高橋源一郎のレビュー一覧

  • 恋する原発

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     うーん。
     すごく「良くわかる(良くわかる気になる)」箇所と、極端に「なんかどうでもいいじゃん」箇所の差が激しい。
     そもそも僕にとってこの著者の作品って「とんでもなく面白い」と「死にたいほどにつまらない」の差が激しい。
     そんな両極端が一つの作品の中に混在している感じ。
     玉石混交ってところか。
     決して不謹慎だとも思わないし、連発されるいわゆる「放送禁止用語」にも特に嫌悪感は覚えなかったが、電車の中では少々読みづらいか。
     いずれにしても読む人を選ぶ作品……あ、それっていつものことか。

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    2018年01月08日
  • 優雅で感傷的な日本野球

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    2009年3月28日~29日。
     この人の作品には常に寂しさが付きまとっていると思う。
     すべてを読んだ訳ではないが、殆どの作品にそんなテイストがあったように思う。
     この作品にもその寂しさはあった。
     悲しみ、といってもいいのかも知れない。

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    2018年01月06日
  • 日本文学盛衰史

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     2010年02月03日~15日

     面白かった。
     面白かったのだが、もっと面白い高橋源一郎氏の作品が何冊もあることを知っている。

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    2018年01月06日
  • さよならクリストファー・ロビン

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     なんか久しぶりに著者らしい作風の作品を読んだような印象。
    「けいほう」や「アトム」からはあの震災も連想される(ちょうど震災を挟んだ前後に「新潮」に掲載されている)。
     6篇の短編集のようにみえるが、全短編で一つの作品ととらえた方がわかりやすいかと思う。
     ラストの汽車(あるいは汽車の中らしき状況)あたりの状況設定や物語の構成は「ゴーストバスターズ」を思い出させもした。
     五つ星を付けるには、もう少しググっと圧倒されるものが欲しい。
     そう思えるのは、僕の中に「高橋源一郎ってこんなもんじゃないだろう!」という確信があるから。

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    2018年01月06日
  • ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた

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    高橋源一郎さんの昨年12月に発売された本です。
    この本の前に、期せずして「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎)を久しぶりに読んだのですが、この本を読み進める中で内容がシンクロしてきて、いろいろと考えることができたように思います。

    「国」について、昨年から根源的に考えさせられるような流れが強まっていますが、そのことを「一人一人が考えよう」と呼びかけているのかも知れません。平易な言葉で呼びかけることの大切さも教えてくれているようです。

    おすすめの一冊です。

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    2018年01月03日
  • 読んじゃいなよ! 明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ

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    高橋源一郎が、「岩波新書に関する岩波新書を作る」というテーマで岩波新書に持ち込んだ企画本。
    実際には、明示大学院大学の高橋ゼミで企画を練った結果、一冊の本を読み込み、その著者を招いて白熱教室をやるというものになった。
    その三冊は次の通り。

    鷲田清一 哲学教室 『哲学の使い方』
    長谷部恭男 憲法教室『憲法とは何か』
    伊藤比呂美 人生相談教室 『女の一生』

    鷲田さんは、哲学は全部わからないところがいいと。当人がわかってなくて、読者もわからない中で読者が先に気付くくらいがちょうどよいとまで。そして学ぶとは何かを失うことだと。村上春樹の小説や、最近はやりの千葉雅也の『勉強の哲学』を思い出す。

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    2018年01月01日
  • ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた

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    国ではなく「くに」を作るプロジェクトをたちあげたランちゃんたち。高橋家がそのままモデルなのだろうなぁと思いながら読んだ。

    「憲法は使わないと」とか領土がなければ領土争いなんておきないとか柔らかい思考の大切さを感じつつ、面白かったけれど、不思議なモヤモヤも残った。そのモヤモヤの正体はまだわからない。

    アイちゃん一家が出て来て、小さな人が出て来て、小さな人が出てきたからイギリスが登場したのかなぁ。小さな人が出てきたことの意味は何なのだろうなぁ。

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    2017年12月31日
  • 官能小説家

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    主人公は、本を書く才能に苦悩するご本人?高橋源一郎。
    彼が憧れる明治時代からタイムスリップしてきた夏目漱石や森鴎外との語りを通して、文学とはなんぞや、そしてタイトル通り文学史についても学べる。誰もが知っている明治時代の文壇のスキャンダルで本当のところが謎の樋口一葉とその師の半井桃水の不倫関係についても、パラレルワールドの様に話が展開する。

    鴎外がとっても自由すぎて、髪を金髪にして、終いにはAV男優にもなってしまうというはっちゃけぶり。それでも、結局、鴎外は鴎外で現代に復活しても本業は作家だし、文学には真摯に向かっている。作品がどれほどの苦労でこの世に生み出されるのかということに、自然と思いを

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    2017年10月15日
  • 読んじゃいなよ! 明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ

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    タイトルのつけ方は個人的には気持ち悪い感じはしますが。
    内容的にはとても面白い内容だったと思います。
    明治学院大の著者のゼミで実施された、岩波新書を読み込み
    その著者(鷲田清一氏・長谷部恭男氏・伊藤ひろみ氏
    の3人)とQAを実施するという内容。
    大学生は書籍を読まないという話があって、それが個人的な
    課題にも関連しているのですが、本当に大学生が本を読まないということが一般化されているのか?
    確かに読む人が少なくなっているのは、そうなのだろうと
    思いますが。もっと、この本のように、本を読むことの
    楽しさや、満足感などが、他の人にも伝わるような
    取り組みがほかの人たちにも影響して、本を読む人が

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    2017年05月27日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    2011年から2015年にかけて、『朝日新聞』の「論壇時評」に掲載されたエッセイをまとめた本です。

