横浜のお嬢様女子大学に通う真実子は、病弱で、小中を病院で過ごしていた。それを心配する幼馴染の美里(同大学、同寮で暮らし、女子アナを目指している)と、真実子の一つ上の先輩である栞子(過去に親のコネで詩集を出している。退廃的、文学的なことへ傾倒)、二人の目線で描かれた大学生活。
誰もがうらやむ美貌を持った美里は、必死に努力するもキー局のアナにはなれず、しかし奮起して、北海道でアナウンサーになるという夢を叶える。一方、栞子は、創作への熱などとうになく、しかし、文学通であるというポーズだけは一人前で、大学教授だったり、カメラマンだったり、映画監督志望だったりする男に依存していく。自分は将来は、ブックデザイナーとかやりたいといいながら、やっていることは、男連中の飯炊き。しかし真実子は、そんな栞子を尊敬し、盲目に崇拝している。栞子は、真実子が私をおだてるから、私はなんにもない人間になったんだと、逆恨みする始末。
ピュアでなんでも吸収する真実子は、ちょっとやってみようかな、のノリで書いたシナリオで賞を獲り、売れっ子のシナリオライターとなる。そこに、栞子は、映画監督志望の男と一緒に作品をつくらない? という、上から目線の提案をしにゆき、ズタボロに言い負かされてしまう。
自分は特別な人間だと思っているサブカルまみれ、栞子の、痛々しさがわかりすぎて、辛い。美人でもなく、頭がよくもない自分が、必死にカッコつけて見出した居場所を、あっさりと美人に奪われ、自分を崇拝していた後輩に、追い抜かれる。
「年上のくせに葛藤のレベルが低くないですか? あんなに映画見たり、本読んでたくせに……。何一つ血肉になっていないんですね」
やめてあげて、真実子……。まるで自分を見ているようだった。