高橋源一郎のレビュー一覧

  • 居場所がないのがつらいです みんなのなやみ ぼくのこたえ

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    高橋源一郎さんの人生相談回答本第ニ弾。

    前作の「誰にも相談できません」よりも泣きました。
    前書きでもう泣いた。

    【また別のとき、誰かが泣きながらずっと話をしている。もう誰もとめることができない。ただわたしは話を聞くだけ。それでもいい。いや、それがいいのだ。やがて、時が過ぎ、その誰かは泣き止んで、わたしにこういう。
    「話を聞いてくれてありがとう。もう、わたしは大丈夫」】

    離婚4回、結婚5回、子供が5人、父親はギャンブル依存症で離婚家庭、本人も昔ギャンブル依存症だったことがあり現在も借金返済中。大学は中退しニート経験もあり。20代の頃は日雇い労働者。不眠不休での育児経験あり……筆者の経歴が濃

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    2025年10月05日
  • 誰にも相談できません

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    悩み相談の本は世にたくさん出ているけれど、これはなんだか今まで読んだものとは少し違うような。

    元の相談文はもっと長いそうなのですが、編集の都合で数行にまとめられており、筆者の回答も結構短めです。

    でも、なんというか、回答が美しいです。

    相談内容は家族やお姑さんとの関係から老いの恐怖、ニート生活が続き今後どうすればいいかなど様々。

    筆者は離婚歴が4回ほどありお子さんもいらっしゃるので、浮気や子供への接し方のアドバイスに説得力がありました。(浮気相手はあなたを愛しているのではなく依存相手を求めているだけ、など)
    子供の教育方針よりも愛をたくさん与えることが1番大事だというのは納得。
    不登校

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    2025年10月02日
  • 誰でも、みんな知っている

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    待ってましたの”コレアレ”最新作。相変わらず広範囲にわたるカバー領域で(分野的にも時代的にも)、満足度高し。その割にというか、実際に読んでみたくなる本は、毎度あまり多くなく、今回もブックガイドというより読み物として堪能させてもらいました。

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    2025年09月29日
  • 一億三千万人のための『歎異抄』

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    阿弥陀とは待つ人なのかも知れないね。自然、他力、念仏。全ての人を救うと誓い、ただただ待つ人。いつでもそこにいてくれる人。
    我々や他の誰かではなく、私のため。誰にとっても私のため。それに違いなどないし嫉妬したり僻んだりするのもおかしな話。でもそう思ってしまうのもほんと。
    「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞一人がためなりけり。さればそれほどの業をもちける身にてありけるを、たすけんとおぼしめしたちける本願のかたじけなさよ」
    我々は、常に既に、ひとりかも知れない。でもだからこそ、他人がいることの有難さが在る。
    読んでいたら、あとがきでドストエフスキーと文学、ことばについて。
    最近考え

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    2025年09月14日
  • 居場所がないのがつらいです みんなのなやみ ぼくのこたえ

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    SNSで流れてきた新聞掲載の人生相談の切り取り。きちんと読みたいと調べたらこの本が出てました。「生きるのが億劫です」という相談者に「残念ながら、この問題に解決策はありません。だってそれはあらゆる人間がかかる病なんですから」と。そして「ひとついいことを教えてさしあげます。人間がみんな突然かかるもうひとつの病があります。希望という病です…」 回答者の高橋氏は決して上からでもなく寄り添うわけでもなく誰も想像できない答えを提案してくれます。時にバッサリと切り捨てる時もありスカッとします。自分の悩みなんてたいしたことはないなと思える本です。

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    2025年06月20日
  • 「書く」って、どんなこと?

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    表現者それぞれで違う鉄格子の隙間を抜けて飛び立った言葉だから、同じ隙間の形をした鉄格子に閉じ込められた「わたし」に刺さるのだと思う

    「閉じ込められた「わたし」は、その場所から抜け出すことはできなくとも、鉄格子の隙間から「鳩」は飛び出すことができる。「わたし」のメッセージをその脚に結びつけ、高く広い大空を翔んで、どこかの誰かに届けるために。」 -27p.

    「昼のわたし」と「夜のわたし」、ぼんやりと感じていたことが言語化されていた
    わたしが「考えずに書く」時の最短距離は思考をそのまま手で写し出すことだから、スマホやパソコンではなく紙に直接「書く」ことが好きなのかもしれない

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    2025年06月08日
  • 一億三千万人のための『歎異抄』

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    老若男女を問わず歎異抄を一通り理解できる。その著者の目的は達成できていると思う。親鸞の言葉が異なって受け取られていることに歎く言葉。
    阿弥陀の大きな慈悲を信じること。それに尽きるのでは。

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    2025年05月25日
  • 一億三千万人のための小説教室

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    面白かった!小説書きた〜い!
    もともと小説を書くことに興味があって読んだのですが、読み物としてとても楽しく読めました。
    参考文献としておすすめされている本も読んでみたいものがいっぱい。読みたい本がどんどん増えちゃいますね!

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    2025年04月30日
  • ゴヂラ

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    こういう荒唐無稽で不条理な不思議ワールドは大好きである。整合性や時系列を考えることを放棄して良いからスルスルと読める。
    タイトルからして良い。
    箒でひたすら街を掃除し続けるお爺さん、最高である。
    辻褄など合わなくても良い、永遠に続いても読み飽きないと思う。よく練られた芸術的小説であると思う。
    しゃべるぬいぐるみがまた出てきた!

