高橋源一郎のレビュー一覧

  • 居場所がないのがつらいです みんなのなやみ ぼくのこたえ

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    相談相手の年齢層は高め。人生は悩みに尽きないのだと、これからの人生にちょっとがっかりさせられる。笑
    悩みへの回答はとっぴなものもあるけど、筋が通っていて、おもしろい。

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    2022年08月19日
  • 5と3/4時間目の授業

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    きのくに国際高等専修学校で行われた二日間の特別授業。問いの答えに問いで返すことにより、思考が深掘りされる。高橋さんの授業スタイルは今でこそ興味深く思えるが、10代の自分なら苦手意識を持ったかもしれない。つい「わかりません」と答えてしまう気持ちが痛いほどわかる。それにしても、学生たちの書くセンスには目を瞠るものがあった。課題レポートというより短いテーマ小説のようで、その想像力が素晴らしかった。

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    2022年06月23日
  • 失われたTOKIOを求めて(インターナショナル新書)

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    コロナ禍に東京を巡り、時代を遡り考察する。

    コロナ禍の東京、ちょっと前に東京、昔の東京、TOKIO日本を知ることができる。

    著者の生い立ちをあらためて知ることにもなる。

    失われたもの、知っているものもあれば全く知らないものも。

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    2022年06月06日
  • 小説の読み方、書き方、訳し方

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    翻訳家・柴田元幸さんと作家・高橋源一郎さんの対談本です。

    柴田元幸さんの翻訳のお仕事に触れたのは、オースターのニューヨーク三部作とミルハウザーをひとつ、といったくらいです。印象としては、「透明な触媒」としての翻訳、です。翻訳者の癖というか、翻訳者自体の声や匂い色、もっというと人となりって、どうしても翻訳された作品からかすかにではあっても感じられがちだと僕は思っていて。それが柴田さんの翻訳だと、翻訳者は薄いフィルターとしてだけあって、外国人の作者のほうを大きく、そして近く感じるんです。翻訳者の存在が、無色無臭っぽい。

    柴田さんは翻訳を、原文が自分の中を通り抜けていく通過時間がゼロに近ければ近

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    2022年05月17日
  • 失われたTOKIOを求めて(インターナショナル新書)

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    筆者がTOKIOを歩くことで過去の郷愁を超えて現在のTOKIOを見つめる。著者独特の行間を味わえる文章。図らずもコロナ前からコロナ最中にかかり、お茶の水から始まり、新国立競技場、都知事選最中の都庁、上野動物園、はとバス、トキワ荘、ジブリ美術館、渋谷、さいごは皇居で終わる。郷愁がありながら改めて現在のことを考えさせられる都会の紀行文なのだろうか。

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    2022年05月13日
  • ジョン・レノン対火星人

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    ネタバレ

    ナンセンス小説と言えばいいのか。
    形容し難い。作者独自の文体と固有名詞の洪水に酔うしかない。
    これが、60年代なのか、60年代とは。30年代とは。90年代とは。終末思想。死体。
    30年代、60年代、90年大門の30年周期、と考えると、2020年代は終末思想が蔓延するかもしれない、とか思った。テスラ、Twitter、ロシア、温暖化、プラスチック。
    オチから逆算すると、なぜ我々は死体が見えないのか、という疑問に突き当たる。死体は本来そこら中に転がっているはずだ。ただ、それは見えないように巧妙に隠されている。もしくは、我々が見えないふりをしているだけだ。死体がなければこれだけの物質は生産されていない

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    2022年05月07日
  • これは、アレだな

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    世の中で起こっていること、話題の事件などについて、過去の書籍や名言などとの共通点を見出し、解釈するという新たな理解手法。「鬼滅の刃」は「ヘンゼルとグレーテル」、日本の作品で言うなら「安寿と厨子王」、「YOUは何しに日本へ」は、黒船的なことも、日本の良さも外国人からいろいろなことを学ぶという点で「明治のお雇い外国人」。滝沢カレンのネーミング、文章、発言のセンスは谷崎潤一郎によく似ている、などなど。とても面白い。こういう解釈をするためには過去の作品の本質的なことを理解していなければならず、ある種の教養がいる。また、中で紹介される過去の名著など、読んでみたいものがたくさんあって良かった。

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    2022年05月05日
  • 5と3/4時間目の授業

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    氏の文学評論は好きなんで、本書も期待通りの内容。といいながら、出される課題は大変だと思うし、軒並み順番に当てられるのも負荷が大きいし、学生時代だったら好きになれんかったかもしれん授業内容だけど、高みの見物には問題なし。それにしても、氏も自身の子供を通わせているというこの学校、なかなかに気になる存在ですね。

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    2022年04月21日
  • これは、アレだな

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    高橋さんご出演のNHKラジオ「飛ぶ教室」を聞いているので、そこで紹介されている本と割とかぶっていて良かった。耳で聞くのは聞き損ねたり、熟語(漢字)が浮かんでこず、意味が取れなかったりすることもある。本だとそれはないし、また2回同じようなことに触れてるので、ますます頭に残る。
    この本を読んで高橋さんが紹介されている本をずいぶん読んできたなとしみじみ感じたし、読みたい本リストの中にもたくさん残っている。なかなか追いつかない。

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    2022年04月17日
  • これは、アレだな

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    予備知識無く読み始める。大好きな書評集の類いのようだ。「これ」は「アレ」だな、と言葉を綴る。決して断じることはありませんが、時空を超えた繋がりに思える。

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    2022年04月17日
  • ぼくらの文章教室

