高橋源一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文壇なんてのは偉そうなふりをしちゃいるが、どーしょーもなく俗っぽい一面もまた併せ持っている。西洋で生まれた文学を日本に移し替えようと悪戦苦闘する明治初期の「文学者」達や漱石を筆頭とする明治の文豪達を、現代の性風俗と明治が混じり合う不思議な世界観で映し出すことで、普通じゃ堅苦しくてつまらない「文学史」が実に面白いものに仕上がった。田山花袋がAV監督になり、石川啄木が援助交際にはまり込む。しまいにゃ最後はブルセラ店の店長で副業とは大爆笑間違いなし。
かといって著者は別に悪意を持ってちゃかしているわけではなく、むしろ若き日には文学青年だった著者の言文一致運動をはじめとする日本近代文学のパイオニ -
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Posted by ブクログ
『さようなら、ギャングたち』を読んだのは、三年前の年末。その時は、何だかわからない衝撃を受けた。それから、著者の作品を何度か読もうとしたけど、続かなかった。
それから源一郎さんとは、疎遠な日々が続いていたが、吉祥寺の古書店で、この本をパラパラとめくっていた時、中上健次がタバコを咥えながら、野球帽をかぶってバットをかまえている写真が見えた。
「源一郎さんらしそうな本やな」と思って読まずに置いておくかもしれないのに、懲りずに買ってしまった。
内容はエッセイだが、今回は最後まで読めた、と言うよりやっぱり面白かった。80年代半ばの作品なので、懐古的な楽しさもあったが、この人は、当時の軽薄さを、今の人と -
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Posted by ブクログ
ラジオを聴いているので
読んでいて
そのままその声が再生される気がした
ラジオ同様紹介される本が面白そうで
いくつかメモした
実生活ではなかなか手に取らない
もしくは知る機会のないタイプの本もあり
ありがたい出会い
著者の本自体は
若い頃読んで
そんなに好きではなかったけど
この方自体は割と好き
おじさんながらに
アップデートしたり
頭を柔軟にしておきたいと思っているおじさんだと思う
マンガや聴く音楽も決して懐古趣味ではなく
新しかろうが若かろうが
好きなものは紹介するし
面白がる
というスタンスは
とてもいい
(余談だけどこの方の声?しゃべり方
山田五郎さんにちょっと似てると思いま -
Posted by ブクログ
『僕らの◯◯なんだぜ』が高橋氏のトレードマークになっているようで、この本では戦争にまつわる文学作品を取り上げて紹介し、様々思索したことを書き連ねている。その引用がものすごく多くて長く、旧仮名遣いや詩文など、普段読み慣れていない様式の引用文に苦労しながら読んだ。筆者の思索も哲学的かつとりとめのない印象で、もう少し整理してメリハリのあるを編集してくれるとよかったのに、と思った。
引用文の中で印象に残ったのは、ドイツの高校生用教科書で、ナチスが合法的に政権を取り独裁体制を敷いてファシズムに取り込まれる加害の歴史をきっちり記述していることだ。一度あったことは二度三度起こり得る、現在の問題であることを