柚木麻子のレビュー一覧
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柚木麻子さんは、ガールズ小説の中でも「シスターフッド」の系統を代表する作家だと思っています。とはいえ、私自身がガールズ系の作品をそれほど積極的に読んできたわけではないので、これまで読んだのは代表作くらい。少々反省しております。
今年は、シスターフッド文学の日本に源流(かな?)とも言える吉屋信子の生誕130年。横浜では企画展も予定されており、その関連講演を柚木麻子さんが行うと知って、まだ時間はあるので 少し読み積もうと思います。
本作『王妃の帰還』は、
雑誌「紡」連載を経て
2013年に実業之日本社から単行本化、
2015年に文庫化、
そして2026年に新装版文庫が刊行です。
『BUTTER』の海外での大ヒットの影響ももちろんあるのでしょうが、私は密かに、今年の「シスターフッド再注目」の流れにも乗った刊行なのではないかと勝手に思ってます。
物語の舞台は女子校。テーマはスクールカーストです。
クラスの頂点にいた“王妃”系女子が失脚し、下層グループに紛れ込むという大胆な設定がまず面白い。
さらに驚くのは、物語全体の構造にフランス革命が下敷きとして使われていること。これは、柚木さん本人が言ってますが、言われなければ気づかないほど自然に織り込まれています。この発想の大胆さにびっくりですが 大胆すぎて読んでも気が付かなかったです。
多少古い作品ではありますが、カースト下位の少女たちのしたたかさが思わぬ幸福を引き寄せる、痛快なガールズ小説でした。
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Posted by ブクログ
読み進めるたびに、この本嫌かもと思うようになってきて、でもその理由は最終章にあった。
でもやっぱり、性的描写は妙にリアルすぎて苦手だったな笑
伊藤くんの言葉で強く頷いた場面を抜粋。
「テレビも映画も小説も『傷つくことを恐れるな』と言い続けているけど、それは強者主導のルールですよ。傷ついても平気な顔で生きていけるのは、恥をかいても起き上がれるのは、ごく限られた特殊な人種だけなんですよ。そのことに誰も気付かないから、不幸が起きるんです。大抵の人間が夢を叶えないまま死ぬのは、夢と引き換えにしてでも、自分を守りたいからですよ。楽しいより、充実感を得るより、金を稼ぐより、傷つけられない方が本当は重要なんですよ。」(p.289)
あと、吉田大助の解説も良かった。 -
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ネタバレ表紙がめちゃくちゃ可愛くて、思わず表紙買いしてしまいました。
女子中の中で起こるグループや派閥の争い。地味な女の子の視点で書かれていますが、クラス1可愛い女の子がトップグループから外され、主人公のグループに入って…とゆう感じで始まります。
最初はこのクラス1可愛いと言われている女の子の性格が嫌で嫌で(笑)中学生とは思えない!あたしは無理だぁってなったけど、最後にはこの子が1番成長してたし、良い方向に変わっていったなぁと思います。思春期の女の子特有の、どこかのグループに属さなきゃいけないあの環境、大人になっても窮屈に感じることもあるけど、学生の頃ほどではないな、と思います。一人でいるのと、大勢の中に独りでいるのは全然違いますからね?大人になるとまぁ、それくらいでもいいや、と思えることもあるけど、あの狭いクラスの中でそうなるとホンット耐えられなかったですね。大人から見たら小さな世界で起こっていることですが、どこのグループに入って、どう立ち回るのか、本人にしてみたら死活問題くらいの重要さでしたからね。
男の子はそんな事ないんでしょうかね?こうゆうのほぼ女子の話しで書かれますが…まぁ、女子でもそんな体験していなかった人も居るのかもしれませんがね。
解説にもあるように、同じ世代の子にも、そして大人にもささる、共感してしまう、考えさせられる、そんなお話しでした。 -
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ネタバレタイトルで買ってしまった。
北信の湯田中の古本屋併設のフレンチのお店「やまブイブイ」。読書好きの女将さんの、おそらく読んだ本だろう。
折しも、宮沢賢治の『注文の多い料理店』という短編集を読んだところだったので、目について、思わず手に取ってしまった。きれいな古本。200円はお買い得♪
さて、誰から、どの作品から読むか?
