あらすじ
傑作『日本文学盛衰史』に先立ち一九九六年に連載され、五年間の熟成期間を経て二一世紀最初の年末に単行本が刊行された『ゴヂラ』――。
二〇世紀末の西武池袋線石神井公園駅付近の一見平凡な住人たちが同時多発的に異様な状況に巻き込まれてしまう。
これは局所的ではなく、世界全体に同時多発的に起きている異変なのだ。
夏目漱石と森鴎外が結託して悪事を教唆し、詩人は石神井の町から出られなくない、火星人が石神井に襲来する……
あまりに逸脱した展開に、「作者からのお知らせ」までもが入りこむ。
そして、はたしてゴヂラは現れるのか?
世紀をまたいで書き上げられた怪作、初めての文庫化。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こういう荒唐無稽で不条理な不思議ワールドは大好きである。整合性や時系列を考えることを放棄して良いからスルスルと読める。
タイトルからして良い。
箒でひたすら街を掃除し続けるお爺さん、最高である。
辻褄など合わなくても良い、永遠に続いても読み飽きないと思う。よく練られた芸術的小説であると思う。
しゃべるぬいぐるみがまた出てきた!
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
傑作『日本文学盛衰史』に先立ち一九九六年に連載され、五年間の熟成期間を経て二一世紀最初の年末に単行本が刊行された『ゴヂラ』――。
二〇世紀末の西武池袋線石神井公園駅付近の一見平凡な住人たちが同時多発的に異様な状況に巻き込まれてしまう。
これは局所的ではなく、世界全体に同時多発的に起きている異変なのだ。
夏目漱石と森鴎外が結託して悪事を教唆し、詩人は石神井の町から出られなくない、火星人が石神井に襲来する……
あまりに逸脱した展開に、「作者からのお知らせ」までもが入りこむ。
そして、はたしてゴヂラは現れるのか?
世紀をまたいで書き上げられた怪作、初めての文庫化。
*****
不思議な作品。
著者は何を書きたかったのか。舞台となる上石神井だったのか、まるで脈絡のない物語だったのか、夢と現実のはざまだったのか。
途中で著者本人が「作者からのお知らせ」として「本作はいきあたりばったりで書いている」といった旨を告白している。まさにその言葉通り、作者が喘ぎながら、いきあたりばったりに物語が進む。でももしかしたら「作者が喘ぎながら、いきあたりばったりに進む物語」を書きたかったのかもしれない。
ここまで書いてみると、まるで負のイメージしかないようだけれど、他の方も感想に書かれていたように、とんでもなく読みやすい。スイスイと本の頁に印刷された文字に吸い込まれていくように読み進めてしまう。そして理由はわからないのに、面白い。だから不思議な作品、という感想が一番ぴったりくるように思う。
しかし、こうも思えてくる。この作品に登場する人物には自主性に欠けているように思われる。まるで「誰かに本の中に書かれてしまっている」かのように。脈絡がないように見えるのも、いきあたりばったりに思えるのも、彼らに自主性がないからなのかもしれない。やっとゴヂラが登場する終章で、主人公の男はそんな「世界の秘密」に気がつく。僕は高橋源一郎の作品を読むと大抵、なんとも言えない寂寥感に包まれることが多い。本書でもこの終章でそんな気持ちに襲われた。
Posted by ブクログ
著者の作品は初めて読んだので、他の著書がどのようなものか分からないが、この石神井公園を舞台とした連作小説は、これまで出会ったことのない初めてのかなり独特な文体で、エスプリに富んでいながらナンセンス、読む上で一定の教養を求めてくる。ストーリー展開も奇想天外だが、何故か不思議と読み進めて行くにつれ心地よくなってくる。コンセプトワードは「閃き」のよう。