高橋源一郎のレビュー一覧

  • 嘘みたいな本当の話みどり 日本版ナショナル・ストーリー・プロジェクト

    Posted by ブクログ

    アメリカの本家のプロジェクトが会って、これはその本案版。とっても面白い企画だと思う。今でも原稿を募集中。

    0
    2013年09月09日
  • ぼくらの文章教室

    Posted by ブクログ

    この本はすごい本だと思う。
    『文章教室』というもの(本も含めて)に今まで縁がなかったし、今回もなんとなく教室を覗いてみただけ。そんな出会いだった。
    なのに、片足を廊下に残してちょっと覗いた人間を教室の中に引っ張りこみ、座らせ、テキストに釘付けにし、講義にのめり込ませてしまった。
    難しいし、「分かった?」と聞かれたら「なんとなく…」とぼそっと返すしかないけれど、引用されている文章も、それに対する高橋源一郎さんの文章も、私を揺さぶって何かを決定的に変えてしまったのではないかと思う。
    いや、思いたい。

    『文章教室』という教室のすごさ。
    もっと言えば、文章のすごさということになるのかもしれないけど、

    0
    2013年08月13日
  • ぼくらの文章教室

    Posted by ブクログ

    この人の文章読本は、
    何冊目なのだろう。
    たくさん出している。
    でも、
    これは今までのものより、
    ちょっと違う。
    何が違うか。
    生きる、ということが、
    言葉とどう関係しているかが、
    中心に書かれてある。
    初級向けの文章引用はない。

    老年になって、
    はじめて読み書きを覚えた言葉で、
    書く、「遺書」。

    鶴見俊輔の少年時代の、
    「校長先生」の短い言葉の意味。

    何度、書くの? と思わせる、
    小島信夫著「残光」の、
    文章のこと。
    「小島さんは判っていたのじゃないか、ぼけて<やっと書ける文>のことを」
    と新たな、小島信夫論の進展。

    高橋源一郎がずっと思考している証拠が、
    この本にある。
    持続して考

    0
    2013年07月21日
  • 「悪」と戦う

    Posted by ブクログ

    「悪」ってなんなのか。絶対的な「悪」ってなんなんだろうか。
    そこまで言えるものってもう個人を超えて「世界」でしかないのだろうか。

    0
    2013年06月28日
  • 「悪」と戦う

    Posted by ブクログ

    心が洗われていく様な言葉、文、文章。現代思想的な観点から、語る事が出来る作品なのだと思うし、そういった具合に読んでみるとまた違った面白さがある作品なのだと思う。ただ、純粋に一つの作品として素敵だなぁと思いました。イッツ・ショー・タイム!

    0
    2013年06月19日
  • ぼくらの文章教室

    Posted by ブクログ

    もちろん、有り体の文章作成指南書ではない。
    「文章」を書く前に、身体化された表現に数多く触れなければならないという、当たり前のことに気付かせてくれる。

    鶴見俊輔の本が読みたくなった…

    0
    2013年05月02日
  • ぼくらの文章教室

    Posted by ブクログ

    タカハシさんの書く「小説」ではない(と一応されている)文章は、それでも紛れもなく「小説」であると私は思う。

    いささか乱暴かもしれないけれど、「小説」が「読むひとそれぞれに何かを語りかけてくるもの」であり、一方たとえば「評論」が「読むひとに何かを教示するもの」であるとするならば、タカハシさんの書くものはすべて「小説」としか感じられないのである。

    タカハシさんの「小説」ではない(と一応括られる)文章を読むと、タカハシさんの声が聞こえてくるような気がする。


    語りかけられていることはひとつだけ。
    「なにも気にせずおもったように書けばいいと思うよ、それでじゅうぶん」。
    本文のことばを借りるなら、

    0
    2013年04月21日
  • さようなら、ギャングたち

    Posted by ブクログ

    不思議な話だ。
    小説というより詩。
    なんの脈略もなく、突飛な文章が400ページ近く進む。
    しっかりとしたストーリーも、ロジックもなくただ言葉だけがダラダラと。

