柚木麻子のレビュー一覧
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「お酒」を題材にしたアンソロジー5作。
・織守きょうや「ショコラと秘密は彼女に香る」
チョコレートボンボンに思い入れがありげな伯母を探る姪っ子は、その人物に会いに行く。
・坂井希久子「初恋ソーダ」
果実酒作りが好きなキャリアウーマンの話
・額賀澪「醸造学科の宇一くん」
実家を継ぐのが既定路線の酒造の一人娘は自分の将来に悩んでいて…
・原田ひ香「定食屋「雑」」
夫の好きな食事が許せない妻は離婚を切り出される。
・柚木麻子「bar きりんぐみ」
コロナ禍で昔の同級生からオンライン飲み会を依頼されたバーテンダー。
お酒がスパイス的に、過去だったり、これからだったりを見つめ直すきっかけにな -
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読んでいて楽しくなかった。
佐和子や実花、ガツガツ婚活する芝田など、自分らしさ、自分がどう生きるのが幸せなのかよりも、
世間が求める(と思っている)女性としての生き方を求めてしまう(求めざるを得ないと自分で縛っている)苦しさがしんどかった。
独身で婚歴がないと変わり者、出産こそ女性の幸せ。母親になったら自分より子供を優先という世間の価値観。
自分らしさがそれと一致すれば何の問題もないが、反するものだったら今の日本で生きるのは苦しい。
最後に出てきた、結婚に向かないと気づいた大人達のシェアハウス。そこに近所の喫茶店から週何回かのデリバリーサービス。
これはいい!
経済的にも精神的にも自 -
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文学新人賞を受賞したものの、同時受賞は元アイドルだったため注目をさらわれ不遇な道を辿る加代子。それから加代子の激闘ぶりがはじまる。この強烈なキャラは本性なのか。夢を叶えるにはこれくらい打たれ強く、執念深くってことか。
コメディと捉えればいいのだろうが、やりすぎ感が否めず笑えないところもあった。そして、復讐に燃える加代子は好きではない。
なのになんでだろうラストの場面はとても美しく感じた。最後なんとかきれいにまとまってゆくでもない、これからも何が起こるか分からない加代子の作家人生の荒波の幕開けのようでもあり。
最初は宿敵だった東十条。妨害し合った東十条の心まで澄みわたらせ、かけがえのない友人にな -
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2020年夏に刊行された本。コロナ後の社会の変化について。 人間、生命、歴史、国家、くらしと文化をテーマに21人の知性が語る。
インタビューと寄稿された文で構成されている。コロナが蔓延し拡大していた頃の見解なので、現在の視点で読むとやや違和感がある意見もあるけれど、総じてコロナをきっかけに、今後社会が大きく変化すること、先が見通せない不安がつきまとうことで一致している。コロナ発生から1年が経って、ワクチン接種が進んでいるが、なかなか終息しないのが心配。 経済活動は悪化しているが、でもマクロレベルでの指標と実態の乖離は、それほど危機的ではないように思う。 影響が出てくるとすれば社会構造の変化、人 -
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100年経っても変わらない愛、恋、友情、野心、本音。
フランス文学、日本文学、イギリス文学、アメリカ文学の4章に分けて、いわゆる古典名作が紹介されている。読んだことのある話も、あらすじだけ知っている話も、著者の語りと共に「そうそう!」「なるほど!」と思わず声が出そうになる。
「ダウントン・アビー」やケイト・ブランシェットへのファン活動、作家のレシピ研究など、著者自身の日常も楽しそう。
三島由紀夫『女神』の中で、娘を完璧なマドンナに育て上げようとする紳士が娘に与えた『クレーヴの奥方』は三島由紀夫的「モテ教科書」説、『風と共に去りぬ』のスカーレットと『若草物語』のジョー(そして作者のルイーザ -
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ラジオ「荻上チキセッション」が夕方に移ってから聞くようになり、荻上チキさんとはどういう人かと探していて行きあたった本。読みたいと思った人の章のみ読みました。
養老孟司:「不要不急とは」という、今回もまた若干ずれた感のある内容なのだが、この用語への同氏の違和感は、医者でありながら現場ではなく解剖をやっている自分、また現在の老人で公職にもない自分の存在は不要不急なのではという根本から生まれている。そこからさらに、人間自体不要不急なのではという話。この辺りは、前回読んだ氏のインタビューで、老人はコロナ禍を乗り切ったところで生き甲斐はあるのかという疑問と相反するようで通じるところがあり、面白いなあと -
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自分の求める「たったひとり」を探す主人公たち。
個人的によかったのは、飛鳥井千砂さんの『神様たちのいるところ』と柚木麻子さんの『残業バケーション』かな。
昔の何気ない約束を忘れられない気持ち、わかります。
相手が覚えているかもわからないのに、忘れているだろうなと思いつつも、じっとしてられない感覚。
何かを変えたくて、何かしなきゃともがいて。
約束って、お互い覚えていたら美談ですけど、片方だけ覚えてるのは切ないですよね。
同僚なのに存在感がなくて、趣味が同じとわかってから急接近!というのが、とてもときめく感覚が伝わってきて好きでした。
親近感わいて、急激に距離が縮まっていくのが自分でもわか