柚木麻子のレビュー一覧
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早稲田大学の女性を軸に、各大学ごとの特色を持った登場人物達の連作短編
メインのキャラは6人
早乙女香夏子:早稲田、すっぴん、ジーンズ、強気、理屈、真面目、努力家
立石三千子:立教、香奈子の友達
本田麻衣子:日本女子大、長津田が好き
早乙女習子:学習院、香奈子の妹
慶野亜依子:慶応卒、出版社勤務、営業、吉沢の元カノ
青島みなみ:青山学院、卒業旅行のメキシコ行きの便でたまたま知り合った香夏子と行動を共にする。境遇が香夏子と似ている
その他のメンバー
長津田:早稲田、7年生、香奈子と付き合っている
吉沢:早稲田卒、出版社勤務、香夏子が好きで告白している
美奈子:日本女子大、麻衣子の友達、派手系
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知ってる作家さんもいれば、はじめましての作家さんもいて
すごく盛り沢山な感じの本だった。
飛鳥井千砂「神様たちのいるところ」
元カレとの約束でギリシャに降り立つ。
彩瀬まる「かなしい食べ物」
同棲中の彼女から枝豆チーズパンを作るようねだられる。
瀬尾まいこ「運命の湯」
呂三男じいさんとジュリエット。
西加奈子「宇田川のマリア」
殺されたはずなのに、みんな私のことが見えるの?
南綾子「インドはむりめ」
結婚してもお母さんになっても、絶対に友達でいようね…。
柚木麻子「残業バケーション」
昔のドラマを録画したビデオを探し出す。
私、西加奈子さんの作品を初めて読んだんだけ -
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ネタバレフランス文学、日本文学、イギリス文学、アメリカ文学から有名な本たちを柚木さん視線で紹介。
タイトルは知ってるけど、半分以上読んでなくて、「名作」にはついつい構えてしまってたな。
柚木さんの文章にニヤニヤしたり吹き出したり。
思っても見なかった解釈や、時代背景に驚いたり。
どの本もとても楽しそうに語られるので、もう少し気軽に楽しみたくなった。
といいつつ、やはり最初は大好きな名作を再読しちゃうかなー。
罰がなんだよ、それでも私は、やりたいようにやるよ、と言いたげな彼女達の姿に勇気づけられる「赤と黒」
女性の魅力の正体や、欲しいものを手に入れた時の恍惚とむなしさについて、ここまで突き詰めて描い -
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それぞれの大学を擬人化した感じでおもしかろかったー。
立教大学 立石三千子
日本女子大学 本田麻衣子
学習院大学 早乙女習子
慶應義塾大学 慶野亜依子
青山学院大学 青島みなみ
早稲田大学 早乙女香夏子
みんな違う大学だけど、早乙女香夏子と関わりがあって、
それぞれ恋愛に悩んでて…って感じだったー。
大学ごとに、「こんなイメージ」ってのがあるのを
初めて知ったよー。
早稲女って言葉も初めて知りましたー笑
でも、そのイメージが自分にとって良いときもあれば
鎖になるときもある。
そんな話だったよー。
早稲女って、男にこびない、がさつ、すっぴん、まじめ…
そんなイメージなんだってー -
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「お酒」を題材にしたアンソロジー5作。
・織守きょうや「ショコラと秘密は彼女に香る」
チョコレートボンボンに思い入れがありげな伯母を探る姪っ子は、その人物に会いに行く。
・坂井希久子「初恋ソーダ」
果実酒作りが好きなキャリアウーマンの話
・額賀澪「醸造学科の宇一くん」
実家を継ぐのが既定路線の酒造の一人娘は自分の将来に悩んでいて…
・原田ひ香「定食屋「雑」」
夫の好きな食事が許せない妻は離婚を切り出される。
・柚木麻子「bar きりんぐみ」
コロナ禍で昔の同級生からオンライン飲み会を依頼されたバーテンダー。
お酒がスパイス的に、過去だったり、これからだったりを見つめ直すきっかけにな -
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読んでいて楽しくなかった。
佐和子や実花、ガツガツ婚活する芝田など、自分らしさ、自分がどう生きるのが幸せなのかよりも、
世間が求める(と思っている)女性としての生き方を求めてしまう(求めざるを得ないと自分で縛っている)苦しさがしんどかった。
独身で婚歴がないと変わり者、出産こそ女性の幸せ。母親になったら自分より子供を優先という世間の価値観。
自分らしさがそれと一致すれば何の問題もないが、反するものだったら今の日本で生きるのは苦しい。
最後に出てきた、結婚に向かないと気づいた大人達のシェアハウス。そこに近所の喫茶店から週何回かのデリバリーサービス。
これはいい!
経済的にも精神的にも自 -
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文学新人賞を受賞したものの、同時受賞は元アイドルだったため注目をさらわれ不遇な道を辿る加代子。それから加代子の激闘ぶりがはじまる。この強烈なキャラは本性なのか。夢を叶えるにはこれくらい打たれ強く、執念深くってことか。
コメディと捉えればいいのだろうが、やりすぎ感が否めず笑えないところもあった。そして、復讐に燃える加代子は好きではない。
なのになんでだろうラストの場面はとても美しく感じた。最後なんとかきれいにまとまってゆくでもない、これからも何が起こるか分からない加代子の作家人生の荒波の幕開けのようでもあり。
最初は宿敵だった東十条。妨害し合った東十条の心まで澄みわたらせ、かけがえのない友人にな -
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2020年夏に刊行された本。コロナ後の社会の変化について。 人間、生命、歴史、国家、くらしと文化をテーマに21人の知性が語る。
インタビューと寄稿された文で構成されている。コロナが蔓延し拡大していた頃の見解なので、現在の視点で読むとやや違和感がある意見もあるけれど、総じてコロナをきっかけに、今後社会が大きく変化すること、先が見通せない不安がつきまとうことで一致している。コロナ発生から1年が経って、ワクチン接種が進んでいるが、なかなか終息しないのが心配。 経済活動は悪化しているが、でもマクロレベルでの指標と実態の乖離は、それほど危機的ではないように思う。 影響が出てくるとすれば社会構造の変化、人 -
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100年経っても変わらない愛、恋、友情、野心、本音。
フランス文学、日本文学、イギリス文学、アメリカ文学の4章に分けて、いわゆる古典名作が紹介されている。読んだことのある話も、あらすじだけ知っている話も、著者の語りと共に「そうそう!」「なるほど!」と思わず声が出そうになる。
「ダウントン・アビー」やケイト・ブランシェットへのファン活動、作家のレシピ研究など、著者自身の日常も楽しそう。
三島由紀夫『女神』の中で、娘を完璧なマドンナに育て上げようとする紳士が娘に与えた『クレーヴの奥方』は三島由紀夫的「モテ教科書」説、『風と共に去りぬ』のスカーレットと『若草物語』のジョー(そして作者のルイーザ