柚木麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これまでおよそ読んでこなかったフランス文学をはじめとする、名作揃いの世界文学。時代ごとに女性の描き方は違えども、女性は女性。その辺りを柚木さんは見事に捉えていらっしゃる。上流階級の女性、貧しさと差別の中で生きる女性、女同士の確執などなど。正直取り上げられたフランス文学やイギリス文学にはあまり惹かれなかったけれど(翻訳の文体に馴染めなかった覚えがあります。)大人になったローラ・インガルス・ワイルダーについては、私も愛読したので面白かった。これは翻訳でも読めたんだよね。
ここにある日本の小説はまあまあ読んでいたのですが。
感性が光ることばにもハッとさせられます。
「人間の本質をえぐるのではなくサ -
Posted by ブクログ
自分の持っていないものを持っている人に対するコンプレックス。そよはごく普通の女の子だと思う。どこにでもいる普通の中学2年生の女の子。でもだからこそ、ある種の気高ささえあるリサの立ち振る舞いや性格を受け入れろというのはなかなか可哀想な話だと思う。「周りを気にしない生き方」をできる人というのは滅多にいない。だいたいの人は自分に言い訳しつつも、周りとなんとかして折り合いをつけて生きている。でもそれは別に悪いことではないと思う。生き方、幸せはその人それぞれ。でも何よりも自分の意志に従って生きる生き方というのは、やっぱり誰しも憧れてしまうものなんだよね
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Posted by ブクログ
サラサラ読めますが長かったです。
文庫の裏面のざっくり解説で読みたくなったのですが、カジマナは本当に殺人者だったのか。よりも雑誌記者の里佳さんとその周りの人たちの私生活が、刻々と変化していく状況がうまく構成され面白かったです。
殺人疑いで東京拘置所にいるカジマナに何度も取材面会を続けていく里佳さん。
真実を明らかにするために話しを聞くのだが、ご飯の上にバターと醤油、バターのせラーメン、バターのたくさんの料理が美味しそうで、わたしも含めてカジマナワールドにハマり、お腹空きます。
しかし登場人物のあまりにも考えられない行動が過剰過ぎて、なかなかそんなキャラいないかなと、ちょっと非現実的にも感じ