマにしたアンソロジー。
柚木麻子さん『エルゴと不倫鮨』…安定した著者の「反権力(=男性)」「女たちの結束」鉄板ネタ。安定した漫才を見ているよう。
伊吹有喜さん『夏も近づく』…一番飯が美味そうだった。柚木さんの後に「義姉から性的虐待を受ける少年」が登場するので、並びとして良い。
井上荒野さん『好好軒の犬』…文学的。悪い犬じゃないんだよ、かわいそうな犬なんだよ が無意識的な嫌味、斜めな見方。おもしろかった。
坂井希久子さん『色にいでにけり』…金平糖の着色や和菓子の着色。江戸時代の話。粋。
中村航さん『味のわからない男』…こういう芸能人、いそう。リアル。
深緑野分さん『福神漬』…表現がうま -
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最近お気に入りの女性作家に感じる強いフェミニズム。小説で出されると抵抗があって引っかかることが多かったんだけど、やっぱりその風潮あるよね?と納得のエッセイ。
最低限はこなせてるんだからいいじゃん、あとは枝葉だよ、の回が好きだった。
完璧主義をやめた方がいいよ。って言われるたび、やめ方もセットで教えてくれよ!って憤ってたけど、この考え方ができるようになってから楽になった気がする。
今でも怒られたくないから(31歳)できる限りの対応はするけど、落ち込んだ時に「これだけはちゃんとできてるんだから既に完璧だぜ」と思えるようになってきた。
冒頭にも書いてあったけど、頑張りたい!、できない…、ダメ -
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ネタバレ「楽できるならそれを恥じずに環境に感謝してどんどん先に行った方がいいし、その分、人を助けたらいいよ。便利で新しいものもためらいなく取り入れる方がいいと思うよ」
私はずっと楽することに罪悪感を感じていました。環境に感謝するという考えは今まで持ったことがありませんでした。目から鱗でした。
ただ楽をするだけでなく、楽してできた時間を人助けで還元する。それなら楽することは罪と思わなくなるのかもしれないと思いました。
私は便利で新しいものを取り入れるのも慎重になり過ぎる傾向がありますが、便利なものはどんどん使っちゃえと思って、躊躇なく取り入れられるようになりたいと思いました。