高橋源一郎のレビュー一覧

  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    1762年3月、ひとりの新教徒が冤罪によって処刑された。それを知ったヴォルテールは「人間をより憐れみ深く、より柔和にしたいとのみ念じ」不滅の『寛容論』を書いた。ヴォルテールが見た光景は、わたしたちがいま見ているそれに驚くほどよく似ている。
    ヴォルテールは終わり近くにこう神に祈りを捧げた。「どれをとっても完全ではないわれわれの言語、すべて滑稽なわれわれの慣習、それぞれ不備なわれわれの法律、それぞれが馬鹿げているわれわれの見解、われわれの目には違いがあるように見えても、あなたの目から見ればなんら変わるところのない、われわれ各人の状態、それらのあいだにあるささやかな相違が、また『人間』と呼ばれる微小

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    2017年01月31日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    古典は原文の古語の美しさやリズムを味わえば良いのでしょうが、素養が無いものには理解できないので、このような現代語訳は非常にありがたい。原文と照らし合わせて読めば良かったと思いました。枕草子では雅な感じが伝わってきました。方丈記は堀田善衛の『方丈記私記』を面白く読んだことを想いだしました。徒然草は「教養のある人は物語りするとき、まわりに人がたくさんいてもひとりだけに向かって語りかけ、それに人々が自然に聞き耳を立てるようにするものである。」に、はたと膝を打ちました。

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    2017年01月22日
  • 読んじゃいなよ! 明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ

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    編者が大学で教えるようになり、試行錯誤しながらたどり着いた教授法で、一冊の岩波新書を徹底的に読み込み、そしてその著者に来てもらい、議論をする中で、その本の「先の先」まで読もうという企画。著者は三人。鷲田清一、長谷部恭男、伊藤比呂美。それぞれの著者の味も出ながら、その著書の内容も深く掘り下げた議論で、ライブ感のある読み応え。実際に挙げられた本を読んで再読すれば更に深まる可能性大。

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    2017年01月18日
  • 丘の上のバカ ぼくらの民主主義なんだぜ(2)

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    前作が素晴らしかったから、当然のごとく入手した続編。今回は、前回よりも引用が減っていて、その分、筆者の言葉が強く響いてくる。といっても、大声でただ主張している訳ではなく、どちらかというと控え目に、でも徹底的に思慮深く紡がれる言葉の数々は、いちいちが瞠目に値する。タイトルも、最初は”何のこっちゃ?”って思ったけど、民主主義の本質を表すものだったんですね。って、そういう一面的な理解を、恐らく筆者は望まないのでしょうけど。

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    2016年12月19日
  • 丘の上のバカ ぼくらの民主主義なんだぜ(2)

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    自分自身、丘の上のバカのひとりであること。
    呼び込むつもりがないものでも、ある環境が整えば産み出される。民主主義とは本当に生き物だ。しかも、最も質の悪い生き物と思える、人間が産み出した生き物だ。この先、どこに行き着くのだろうか。終焉へのスイッチ、もう押されてしまったような気がする。

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    2016年11月25日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    まさに今、日本は転換期を迎えている。今こそ一度立ち止まって考えるべきときが来ている。中高生だけでなく大人にも、言葉そして考えることの大切さを問いている。超高齢化、少子化、貧困、格差社会、どれをとっても、その解決策は成長戦略では、ない。と。

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    2016年10月08日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    尊敬する内田先生が依頼した方々の中高生に伝えたい事の寄稿文。
    まさに言いたいことや、常日頃モヤモヤしてることが分かりやすく書いてあって、中高生に是非読んでもらいたいと思いました。
    平和を享受して大人(中年)になった私は子ども達や次の世代にも絶対残したい!

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    2016年09月27日
  • 日本文学盛衰史

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    明治文学の熱量が散りばめられている。
    啄木、漱石、四迷、藤村、鴎外、紅葉…それぞれのキャラクターが虚実原著過去現在織り交ぜて書かれていて引き込まれる。
    あと、「こころ」をめぐる考察は鳥肌もの。

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    2016年09月23日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    鷲田清一氏の章を読んでいたら、涙が止まらなくなりました。白井聡氏の文章は痛快で、内容にも共感しました。中高生には、この二つの章は難しいかな。でも、読んでほしいなと思う本でした。大人にもおすすめです。

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    2016年09月13日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    本書は『街場の憂国会議』、『日本の反知性主義』に続くシリーズの3冊目。なぜ本作が編まれたかについては「まえがき」を読めば一目瞭然、これまでと違うのは「中高生を読み手に想定」したこと。
    若い人たちに向けた「贈り物」であるところのこの本を、「中年の危機」当事者である私も読ませていただいた。伝えなければならない「たいせつなこと」の多さに、平和を享受してきた世代としては焦りの気持ちを感じる。申し訳なく、そしておとなこそ読むべき、とも思う。
    「転換期」だからこそ伝えたい、たいせつなこと。
    この本が次世代への福音となりますように。

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    2016年08月26日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    内田樹『身体に訊く』-言葉を伝えるということはどういういことか
    加藤典洋『僕の夢』-中高生のための「戦後入門」
    高橋源一郎『表と裏と表』-政治の言葉について考える
    平川克美『人口減少社会について根源的に考えてみる』
    小田嶋隆『13歳のハードワーク』
    岡田憲治『空気ではなく言葉を読み、書き残すことについて』
    仲野徹『科学者の考え方』-生命科学からの私見
    白井聡『消費社会とは何か』-「お買い物」の論理を超えて
    山崎雅弘『「国を愛する」ってなんだろう?』
    想田和弘『「中年の危機」にある国で生き延びるために』
    鷲田清一『社会に力がついたと言えるとき』
    以上11人の寄稿文
    内田樹氏の以下の呼びかけに対応

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    2016年08月17日
  • 民主主義ってなんだ?