    本書で展開される議論には大きな感銘を受けたのですが、それは必ずしも個々のテーマについての著者の「主張」に賛同するという意味ではありません。むしろ、冷静でいることが困難な時代に正気を保つための著者の「スタイル」に感銘を受けたと言ってよいと思います。「ぼくらの民主主義なんだぜ」というタイトルは、まさにそうした「スタイル」を端的に言い表わしています。著者がここでおこなっているのは、「制度としての民主主義」を学んだり批判したりすることではありません。著者が本書を通じて読者に示しているのは、自己の想像力

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    2017年04月18日
  • ジョン・レノン対火星人

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    読みながら主題がわからないとずっと思っていた.フットワークの軽くテンポのいい文章は読んでいて面白いが,巻末の内田樹の解説を読むまで正直言ってさっぱりわからなかった.
    主題を容易に理解できなかったのは(読解力不足はもちろんだけれど)過激派の時代とあまりにかけ離れていた日々を過ごしてきたからかもしれない.解説を読むまでこうしたことをほとんど理解できないかったことに怖さを覚えた.みんなそうなら,これから危ないのかもしれない.

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    2017年04月07日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    2016年夏は執筆活動に大忙しだったらしいウチダ先生が解き放つ憂国のオムニバス。『街場の憂国会議』『日本の反知性主義』に続く第三弾。中でも、岡田憲治の「空気」に関する一筆は必読。あるのにない、とはこういうことか。

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    2017年03月21日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    ますます偏狭に・攻撃的に・他人にやさしくなく・敵か味方か二者択一的に・物事を深く考えなくなってきている日本の在り方に警鐘をならしている。
    時期的に原発やデモなどが中心になっているが、著者が本当に言いたいことはそんな表層的なことではない。たとえ主義主張に共感できずとも、真摯に読み込みたい1冊だった。

    美智子皇后の言葉は、知性というものの在り方について、胸に突き刺さる。

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    2017年03月04日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    中高生ではないが読んだ。
    白井聡さんが書かれていたが、もう今の私たち大人はダメなので、若い人たちに頑張って欲しい。
    この本をどれだけの中高生が読んでくれるのか、自分の中高時代を考えると疑問だが、私たちが読んで、若い人にできるだけ伝えるということはできるかも。

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    2017年02月28日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    離れに引き蘢ってギターかき鳴らす高校生みたいなもんとも言われてきた?鴨長明の「方丈記」なので、ポップな訳も違和感ないような気がする。
    天災に苦しめられたり遷都がうまくいかなかったり、現代と変わらないよね。

    「枕草子」も、「まさか人が読みはすまいと思って(略)書きためたもの」と言いながら、好きなものや好きじゃないものを並べてるわけだけれど、それが着眼点も理由もうまい文章で、今の素人ブログの比じゃない。ただ者じゃない筆の運び。

    古びとたちとその暮らしが近く感じられる。

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    2017年02月11日
  • さよならクリストファー・ロビン

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    【星降る夜に】
    『二十五年…わたしは、自分の口から出たことばに驚いた。二十五年も書きつづけていたのだ。誰も読まない小説を! その間に、もっとなにかできることがあったのではないだろうか? 山に登るとか、動物園に行って熊を写生するとか。もう少し、有益なことが。』

    【お伽草子】
    「『せっくす』というのは、人がわかりあうためにすることの中で、もっともいいもののひとつだ、同時に、もっとも、むずかしいもののひとつなんだ」
    「どうして?」
    「ことばをつかわないからだよ。ことばは、わかりあうために、人が使うものの中で、いちばん簡単なものだからね」

    「簡単ないみのことばはないのかい?」
    「あるよ。『アルラ

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    2017年01月28日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    今後の参考に。

    「職に就くことは自己実現のためでも夢をかなえるためのものでもない。」

    という一言には、なるほど。とちょっとカタルシスでした。

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    2017年01月14日
  • 丘の上のバカ ぼくらの民主主義なんだぜ(2)

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    昨年発売された「ぼくらの民主主義なんだぜ」の続編、朝日新聞の論壇時評で書かれたものとその他雑誌などで発表された文章に加筆・修正されたものがまとめられています。

    前作に続けて、たくさんのメッセージが読者に投げかけられていました。
    中でも僕が印象に残ったのは、「オバマさんのことば」。昨年、5月ヒロシマを訪れた際のオバマ演説を聞いてひっかりを感じた高橋さんが、演説の中で使われた「私」という言葉の回数を数えた(私たち…75個、私…4個)ところから内容に関する分析をおこなったところ(「私(オバマ氏)は思う」と触れられたのはたった1か所だけ)。政治で使われる「私たち」は、抽象的な囁きで「私」を見失わせて

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    2017年01月09日
  • 読んじゃいなよ! 明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ

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    高橋ゼミに集まった生徒さんたちは、良くも悪くも型にはまらず、日頃のゼミの雰囲気がよく伝わってくる。
    のらりくらりしつつ切れ味抜群のコメントをする高橋先生が生徒さんたちの本気を引き出すスパイスとなることで、緊張感のある良い授業が成立していると思う。
    他の岩波新書にはない先生たちの人間性、生身の声を読める稀有な一冊。

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    2017年01月06日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    副題「中高生に伝えておきたいたいせつなこと」とあるように、中高生へのメッセージとして書かれた本。
    難しい内容でも平易な文章で書かれていて、著者が読者に伝えようという真摯な姿勢を感じた。
    高校生ごろに出会うととてもいい本のように思う。
    未来の日本を憂いて、どうにかしたいと真面目に思っている大人もいるんだよ。

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    2016年12月28日