あらすじ
四の五のいう前に、ともかく新書に挑んでみた! 「お説ごもっとも」じゃつまらない。いっそ著者にも疑問をぶつけちゃえ──鷲田清一、長谷部恭男、伊藤比呂美の各氏も交え、稀代の読み手がファシリテーターとなって学生とトコトン読み込んだ二年間の記録。「こんなに手のかかった本もないけど、すこぶる面白い!」(編者談)
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編者が大学で教えるようになり、試行錯誤しながらたどり着いた教授法で、一冊の岩波新書を徹底的に読み込み、そしてその著者に来てもらい、議論をする中で、その本の「先の先」まで読もうという企画。著者は三人。鷲田清一、長谷部恭男、伊藤比呂美。それぞれの著者の味も出ながら、その著書の内容も深く掘り下げた議論で、ライブ感のある読み応え。実際に挙げられた本を読んで再読すれば更に深まる可能性大。
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最後まで読めた。編者の高橋氏の頭の柔らかさ(適度ないいかげんさ?)がうらやましい。伊藤比呂美の文章はさすが。わかりやすく気持ちが没入できるかんじ。
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岩波新書はとても難しいイメージで手にする機会がなかった。とても軽いお誘いを受けるかのような題名だったので、読んでみようと思いレジに向かったのがこの本との巡り合いだ。
感想としては、岩波新書の本で自分が興味ある分野の本をもっと読んでみたいなという気にさせてくれる本だった。
この本は大学の講義の一貫として3人の著者を招いて哲学、憲法、人生相談について明治学院大学の学生さんが、それぞの著者の作品を読んで自分たちが感じた事を赤裸々に話し合う場を記録に収めたものであった。また、各学生さんが他の岩波新書の本を読んでの感想が掲載されていた。堅苦しくなくざっくばらんな感想なので、岩波新書のな堅苦しさを崩してくれたのかもしれない。
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・覆る新書の概念
「新書って固くて難しくて眠いもの」と思いつつも、ふらりと立ち寄った新書棚。たまたま見つけて読んでみたら……なんと面白いこと!!新書が一気に好きになった。
・どんな分野もわかりやすい
登場する先生は 哲学・憲法・文学(詩歌)と、異なる分野かつ取っつきにくい(と思われる)分野。だがこねくり回された完璧な言葉ではなく、先生の生の言葉が綴られているこの本は、そんな取っつきにくさが解消され、楽にそれぞれの世界に没入できる。
・知りたいこと の幅が広がる
高橋ゼミの学生が書いた新書の紹介文が載っていることも、本書の大きな特徴の一つ。ここでも色々な新書に出会うことができる。いくつか読んでみたが、なかなか良いセレクト。
ん、中身が気になってきた?
ならば今すぐ「読んじゃいなよ!」!!
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高橋源一郎が、「岩波新書に関する岩波新書を作る」というテーマで岩波新書に持ち込んだ企画本。
実際には、明示大学院大学の高橋ゼミで企画を練った結果、一冊の本を読み込み、その著者を招いて白熱教室をやるというものになった。
その三冊は次の通り。
鷲田清一 哲学教室 『哲学の使い方』
長谷部恭男 憲法教室『憲法とは何か』
伊藤比呂美 人生相談教室 『女の一生』
鷲田さんは、哲学は全部わからないところがいいと。当人がわかってなくて、読者もわからない中で読者が先に気付くくらいがちょうどよいとまで。そして学ぶとは何かを失うことだと。村上春樹の小説や、最近はやりの千葉雅也の『勉強の哲学』を思い出す。
長谷部さんは、憲法と憲法典の違い。社会契約という概念とのつながり。憲法も結局は手段ですから、と。また、カントの永遠平和論が出てくるのは驚いた。柄谷行人の問題意識も憲法学者の問題意識も一致するところがあるのだと。
伊藤比呂美さんは「カノコ殺し」という詩に驚き。ああ、詩だと。
どうだろう。ゼミとしてはとても成功したんだと思う。
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タイトルのつけ方は個人的には気持ち悪い感じはしますが。
内容的にはとても面白い内容だったと思います。
明治学院大の著者のゼミで実施された、岩波新書を読み込み
その著者(鷲田清一氏・長谷部恭男氏・伊藤ひろみ氏
の3人)とQAを実施するという内容。
大学生は書籍を読まないという話があって、それが個人的な
課題にも関連しているのですが、本当に大学生が本を読まないということが一般化されているのか?
確かに読む人が少なくなっているのは、そうなのだろうと
思いますが。もっと、この本のように、本を読むことの
楽しさや、満足感などが、他の人にも伝わるような
取り組みがほかの人たちにも影響して、本を読む人が
増えていくような気がしました。
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高橋ゼミに集まった生徒さんたちは、良くも悪くも型にはまらず、日頃のゼミの雰囲気がよく伝わってくる。
のらりくらりしつつ切れ味抜群のコメントをする高橋先生が生徒さんたちの本気を引き出すスパイスとなることで、緊張感のある良い授業が成立していると思う。
他の岩波新書にはない先生たちの人間性、生身の声を読める稀有な一冊。
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志高く、学ぼうと集まった、高橋源一郎のゼミ生達の熱気が凄い。
岩波新書を学生と熟読し、作者と対話するという形式も面白い。
先生として呼んでいる方々がどの方もさすがにオリジナリティーが高い。
ところどころに、私自身が学生時代に感じた、サークル活動等で熱く狂信的な人たちのナルシスティックな雰囲気も思い出してしまった。少し排他的というか、のんびり他者を受け入れられないというか。まあ、志高いとそうなりがちなのかもしれないけど。
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昨年12月11日から、延々読んでいたもの。つまらないと感じていたのかな。岩波新書に著作がある三賢人(鷲田清一さん・長谷部恭男さん・伊藤比呂美さん)に基調となる話をしてもらったあとで、質疑応答が進むという体裁。
鷲田さんでは「アートが、生活が立ち上がるのに際してどうかかわるのかを見ていきたい」、長谷部さんの「戦争は、負けた方の社会契約が破棄されてしまうというもの」が心に残った。
途中で挟まれている、大学生による「私と岩波新書」は、気恥ずかしくて読めなかった。
Posted by ブクログ
いつの時代にも言われてきたのだろうが、大学生ってこんな幼かったっけ、と年増はつい思ってしまう。
こんなゼミだったら今の学生も楽しいだろうなとは思うけれど、そして、戦前戦後の世代のように岩波新書に知の権威の幻想も持ってはいないつもりだが、このくらいの感想文で岩波新書にしてもらえるのはどう考えても高橋源一郎の人徳?ネームバリュー?だよね。。。ゼミの報告レポートのようなもので岩波新書にする必要があったのか、という一抹の疑問は拭い切れない。
伊藤比呂美が私は好きではなかったのだが、ここでの「人生相談教室」は面白かった。
奥付のそのまたあとにおまけとは、画期的。