【感想・ネタバレ】ゴヂラのレビュー

あらすじ

傑作『日本文学盛衰史』に先立ち一九九六年に連載され、五年間の熟成期間を経て二一世紀最初の年末に単行本が刊行された『ゴヂラ』――。
二〇世紀末の西武池袋線石神井公園駅付近の一見平凡な住人たちが同時多発的に異様な状況に巻き込まれてしまう。
これは局所的ではなく、世界全体に同時多発的に起きている異変なのだ。
夏目漱石と森鴎外が結託して悪事を教唆し、詩人は石神井の町から出られなくない、火星人が石神井に襲来する……
あまりに逸脱した展開に、「作者からのお知らせ」までもが入りこむ。
そして、はたしてゴヂラは現れるのか?
世紀をまたいで書き上げられた怪作、初めての文庫化。

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Posted by ブクログ

こういう荒唐無稽で不条理な不思議ワールドは大好きである。整合性や時系列を考えることを放棄して良いからスルスルと読める。
タイトルからして良い。
箒でひたすら街を掃除し続けるお爺さん、最高である。
辻褄など合わなくても良い、永遠に続いても読み飽きないと思う。よく練られた芸術的小説であると思う。
しゃべるぬいぐるみがまた出てきた!

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2025年04月02日

Posted by ブクログ

著者の作品は初めて読んだので、他の著書がどのようなものか分からないが、この石神井公園を舞台とした連作小説は、これまで出会ったことのない初めてのかなり独特な文体で、エスプリに富んでいながらナンセンス、読む上で一定の教養を求めてくる。ストーリー展開も奇想天外だが、何故か不思議と読み進めて行くにつれ心地よくなってくる。コンセプトワードは「閃き」のよう。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

書いている内容は意味不明だが、文体が良く、最後まで読ませる力があった。

小説に於いてストーリーは重要な要素だと思うが、同時に文体も非常に重要な要素であると再認識させられた。どれだけ意味不明な内容の小説でも、文章が良ければ最後まで読めてしまうのだ。

解説での著書自身の言葉を信用するなら、書いた本人ですら意味がわからないこの小説が小説としてなりっているのは、ひとえに、著者の筆力によるものだと思う。

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2025年01月15日

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