高橋源一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ラジオを聴いているので
読んでいて
そのままその声が再生される気がした
ラジオ同様紹介される本が面白そうで
いくつかメモした
実生活ではなかなか手に取らない
もしくは知る機会のないタイプの本もあり
ありがたい出会い
著者の本自体は
若い頃読んで
そんなに好きではなかったけど
この方自体は割と好き
おじさんながらに
アップデートしたり
頭を柔軟にしておきたいと思っているおじさんだと思う
マンガや聴く音楽も決して懐古趣味ではなく
新しかろうが若かろうが
好きなものは紹介するし
面白がる
というスタンスは
とてもいい
(余談だけどこの方の声?しゃべり方
山田五郎さんにちょっと似てると思いま -
Posted by ブクログ
『僕らの◯◯なんだぜ』が高橋氏のトレードマークになっているようで、この本では戦争にまつわる文学作品を取り上げて紹介し、様々思索したことを書き連ねている。その引用がものすごく多くて長く、旧仮名遣いや詩文など、普段読み慣れていない様式の引用文に苦労しながら読んだ。筆者の思索も哲学的かつとりとめのない印象で、もう少し整理してメリハリのあるを編集してくれるとよかったのに、と思った。
引用文の中で印象に残ったのは、ドイツの高校生用教科書で、ナチスが合法的に政権を取り独裁体制を敷いてファシズムに取り込まれる加害の歴史をきっちり記述していることだ。一度あったことは二度三度起こり得る、現在の問題であることを -
Posted by ブクログ
なんリベポストモダン vs なんリベフェミニズム
高橋源一郎のことはポストモダン小説を評する、どこかすっとぼけたひとだと思ってゐる。読巧者とはまったく思ってゐない。むしろズレてゐる。
池澤全集の新訳古典のときも、町田康の「宇治拾遺」訳と自分の「方丈記」訳とを比べて、なるほどそのやり方があったかと町田訳に感心してゐた。それぐらゐズレてゐる。
だいたいが、純文学で社会を知らうとするのが無理やりなのだ。純文学は、文壇村とその周辺でしか通用しない通貨みたいなもんだ。木を見て森を見ず、群盲象を評す、である。
『アンクル・トムの小屋』が、奴隷解放に貢献した偉大な通俗小説なのはまちがひない。
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Posted by ブクログ
高橋源一郎のくだけた、さばけた話しぶりが面白い読書案内本。いろいろ意見も言っているのには、全ては同意はできないが、こちらが考えるきっかけにはなるね。たくさん紹介されているが、強く引っ掛かった本を書いてみる。
・川内有緒「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」白鳥さんに芸術作品を言葉で説明する人が二人いるというのが肝だな。人の観点の違いに気づくわけだ。
・ジャック・ウェザーフォード「チンギス・ハンとモンゴル帝国の歩み」チンギス・ハンは次のようだったという。拷問を禁じる。幅広く人材を求めた。地方では直接民主主義を導入した協議会を作った。歴史上初めて公立学校を作った。信教の自由を保障した。流血や暴 -
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日本版『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』。
一般の方から寄稿してもらった嘘みたいな本当の話を集めた短編集。
都内某所のイベントで、古本のくじを引いた際に当たった本。
アメリカの普通の人たちに寄稿してもらったショート・ストーリーの中から佳作をラジオ番組で朗読する『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』。
それの日本版です。
すべて誰かの身に起きた実話、とのことですが、本当に嘘みたいに不思議な話、奇跡のような話がたくさん集められています。実話かどうかはちょっと疑いつつも、「友人から聞くスベらない話」っぽくて面白い。
読み心地としては、新聞とか雑誌に載っている読者からのお便り紹介。あれ -
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Posted by ブクログ
一般の方から募った短編集。一つ一つが1,000文字以内ということなので、さらさら読める。短いのは一行だったり。
アメリカのナショナルストーリープロジェクトの日本版ということだそう。
私は最初から通して読んだけど、手元に置いて、好きなとこだけ読むのもありかもしれない。
新聞の読者投稿の小話みたいなのを読むのが好きだったけど、そんな感じのもあり、ブフォッと笑ってしまうのもあったりする。
元の?アメリカのものとは違うタイプのに仕上がってるとのことで、そちらと読み比べてみたくなった。
たまにオチというか、ポイントがわからないのがあって、選者の内田先生に聞いてみたい気にもなった。 -
Posted by ブクログ
センセーショナルなタイトルに惹かれて、手に取った。高橋源一郎 氏のことは、その昔、日テレの「スポーツうるぐす」で顔と発言内容は知ってだけれど、著作は読んだことが無かった。
戦争は他人事ではない、というタイトル通りと言えばタイトル通りのような、期待外れのような、微妙な読後感。(戦中の自分の態度を指して)「あのときはどうかしてたんだ」と安易に言うような人は、また別の時にも、簡単にどうかしてしまう可能性が高い、と自戒しないと、いつのまにか戦争状態となってしまうかもしれない、という指摘はその通りかもしれない、と思った。
少なくとも、筆者が戦争のことをとことん考え尽くしながら書いたことはよく分かった -
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Posted by ブクログ
エッセイとされているが、書評としての印象が強い。たまに映画や漫画も取り上げられているが、だいたいは書籍について。高橋源一郎の書評エッセイは、むかしからだいたいこんな感じの作りである。
小説家だからといって本をたくさん読むとは限らないが、高橋源一郎はよく読んでいる。これもむかしから。そして、批評眼に関しては衰えが見られない。
申し訳ないけれども、高橋源一郎の小説に関しては、一時的にすこし盛り返すことはあれど、初期作以降はずっと低空飛行だと思う。最初の2冊、「ジョンレノン対火星人」と「さようなら、ギャングたち」は、とても良い小説だったけれども、それ以降はちょっと。
ただ、くりかえしになるけど