Posted by ブクログ 2023年07月17日
海上自衛隊の訪問をきっかけに、積読を解消。高橋源一郎さんが「戦争を語ること」について感じている違和感や勘違い、思い直しを記述したもの。戦争は悪いこととは分かっているが、それとどう向き合うかについては実は全く分かっていない。もちろん、戦争に関する本はたくさん読んだし、8月になればTVなどでみることもあ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月16日
著者の言葉の扱いは巧みである、題名からして、そうである。読みながら、お前はどう考えるかを迫ってくる。戦時が聞こえてくる中、様々な文章から戦争の本質に迫ろうとする。最終章の太宰治の小説についての論考は目が覚まされた。著者の言葉と太宰の言葉か、重なり合って響いてくる。戦時を語らず、戦争の本質を語る。著者...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月08日
厚めの本だったが、読み始めると興味深い内容だったので、どんどん読み進めることができた。
文学者と彼らが紡ぎ出す文学が、戦争という背景の中でどう順応し、あるいはどう抵抗したのか、その足跡が丁寧に考察されていた。
しかし、これは戦争の時代だけの問題ではない。文学はいつの時代でもその時代に順応したり、抗っ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月13日
スポーツうるぐすで,初めて知った高橋源一郎さんは,飄々としてて,誰の悪口も言わない,でもすごく鋭い人,という風に僕には映っていた.それから時々新聞や雑誌のコラムなんかで文章を読む機会があったり,試験問題で出逢ったり,その度ごとに「気になる」存在でありながら,きちんと本を読んだことがなかった.
その気...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月13日
強く強く心を揺さぶるものがありました。
それは必ずしも本書で語られた内容によるものではなく(だってたぶん僕はこの本で語られたことの1/3も分かっていないと思いますから)、高橋源一郎という人が、背伸びをせずに、かといって自身を矮小化することもないまま、できるだけ等身大で、それはつまり戦争体験者でもなく...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月29日
単なる戦争批判の本では無い。詩、小説、文学、ことばに関する作家の深い深い考察だ。そして、ふだん、世の中の大きな声に流されて、考えていない、感じていない私たちへの警鐘に思う。帯に書いてある通り「こわい本」だし、丁寧で優しく書いてあるが「渾身のことば」だ。この本で、太宰治に対する見方が180度変わってし...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月17日
戦争について考えさせる。
母親が満州からの引き揚げ者だったこと、大阪で祖母が父を連れて飛行機からの射撃の玉から命がらがら逃れたこと、広島原爆当時福山にいて被害者を見ていること。
断片的にしか聞いていなかったが、今は聞くことが出来ない。
人間の長い歴史にすれば、ほんの少し前のことだ。
そして残念なが...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月12日
「ことば」の持つ大きな力。
強い、人を支配する、人々を大きな目標に駆り立てるために使われる「ことば」。個人的な経験や記憶から導き出された「ことば」。「ことば」は人の心や体を動かしていく。
ニッポンの人たちは、どんなふうに「ことば」を使ったのだろう、とりわけ、「戦争」というような特別の期間には。
...続きを読む