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    2025年04月02日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    率直に言って自分は高橋源一郎の小説の良い読者では無いのだが、源一郎さんの新書が間違いなく面白いことは知っている。本作も期待して読んだ。
    だが、本作はそんな気軽な期待を遥かに超える射程距離を持っていて、度肝を抜かれてしまった。もう一度源一郎さんの小説もその心構えで読み直してみようと思う。

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    2025年03月10日
  • 高橋源一郎の飛ぶ教室 はじまりのことば

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    母の友で紹介された本。
    病院の待合、昼休み、どこでも読めるので重宝している。

    大事なことに気づかせてもらえる、珠玉の短編集。

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    2025年01月11日
  • 「不適切」ってなんだっけ

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    ネタバレ

    「サンデー毎日」連載(2021年10月31日~2024年3月3日)の「これは、アレだな」の第3弾。

    著者の対談は雑誌でいくつか読んでいましたが、時事エッセイは初めて読みました。毎回取り上げられた各項目は少々軽薄なタイトルですが、内容はかなり重たいというか、著者の深い洞察力が感じられます。

    例えば「老人はみんな死ね」という項目では・・・
    このタイトルを見て、以前に、変な形の眼鏡を掛けて、マスコミから持てはやされていたイェール大学経済学部アシスタント・プロフェッサーの成田祐輔なる人物が、近年の日本の財政的な諸問題を解決するには「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」

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    2024年12月10日
  • 一億三千万人のための『歎異抄』

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    親鸞。
    学生時代に吉川英治の小説で読んで知った。
    のちには五木寛之の小説で読んだ。
    でも、親鸞の言葉を記した歎異抄を読むのは、初めてだ。

    「善人なおもって往生を遂ぐ いわんや悪人をや」。
    他力本願。
    念仏。

    これらの言葉はもちろん小説を通して知っていた。
    でも、意味が分かっていたか、と言われれば、怪しいものだ。
    今回の高橋源一郎さんの訳を通して、改めて考えた。

    この新書にも、いや、歎異抄自身にもあるが、
    「意味もわからず念仏を唱えるだけで浄土に行けるなんて、おかしい!怠けてる」
    そう考える。多くの人はそう考える。
    努力もしないでいい思いができるわけがない、と。

    親鸞は違う。
    もっと深い

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    2024年11月28日
  • 「書く」って、どんなこと?

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    考えずに書くこと、考えて書くこと。
    余計なテクニックとか、文法とか難しいことは一旦忘れて原稿に向き合う。そのときに社会の検閲から逃れるべくこの世界の存在を疑ってみること、それを考え続けること。そんなことを思いながら書き続ける。

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    2024年11月25日
  • 誰にも相談できません

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    在学時に存在を知っていれば、授業を履修していたのに。とWikipediaを読みながら何も考えていなかった大学生活を悔やんだ。

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    2024年10月06日
  • 「書く」って、どんなこと?

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    書くことを容易いことだと思って始めた人にとってのハウツー本ではない、「書く」ということについて話している。

    すてきな授業だった。

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    2024年09月08日
  • さようなら、ギャングたち

    購入済み

    今まで読もうとして後回しにしていて、ようやく読んだ。とても面白かった。様々な引用も調べてもいいが、わからなくても面白く読めた。『カンディード』や『旅のラゴス』とか冒険譚を読んできて、直前にはぶっ飛んだ『みどりいせき』も読んでいて、この本も先にどんなわくわくがあるのだろうとどんどん読める、ハチャメチャな詩学的美学的衒学的宇宙的ドタバタで真面目で狂気的な楽しい本だった。まだ先が読みたいほどだ。ハードボイルドで幼稚で高尚でやらしくていたずらで面白かった。他の方のコメントに「哀しみ」という文句を見て同感です。たとえば、観覧車の自己廃棄の哀しさ。たとえば、女の。たとえば、女の子の。それから、言葉にできな

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    2024年08月24日
  • 「書く」って、どんなこと?

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    「書く」ときに「なに」が起こっているのか?作家のみんなは分かっているが誰もその事については書かない。でも高橋源一郎はこの本で「それ」を書いてしまった。僕も「それ」を体験してみたい。「それ」によく似たことは、もしかしたらあったかもしれないなかったかもしれない。でも気持ちいいだろうな、「それ」は。いつかやってやる「それ」を。

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    2024年08月11日
  • 「不適切」ってなんだっけ

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    たまたま偶然出会った本ですが大当たり!
    高橋源一郎さんてこんなに面白い方だったんですね。失礼ながらも掘り出し物に当たった気分。
    これはアレじゃないかなとテーマごとに本(文化芸術から漫画までも)や映画(昔の名画からアニメまでも)や音楽(ジャズから帰ってきた酔っ払いまでも)作品を比較してあれこれと語るエッセイ。とにかく高橋源一郎さんは大変な読書家であることに驚きと感心するばかりです。好奇心も旺盛であられるのでしょう。色んなことを良く知っていらっしゃる。だから芋づる式に面白い話も尽きないわけですね。ここで紹介されている作品を書き出したらノート見開き4ページになりました。気になる作品が満載。
    この本が

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    2024年07月13日
  • ゆっくりおやすみ、樹の下で

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    ネタバレ

    さるすべりの館、すごく行きたい!!自然に囲まれて広い屋敷に住むのって本当に憧れます!!題名からは想像も付かないストーリーにびっくりしました。

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    2024年06月26日