折しも、短編集を編むなら、作品の掲載順はどうあるべきかを読み友たちと語る機会があったので、果たして順番は大切か、それとも……、という思いを確かめる意味でも、この短編集は、今、読むべきだとも思ったのだった。
結果、最初に読んだのは柚木麻子から。「エルゴと不倫鮨」
なんといっても『BUTTER』の著者、今、油の、いや、脂はこっちの字か? の乗った作者だ。そのヒット作の影響を色濃く残したような、カジマナを彷彿させる豪快な女性が食の蘊蓄を語り、男どもを翻弄していく。痛快な短篇。
次は、井上荒野。「好好軒の犬」
あまり好きな作家ではないが、ネームバリューはこの中ではある。
作品は、冷めた夫婦間の、なんともいえない機微が描かれていて面白味があった。が、これって、タイトルの「注文の多い……」ではない。「食」の話は出てくるが。
伊吹有喜の「夏も近づく」は、好きなテイストだ。
田舎暮らしの食と生活が丁寧に描かれている。が、これも「注文の多い~」というわけではない。
柴田よしきの「どっしりふわふわ」も悪くはなかったが、パンづくりは、どことなくしあわせと直結しがちな雰囲気が、安易といえば安易だったかな。
いずれにせよ、この短篇集タイトル勝ち。
「料理小説集」や「食のアンソロジー」とか、他のタイトルを付けてあったのでは、手に取らなかったろう。 宮沢賢治におんぶにだっこ? 賢治にエルゴ抱っこ紐、って感じの短編集だった(笑) -
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この本を読み見えたものの、感想が書けずにいた。
私は母から大事な事を教わらなかったからだ。
架空の人物と比較するのもおかしいが、ティアラさんや貴子さんが魅力的でならないのだ。
ティアラさんに対して思う事は沢山ある。
もしティアラさんがお母さんだったら嫌だし、かと言って貴子さんがお母さんだったら息が詰まりそう。
ティアラは、「ティアラ」として生きる事が処世術なのかもしれないと思った。
この本を読んで色々な事を思い出した。
周りより少し早く初潮が来た事、私立中学を受験した友人の事、お受験させた友人のお母さんを逆恨みした事、親しい友人と別れて進学した中学で人間関係にとても苦労した事…みかげちゃんみたいな意地悪な子はクラスに1人はいた気がする。
もしもダイアナが実在したら中学でヤンキーかギャルになっていたと思う。何せ可愛いと周囲から一目置かれるし男子にもモテると思う。周りと話が合わなくても孤立するよりマシってなるんじゃないかな。
彩子ちゃんの大学時代の話は読んでいて辛かった。
性の対象として差し出され、値踏みされるあの感じ…大学はそんなに恐ろしい場所なのか…
「私に命令できるのは私だけ」という強い台詞は多くの読者に刺さったと思う。
沢山の小説が出てきたが、恥ずかしながら一冊も読んだことがない。いつか赤毛のアンを読みたいと思う。 -
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オーディブルで。デビュー作『フォーゲットミー、ノットブルー』を含む四篇。私立のエスカレーター式の女子高で、その他大勢の一人だったキヨコは、高校から入ってきた一風変わった女の子、アカリの、ちょっと変わった家庭環境(父は写真家、父の彼女と同居)、言いたいことを言う自由奔放な性格に、ぐいぐい惹かれてゆき、それまで自分の属していたグループをつまらないと敬遠するようになる。アカリと特別な関係を結びたいキヨコ。が、アカリは誰とも特別にならない特別な子で、その本心を知ってしまい、自分の手に入らないことに苛立ち、クラス中で虐めにかかる。続く三編は、その女子校仲間の、それぞれの視点から。全ての話に、他人と比較し、優越を感じることで生き延びている女子高生たちの、息苦しさがある。
誰とも比べないことが、楽しく、自由に生きられる秘訣。そうわかっていても、自分より恵まれている人を見れば、嫉妬を感じるし、他人に軽んじられないために、背伸びをする。どのグループにも属さないでいることは、人生が終わることとほとんど同義で、でも、上のグループも下のグループも、そして自分の属するグループのメンバーも、見下さずにはいられない。特別なことがなんにも起こらないまま、時間だけが過ぎてゆく焦燥感。
派手でクラスのトップに君臨している美人、キョウコと、最下層、オタクグループに属するサチコが、読書を通じて互いに興味を持ち、惹かれ合うのに、持っているものが違うために理解し合えないのが、もどかしくもよかった。相手のためを思ってすることが、裏目に出、すれ違う。
人間関係の悩みは、大人になっても続く。それを、いつまで経っても終わらない駅の工事と重ね合わせるなんて、天才だな。 -
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早稲女的には読みたいような読みたくないような、複雑な気持ちだった本。学生時代には大学内の本屋で見かけても避けてましたが、『BUTTER』以来柚木さんの本に興味があり、手に取ってみました。
柚木さんの一貫したテーマである「女同士の友情」がこの作品でもテーマになっていました。
今どき早乙女香夏子のようにすっぴんでデニムにTシャツの早稲女は天然記念物だと思うけど、酒豪だけど根は真面目で頼れる早稲女は今も昔もたくさんいると思う。
序盤、早稲女の描写がコテコテすぎて胸焼けしそうだったんだけど、その原因は早乙女香夏子にあるのではなくて、早稲田の女子を「早稲女」という枠に押し込めようとする周りの男たちにあるなと読んでて気付きました。私たちは周りの早稲男や慶應ボーイによって「早稲女」を演じさせられてたのかもしれない… -
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御神籤ブック5冊目。
5人の作家さんがお酒と女性をテーマに書いた5つの短編集。
自分自身も酒好きな女性である。
大抵の呑兵衛は、お酒にまつわる話と言われても失敗談しかこないだろうと勝手に思っていた私たけれど…。
お酒にまつわる話は失敗談だけじゃない!
と言わんばかりに、どのお話もほっこり温かくて、心がほぐれた。
『定食屋「雑」』のお話が一番好き。
食事もお酒も人生の活力。自分の好きなお作法でいただくのが一番美味い、ということには激しく同意。家を出て行った夫には共感しかなかった。
『BAR きりんぐみ』で紹介されてたお酒は、いつか試したい!!
私の中にも、お酒にまつわるいいおエピソードあったかなぁ?とふと振り返ってみる。
………ダメだ、やはり、失敗談しか、ない。