ぼくらの戦争なんだぜ

ぼくらの戦争なんだぜ

ビジネス・実用
1,320円 (税込)

6pt

教科書の戦争記述に国家の「声」を聞き、戦時下の太宰治が作品に込めた秘密のサインを読み解く。ぼくたちが仮に「戦場」に行ったとして、正気にとどまるには。「ぼくらの戦争」とは、どういうことか。膨大な小説や詩などの深い読みを通して、当事者としての戦争体験に限りなく近づく。著者の最良の1作。

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ぼくらの戦争なんだぜ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    とても近いところの空が、とても遠いところの言葉が、「戦争」を呼んでいる。ぼくらは、誰に、何を、話しているのかわからなくなった。「そのことを、心にとどめておきたいと思った。」

    0
    2026年05月26日

    Posted by ブクログ

    どの文献も選び抜かれたものだけあって精神的に それはかなりきついのだ。 だからこそ 読み続けなければならないのだが、 林芙美子の従軍の手記だけは いけなかった。 グロテスクの極みに読んでしまった。 戦後の自らの全集には収録しなかったというが、何という 卑怯な振る舞いだろう。 そのことがまた さらに グロテスクで。

    0
    2026年01月12日

    Posted by ブクログ

    率直に言って自分は高橋源一郎の小説の良い読者では無いのだが、源一郎さんの新書が間違いなく面白いことは知っている。本作も期待して読んだ。
    だが、本作はそんな気軽な期待を遥かに超える射程距離を持っていて、度肝を抜かれてしまった。もう一度源一郎さんの小説もその心構えで読み直してみようと思う。

    0
    2025年03月10日

    Posted by ブクログ

    分かりやすい文体で読み手に問いかける。戦争は、穏やかな顔をしてやってくる。気がつかねばならない。大きい言葉、大きい声に、と。印象的だったのは太宰治の作品に隠された反戦の文意。恥ずかしながら知識不足で今回初めて知ったのが詩集「大東亜」。高村光太郎や室生犀星などが詠んだ国策の詩。「正しさ」に向かって人々が、言葉が動員されたと。それに対して、無名の兵士詩人たちの詩のすごさ。
    印象的だったのは、「敗戦当夜、食事をする気力もなくなった男は多くいたが、しかし、夕食を整えない女はいなかった」という文章。日常を捨てない、ということの大切さ、正常な感覚を非常時に捨てないことが、戦争への道を阻止する大きな手段だということがよく分かる。

    0
    2024年02月02日

    Posted by ブクログ

    海上自衛隊の訪問をきっかけに、積読を解消。高橋源一郎さんが「戦争を語ること」について感じている違和感や勘違い、思い直しを記述したもの。戦争は悪いこととは分かっているが、それとどう向き合うかについては実は全く分かっていない。もちろん、戦争に関する本はたくさん読んだし、8月になればTVなどでみることもある。日本は加害者の国であり、沖縄や鹿児島、東京でも、戦争の爪痕を感じることもある。ウクライナでは今まさに戦争が起こっている。でも、個人としてどう向き合っているか、どう捉えているかと問われると、甚だ心許ない。しかし、こうしている間にも、ひたひたと戦争に向かっているかもしれない。戦争とはっきりとわかる前に、なんとなくそれらしい状態になって、その状態に慣れて、後戻りできない状態になるかもしれない。今、とく耳をすまし、目を見張り、声を上げなければと思った。

    0
    2023年07月17日

    Posted by ブクログ

    著者の言葉の扱いは巧みである、題名からして、そうである。読みながら、お前はどう考えるかを迫ってくる。戦時が聞こえてくる中、様々な文章から戦争の本質に迫ろうとする。最終章の太宰治の小説についての論考は目が覚まされた。著者の言葉と太宰の言葉か、重なり合って響いてくる。戦時を語らず、戦争の本質を語る。著者の目論見は伝わった。

