柚木麻子のレビュー一覧
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セックスレス。
この響きはどこか秘めた熟れた匂いがする果実のようで、
実際には冷たく乾いた人と人の戦争だ。
最後まで読みきってしまったのは、
セックスレスに終わりはあるのかこの眼で確かめたかったからだ。
わたしも実際に乗り越えてきたから、
人の解消法が気になる野次馬根性です、すいません。
今でも自分自身がなぜセックスレスを解消できたのか、
答えが出ていないなと読みながら、ふと思う。
わたしのクレイジーフルーツは、夫にとってどう写っているのだろう。
夫と改めてセックスについて話してみたいという気になった。
言うて、さらっと映画を見るように読めた。
女性からしてみれば、どこかの夫婦の中を覗いてい -
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Posted by ブクログ
ネタバレ人生を彩る料理に乾杯。
7つの個性的な短編が収められている。登場する料理も様々。お酒からお菓子、パン。時代も場所も様々だ。読み終わると美味しい料理を食べた後のように満足している。
柚木麻子「エルゴと不倫鮨」ある程度の年収の男と歳が離れた若い女性が集まる店。そこにやってきた招かれざる客は——。卒乳祝いの女性がパワフルでそこにいる人すべてが巻き込まれていく。世界をひっくり返すようなお客にコロリと順応するのはまた女性たち。疲れ果てた男性たちの顔が目に浮かぶ。
伊吹有喜「夏も近づく」三重県の自然の中に暮らす拓実のところに兄が訳ありの少年を連れてきた。美味しい水と自然の中で育ったものを食べるうちに -
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美味しい料理が縁を結ぶ、7つの物語。
お腹がぐうぐう鳴るくらい美味しそうな料理が出てくる作品ばかりで、その中でも伊吹有喜さんの『夏も近づく』が好みだった。
温かい食卓を通して心の距離が近づく様子を丁寧に描いていたところが素晴らしかったのはもちろん、出てくる料理の美味しそうなこと! たけのこご飯、果肉ごろごろのバレニエ、青竹のコップで食べる素麺ーー。身体の隅々まで染み渡るような滋味あふれる料理が恋しくてたまらなくなる。
テレビやスマートフォンを眺めながらささっと食事を済ますのも悪くはないけれど、目の前の料理の香りと素材本来の味に、もっとじっくり向き合って食事をしようと姿勢を正した。
伊吹有喜さ -
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柚木麻子さんによる名作の解説
つくずく私は名作と呼ばれるものを、ほとんど読んでないのだなぁと思い知らされる
現代の小説も、無理やりにでも系譜を辿れば昔の名作の影響を受けているのだろうし
そんな知識があって読む方が楽しめるのはわかるんだけど、なかなか手が出ないんですよねー
これを機会に気になる作品を読んでみようかとも思うけど、結局読まない気もする
柚木麻子さんのエッセイとしての側面
気になったのは、「女同士はドロドロしていて怖い」という価値観と戦うために小説を書いているらしい
確かにそんな価値観に立ち向かった作品もあるけど、すっげーどろどろした女同士の関係を描いている作品もあるけどね -
Posted by ブクログ
セックスレスのため性欲をこじらせている主婦のお話
結婚して3年の初美
夫婦関係は円満で不満ないが、唯一の悩みがセックスレス
そのため、欲求不満を拗らせて同級生といい感じになったり、義弟との妙な妄想をしたり、マンションの向かいの浪人生を誘惑したり、産婦人科の女医の触診で欲情したり、果ては家出の逃避行をしてしまう
果たして、夫婦関係はどうなるのか?
12編の連作になっているので1編は短め
1. 西瓜のわれめ
2. 密柑のしぶき
3. 苺につめあと
4. グレープフルーツをねじふせて
5. ライムで全裸
6. 林檎をこすれば
7. 柚子の火あそび
8. ピオーネで眠れない
9. 桃の種はしゃぶ -