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    民主主義の入門書にぴったり。
    もう、まさに、民主主義ってなんだ??って思っているひとが読むべき一冊。読みながら、なんだろうって考えることができる。
    前半の愛基くんの生い立ちの部分では、すごい人だなぁ、だからこんなにかっこいいんだな!っておもった。

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    2016年04月21日
  • ぼくたち日本の味方です

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    白か黒か。
    そういう発想では複雑に絡み合う問題を解決できない。
    だって白って言えば黒っぽい側の人たちは困るだろうし、
    逆に黒って言えば白っぽい側の人たちは怒るだろう。

    じゃあどうするか。

    グレーゾーンをつくってそこで手を打つしかないだろう。
    でもそれは全てをうやむやにしてしまうということではなくて、どんな白と黒を混ぜてどんな灰色を作れるかという試行錯誤の取り組みで、そうやって色んな白と黒を混ぜ合わせ続けることが大事なんだ。

    二人(三人?)のおじさんはそんな風に言ってるように聞こえました。

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    2016年02月13日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    民主主義とはなんぞやと、深く示唆された内容ばかりで、勉強になった。自分なりの民主主義あみつけるために、何度も読み返すに値する本なのかもしれない。なんか明日からがんばろうかなと思うのは私だけだろうか?

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    2016年02月13日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    これは素晴らしかったです。色んなところ(大半がいわゆる”小さい声”)から引用されていて、その視点の広さにも脱帽。で、引用文に占められる部分も大きく、実際に傍線を引いたのも、どこかからきたカッコとじの文章が多かったけど、そのいちいちが十分に咀嚼されていて、そしてきっと実際にはその何倍・何十倍もの資料に目を通されているからこそ、著者の本音として感じられるのも良かった。”ぼくらの民主主義”って、何かイイっすね。ちょっとワクワクする言葉だと思うし、頑張らなきゃって、わが姿勢が正されます。

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    2016年01月19日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    民主主義とは結局少数派が多数派に従うことなんだが、それでも少数派が「分かった、ありがとう」と納得出来るような説明が欲しいんだ。

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    2015年12月24日
  • 一億三千万人のための小説教室

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    ネタバレ

    小説の書き方の指南書ではない。上手な文章を書く方法でもない。小説を書くということは学校でお勉強をするのとは真っ向対立するものなのだから。

    小説を書きたいなら、まず小説を書くこと。
    では、何を書くか? 自分がよく知っている事を書く、本当に知っていることを書く。いきなり書き出してはいけない。書く前の沈黙を味わう。

    そして次に小説と遊ぶ・つかまえるレッスン。
    どんな文・考え・ことば、が飛んできても受け止めるレッスン。
    この著書の中にはとうてい受け入れがたい文章も例として出てくる。でも目を背けてはいけない。
    ことばの直球、変化球も捕る。ただ一人が持つ一つの専用道路を走る小説を拒否しない。
    そして遊

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    2015年12月20日
  • 嘘みたいな本当の話みどり 日本版ナショナル・ストーリー・プロジェクト

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    高橋源一郎、内田樹著。(編?)
    一般の方から文字通り『嘘みたいな本当の話』を募集して、高橋先生内田先生がいいなと思ったものをピックアップするプロジェクトの第2弾。
    巻末に何名かの著名人の話も掲載されていますが、一般の方々のお話の方がガゼン面白いです!
    内田先生のまえがきにある、"採択の基準"は、ブログを書いたりするのに役に立ちそうです。『「奇妙な後味」を残すこと』と『「そういうことって、あるよね」』の2つ。
    いま机の上に置いてあるこの本、忙しくて活字を読む時間がないと嘆く家人に勧めたいところだけど、「あなたがやりそうな話ばかりね」と突っ込まれそうで、ちょっと怖いです。

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    2015年12月15日
  • さよならクリストファー・ロビン

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    大人になってくこと、自分が成長、変化していくこと、童心を忘れることなど深く考えさせられることが多い作品でした。

    失うことについてもよく考えさせられました。

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    2015年11月17日
  • 民主主義ってなんだ?

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    SEALDsってなんだ?
    少しでも興味のある人は是非読んでみると良いと思う。2015年の活動初期から、ネットでスピーチを見たり、書き起こしを読んだりして、微力ながら応援していたつもりだったけど、応援されていたのは私自身だった。
    勇気を持ち、自ら考え、謙虚に学ぶこと。
    それがどんなに大切なことか、よく分かる。

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    2015年11月13日