    0
    2023年03月16日

    Posted by ブクログ

    厚めの本だったが、読み始めると興味深い内容だったので、どんどん読み進めることができた。
    文学者と彼らが紡ぎ出す文学が、戦争という背景の中でどう順応し、あるいはどう抵抗したのか、その足跡が丁寧に考察されていた。
    しかし、これは戦争の時代だけの問題ではない。文学はいつの時代でもその時代に順応したり、抗ったりしている。文学者は言葉と共に時代を生きるその時代の証人なのだと改めて感じた。

    0
    2023年02月08日

    Posted by ブクログ

    スポーツうるぐすで,初めて知った高橋源一郎さんは,飄々としてて,誰の悪口も言わない,でもすごく鋭い人,という風に僕には映っていた.それから時々新聞や雑誌のコラムなんかで文章を読む機会があったり,試験問題で出逢ったり,その度ごとに「気になる」存在でありながら,きちんと本を読んだことがなかった.
    その気持ちに踏ん切りをつけたのは麻布十番の焼き鳥屋さんでの志村けんさんとのエピソードを読んだ時.
    あのエッセイの凄まじさ.これは読まなくてはいけない!と思った.…だのに,中々手に取る勇気が湧かなかった,何となく読むのが怖い…そんな作者だった.
    で,この一冊.
    とても丁寧だ.言葉も考察も.そして決して結論めいた方が書かれていないのも何だか新鮮だった.そして,とても「怖い人」だと思った.怒る人とか,危ない人とか,ヤバい思想を持った人とか,そういうことではなくて,今まで触れずにいたこと,気づかずなのか,あえて見なかったのか,深めれば痛い思いをすると思っていたからなのか…そう言った後ろめたさややましさみたいなものを全部見透かされてしまったような気がした.あーやっと,白日の元に晒せた,という妙な安堵感と相俟って,「これってヤバい納得,だよね?」みたいな変な感じにさせられてしまった.
    あーこれは…明日から見る世界が変わるやつだ…参りました,ありがとうございます.

    0
    2023年01月13日

    Posted by ブクログ

    強く強く心を揺さぶるものがありました。
    それは必ずしも本書で語られた内容によるものではなく(だってたぶん僕はこの本で語られたことの1/3も分かっていないと思いますから)、高橋源一郎という人が、背伸びをせずに、かといって自身を矮小化することもないまま、できるだけ等身大で、それはつまり戦争体験者でもなく、かといって戦争に無責任にあるわけにもいかず、ただ戦争というあまりにも巨大な(少なくとも巨大だと思われてしまう)課題についてどうしたらよいか分からないという立場に立って、戦争を考えるためにはどうしたらよいかということを実演してみせてくれた、その正直なありように、心が、あるいは偉そうに言えば僕の知性と呼びうるものが反応した、そんな気がします。

    本書は太宰治の「私は虚飾を行わなかった。読者をだましはしなかった。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬」という『津軽』の言葉で締め括られていますが、これは本書にかけた高橋源一郎さん自身の自負であるように僕には感じられました。

    「戦争についてできるだけ誠実に向き合ってみた。そしてその過程で見たもの、感じたもの、考えたことを、できるだけ正直に書いてみた。さあ、君は僕の言葉をどのように聞いてくれたのだろうか。いつか、君の意見も聞いてみたいね。(タモリさんが言うところの「新しい戦前」というこの時代を)しっかり生きよう。考えることをやめるな。では、また次の本で」

    本書のなかで「日常」について語られる箇所がありました。
    「日常」を忘れず、「日常」を保持し続けるためには、「日常」を経験するだけでなく、その日常の中で「日常とはなにか」を問うという行為が必要でしょう。
    思考停止だけはしてはいけない。
    そんなメッセージを感じて、心は揺さぶられたのではなかったと思います。

    2023年一番最初に読み終えた本になりました。
    今年もできるだけたくさん本を読みたい。映画を見たい。
    そんな気持ちになりました。
    今年最初の出会いがこの本でよかった。

    0
    2023年01月13日

    Posted by ブクログ

    鶴見俊輔、いろんな国の教科書、「この世界の片隅に」「野戦詩集」、「野火」、「うわさのベーコン」、後藤明生、向田邦子、太宰治などを俎上に載せて戦争にアプローチする。古市某のことは忘れよう

    0
    2022年12月31日

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