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72歳になった著者が他人事ではなく、鶴見俊輔『もうろく帖』の「老い」をじっくり考えぬく。家族にとっての老いは不朽の名作『恍惚の人』、谷川俊太郎の棺のそばで思ったこと、3歳下の実弟の死から身近な血縁、ひとりで死ぬことを思う。注目の思索エッセイ。
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Posted by ブクログ
高橋源一郎が「老い」をテーマにした雑誌収録のエッセイ集。題材として取り上げる作家とともにタカハシさん自身も1951年生まれなので今この時点で74歳で老境の域に入っていると言ってよいだろう。この本に書かれたこともタカハシさんの老いを色濃く反映している。今の時点で能力が劣化したというよりも、これから劣化...続きを読むすることの覚悟、そして何より死してしまうことへの強制された覚悟が見てとれる。語るもの自身が、老いの「当事者」となっているのだ。もちろん、それを読む自分にとってもそれは当てはまる。 銀行が七十歳以上の人には融資できないというような個人的な経験を通して、タカハシさんは老いについてこういう。 「七十歳」前後を目安にして、「老人」たちは少しずつ「社会的な死」を迎えるのだ。社会から「もう「必要ない」と、そっといわれるのだ。あなたの役割はもうないのだ、と。ぼくたちには、「肉体的な死」の前に、「社会的な死」があるのだ。そのことも考えてみる価値があるだろう。ぼくはそう思った。」 この本には何人かの七十歳を超えて死を迎える人の話が出てくる (恍惚の人は実在の人ではないけれども)。鶴見俊輔、吉本隆明、有吉佐和子『恍惚の人』、耕治人、谷川俊太郎、そして実弟の「トシちゃん」。どの人の話もタカハシさんの手によって心に刺さるものになっている。特にぐっとくるのが私小説作家の耕治人の最後の小説『そうかもしれない』の話だ。 何人もの老いの記録について書いたあと、タカハシさんは次のように綴る。 「ぼくは、自分の「老い」と付き合いたい。自分の「死」に向かい合いたい。それは、あまり愉快なことではないのかもしれない。けれども、そこには、「老い」や「死」と付き合い、向かい合うことの中には、ひとにしかできないことが含まれているのだ。そのためには、その日を迎えるために、ぼくたちは、これから起こることを知らなければならないのだ。」 癌に侵されても「考える」ことを止めない鶴見俊輔さんの『もうろく帖』に触れた章で、「考える」ことについて次のように語っている。 「「癌」になる、「癌」のことを考える。それはいい。けれども、「癌」のことしか考えられなくなったら、それはよくない。それは「癌」に支配されてしまうことだからだ。 支配されてはならない。それがなにであっても。 (...)なぜなら、それは自発的に「考えている」ように見えて、実は「考えさせられている」からだ。「癌」というものがやてって来て、それに支配されて、考えさせられている。それは、自分の力で、内発的に「考える」のとはちがうのだ。」 「癌」のところに別の病気を入れてもいいだろうし、「老い」でも「死」でもいいかもしれない。タカハシさんはこれから自らの「老い」と「死」について考えて、先に取り上げた先人がしたように、自らの「老い」について「考えて」、それを書き残してくれるはずだ。そして、その後に続く「ぼくたち」もそれを読んで「考える」ことになるのだろう。そのことをずっと期待しているので、ぜひタカハシさんにはぽっくり急死するのではなく、長く老衰していってもらいたいのである。
自分が好んで触れる著者が、老いや死について考える年齢に差し掛かったってことか、最近、老いをテーマにした所に触れる機会が多い。自分の中でも、これまでより積極的にそういう書を探しているから、ってのもあろうけど。本書は筆者らしくというか、先人の手になる”老いの書”を紐解きながら、適宜自身の論考を進めていく...続きを読むという結構。とはいえ、半ばくらいまでは鶴見俊輔氏の著作についての言及が繰り広げられ、一冊を通じ、扱われる作品数自体は少な目。
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