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    文章の書き方ではなく、色んな人の文を紹介するのがメイン。かなり個性的な文が多い。
    小島信夫、『池袋・母子 餓死日記』(凄まじい)、鶴見俊輔など。
    ロマンチックに、熱っぽい語り口。

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    2022年04月12日
  • 別冊NHK100分de名著 メディアと私たち

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    大変読みやすかった。大澤真幸の解説が特に秀逸。メディア論を多角的かつ具体的に学びたい方の導入書としておすすめ。

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    2022年04月05日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    2022年に読むことで「忘れてしまうこと」への危機感をより一層強く感じる。
    自分自身は「忘れてしまうこと」で日常に再び安住していないか?
    忘却に頼って良いものと忘却という選択肢を与えてはいけないものがある。9.11や3.11に代表されるような悲劇は後者であるが日本人は積極的にそれらから目を逸らしてはいないだろうか?

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    2022年03月09日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    「SIGHT」年末恒例企画「ブックオブザイヤー」は愛読していた。雑誌が休刊してしまって残念至極。どこかでまたやってほしいなあ。高橋源一郎さんと斎藤美奈子さん、最強コンビの一つだろう(豊崎由美さんと大森望さんというのも好き)。お二人の場合、小説などを論じつつ、その作品が書かれ読まれる社会的意味に斬り込んでいくところに特徴がある。

    後半の長い対談は、平成を(さらには昭和を)俯瞰する視点で話されていて、なるほどなあと思うところが多かった。確かに文学は社会の鏡であり、しかもそれは時間がたってから鮮明な像を結ぶものなのだと納得させられた。

    個々の作家についての評がやはり読みどころ。言われてみれば本当

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    2022年03月04日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    時代の大波に呑み込まれないためにも、小説群をライフジャケットとするのも良いと思えた。中動態的なフィルタにも役立つかな。
    ポストモダンも深まっての三十年だあね。社会の包摂も期待できない、今の日本の個々人には、大切なものだな。
    近代的な自我の写像、その反映としての小説の誕生でもあるか。

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    2022年02月18日
  • 支配の構造 国家とメディア――世論はいかに操られるか

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    1.なぜ相変わらず私達国民はメディアや政府に騙されてしまうのか、対策はないのか、を考えるために読みました。

    2.現代メディアは「単純化」という罠仕掛けてあらゆる情報を分かりやすく伝えています。ゆえに、視聴者は飛びつきやすく、自分が考えなくても「考えた気になってしまい」、結果として手のひらで転がってる状態になってしまいます。
    本書では、4人の著者が自身のオススメの本を通して、日本のメディアがどのようにして国民に情報提供をしてきたのか、そして、国民がどう変化してしまったのかを述べています。

    3.「真実は伝わりにくく地味であり、嘘は単純で分かりやすく伝わる」ということを普段から心がけて情報収集に

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    2022年02月10日
  • たのしい知識 ぼくらの天皇(憲法)・汝の隣人・コロナの時代

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    天皇そして憲法、朝鮮と韓国、さらにコロナ禍。これらについて、きちんと立ち止まって考えるということがないから、この本は確かに「たのしい」知識が満載だった。憲法9条は変えるべきなのか、変えないとしたらなぜなのかが少しわかった気がするし、日本人は、韓国、朝鮮の人たちと立場があの時変わっていたら、どう感じていたんだろうか、コロナはまたオミクロンが猛威を振るってあっという間に東京は13,000人を超えてしまった今日、この三つだけでなくさまざまなことを考え、考えたいのか考えなければいけないことだから考えるのか、わからないけどそういうことが満載の毎日をこれからも繰り返して行くんだな…

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    2022年01月22日
  • こんな日もある 競馬徒然草

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    「優駿」誌上での連載から抜粋した本になります。
    枠連しかない時代から、オグリキャップからの競馬ブーム、そしてわたしが競馬を見始めた90年代末から現代に至るまでの競馬場の様子が描かれています。
    競馬を長年やり続けたことの奥深さを垣間見れる一冊です。

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    2022年01月18日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    自分で読むだけでは思いもよらない観点を提供してくれる点で、文学に関する書評はやっぱり読んでいて面白い。ただ、高橋小説を全然楽しめなかった記憶から、どうしても、氏と同じように作品を味わう自信がない。斎藤さんの合いの手も的を射ていて、読み物としてはとても楽しませてもらったんだけど、じゃあ読みたいかとなると話は別で、ピックアップしたのは下記の2点のみ。平成の総括ってことで、比較的有名どころというか、既知の作品が多かったということもあるのだけれど。

    ”むかし原発いま炭鉱”
    ”工場”小山田浩子

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    2022年01月14日
  • 間違いだらけの文章教室

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    ネタバレ

    ななめ読みなんで一部抽出した感想です。

    これは著者の文章観を紹介する本だ。
    いい文章とは何かを生き生きとした文章を通して感じる事ができた。

    -1番うまい現代の作家は、スティーブジョブズだ-
    このフレーズに続く「スティーブ・ジョブズのプレゼンの書評」の書評が最も印象に残った。

    プレゼンではストーリーを話せ、と会社のSVによく言われる。
    聞き手は内容も知りたいが、聞く事自体を楽しみたがっているからだそうだ。

    なるほど…。これは仕事に限らずだよな。面白かったことを伝わるように伝えたい欲求は誰にでもあるんじゃないかな。
    ならば、日常のカケラを拾い集めてギュッとピシッとできる技術を俺は身につけて

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    2022年01月14日