柚木麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みやすくてハッピーな恋愛小説が読みたい気分で、この本を手に取りました。
タイトルから、王道の恋愛小説をイメージしていたんですが、いい意味で裏切られました。
もちろん恋愛小説ではあるんですが、ちょっと推理要素もありつつ、一筋縄ではいかずにテンポよく進んでいきます。
また、登場人物が個性的なのでわいわいしている中をサクサクと読み進めていけるかなと思います。
柚木先生の書く登場人物は個人的に楽しくて素敵な人が多いように思います。
宝子さんに共感する部分もあるのですが、個人的にはそれよりも芯の強さを感じました。なので、こんな人が近くにいたら癒されるなぁ、陰ながら成長を応援する目線で楽しんでいました -
Posted by ブクログ
久しぶりの恋愛小説、今の自分(トキメキのない、日々に忙殺されている)には共感できないかも......。
と思ったら、裏切られた!
確かに片想いの恋愛小説だが、なんと謎解きではないか!
下町っ子なら馴染みのある、きっとモデルはあそことわかる老舗のおもちゃ屋<ローレライ>。
そこに勤める富田宝子が本作の主人公。
スカイツリーを眺めながら、隅田川を水上バスで、三社祭の喧騒に花やしき、日本一の花火大会に陽気なカーニバル。
そんな愛しの場所を舞台に、謎解きと恋の物語。
面白くなかったらおかしいじゃないか。
作中、何度もこんな言葉が登場する。
「自分の心にねじを巻いてくれるのは、自分だけだもの」(19 -
Posted by ブクログ
なんというか感じ方が女性だなぁ、としみじみ思う。
強い女性が主人公かサブキャラの作品が多いと感じていた。しかし、作者自身は日々悩み、映画の俳優に黄色い声を上げる普通の女性であったことに新鮮さを覚えた。
作者が紹介した「高慢と偏見」は「本を守ろうとする猫」でも出てきた。そして「白鯨」の紹介中に登場したクィークェグは「書店主フィクリーのものがたり」でカクテルとして登場。
本と本が繋がるのは楽しい。
何となく日頃Twitterやニュースを見てモヤモヤしていたことが、彼女の言葉ですっきりした。
「どうして今、こんなに野心や情熱が疎まれるかといえば、それは、誰しも感情を殺すことになれっこだからだと -
Posted by ブクログ
一言でいうと「大人女子のための恋愛名作感想まとめ本」といった感じです。著者とまるで女子トークをしているかのような心地で、世界の名作についての大まかなあらすじを知れます。私が気になった名作は「放浪記」です。映画や舞台で有名な作品だということは知っていましたが、読んだことはなく。。。「悩みやうだうだをスパッと切り捨て、明るい方向へ向かって力強く踏み出したいあなたに、ぴったりな1冊である」とのこと。ぜひ、読んでみようと思います。
フランス、日本、イギリス、アメリカの名作文学が合計57冊紹介されています。恋愛もの小説が好きな方は、きっと気になる名作に出会えると思います。 -
Posted by ブクログ
柚木麻子さんが名作文学を紹介するという連載をまとめた一冊です。
ブックガイドでありながらエッセイとしての良さもある、一粒で二度美味しい仕上がり。
たしかに名作文学って敷居高く敬遠しがちだったり、逆にタイトルだけで知った気になってたりで、どっしり腰を据え改まって「さぁ読むぞ!」とならないと読めなかったんですよね。
ただこの本では、柚木麻子さんによる生き生きとした文体であらすじがまとめられているので、とても親しみやすいものに感じました。肩肘張らない等身大の感想も素敵!
おかげで、こちらも「読んでみよ〜」ぐらいの軽い気持ちで名作にふれることができそうです。
お恥ずかしながらフランス文学ってほとんど -
Posted by ブクログ
本のタイトルからちょっと手に取るのが恥ずかしかった。
作中に出てくる女性が皆独身30歳前後、という設定。
・「神様たちのいるところ」飛鳥井千砂
アテネの街の描写が綺麗。
アクロポリス遺跡、フィロパポスの丘、早速ググって調べました。壮大なところ。
10年後に約束の地で再会しようという設定はベタですが、元カレへの心残りから揺れ動く心境に少し苦しくなりながらもラストどうなるのかが気になって仕方がなかった。
★★★★
・「かなしい食べもの」彩瀬まる
『かなしい食べもの』というタイトルから、途中でだれか死んでしまうのか、とか発想力の乏しい頭で考えていたのですが、なんともいえない昔の思い出のキーアイテ