    なのにすらすら一気に読めてしまう。
    きっと言葉の選び方がすごいんだな。

    文章の流れを無視した言葉が入る事により、
    独特のリズムをつくる。
    凄いの一言だ。

    0
    2013年03月31日
  • 非常時のことば 震災の後で

    Posted by ブクログ

    タイトルの「非常時」であるが、直接的には大震災のことを指している。そして、非常時には「空気」に抗い、借りものでない自分自身のことばを必要とされると説く。その自分自身のことばを得るためには、そのことばの内容がどうであれ「考える」ことが必要になる。そこで、それまで「考え」てなどいなかったことに気が付くのだ。まずは非常時にあたって絶句してみるべきではないかというのだ。

    実際のところ津波被害にせよ原発の問題にせよ、多くの人は自分自身の明確なことばを持ち合わせていない。これまでに何も向かい合ってきていないからだ。

    そういうふうに言われるととてもレビューが書きづらいのである。

    ----
    本書の構成は

    0
    2014年01月02日
  • 非常時のことば 震災の後で

    Posted by ブクログ

    周りに誉められる答え、一般的に正しいとされる答えを言葉にすることは、日常の余裕のあるときにはとても良く響く。だが、非常時には何一つ響かない虚しい言葉になってしまう。なぜか。正しいとされる答えは、「その時その人たちに」必要なものを何も宿していないから。

    自分を決して裏切らない、自分の中にある正しい答えを見つけ出し、結果に拘らずそれを行動にすること。それが考えるということ。
    その行動に宿る心に懸けること。
    一般的な正しさに生きず、自分の偏った正しさに生きることができるか。難しい…

    0
    2012年11月18日
  • 非常時のことば 震災の後で

    Posted by ブクログ

    これこそ賢い思考というのだろう。3.11の前後の世界の変容を言葉を手掛かりにして読み解いていく。「ことばを探して」の章から抜粋します。「自由のない文章、想像力に欠けた文章、考えるということを嫌悪し、ただいいたいことだけを連ねた文章・・・。(中略)ぼくたちは、ぼくたちを囲んでいる文章の正体を知っておく必要があるのだ。」

    0
    2012年10月13日
  • さようなら、ギャングたち

    Posted by ブクログ

    ことばの持つ意味、名前のもつ機能が突風のようなグラデーションにさらされている。この小説そのものも、あらゆる意味でグラデーションの渦中にあるように思える。スリリング、しかし時折のぞく叙情は赤面するほど青い。これが詩的ということ?いや、暴力的なのだろうな、やはり、ギャングだけに。
    もちろん読む方も、たえず変化の渦に押し流されることになる。いま髪をさらっていった風は、はっとしたときにはもう彼方に吹き飛んでいてつかむことも再会することもできないのだ。

    0
    2012年07月24日
  • さよならクリストファー・ロビン

    Posted by ブクログ

    新しい文体や伝え方を読みたいという要求のほうが、ストーリーの先を知りたいというよりも優先してしまう。筒井康隆や安部公房が好きなのもこのような性向を持つからだろうと思う。テキストという歴史のある限られたメディアのなかでこのような実験を行い、成功しているのは高橋源一郎だろう。それは、一部音楽に対するROCKのスタンスとも似ている。渋谷陽一が高橋源一郎に接近する理由もそれだと思う。時代の気分として、理性や、意識といった、文学の主体と考えられてきたものがどんどんとあやふやになっていくなかでの小節のありかた。

    0
    2012年06月04日
  • さようなら、ギャングたち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    詩人志望の男「さようなら、ギャングたち」と、「中島みゆきソング・ブック」と名付けられた女の、愛の物語。
    哀しくて狂ってる名作です。
    最初の数ページを読んで無理な人は無理かも。

    0
    2012年01月04日
  • 嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト

    Posted by ブクログ

    やーおもろかった。
    ザザザザとすぐに読めてしまいました。
    癒しでした。
    元気のない時に心にすうっと入ってきます。
    とかいう書き方をするとなんだか「良い話」のようですが、そういうわけではありません。
    面白い。
    人生って色々あるんだなああああああ。

    絵が良い。

    0
    2011年12月15日
  • 日本文学盛衰史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この本を読めば日本のいわゆる近代文学の成り立ちというものが、一通り学べるでしょう。……というのは嘘。ただし、かかわった人物たちの苦悩やら想いやらは感じる。笑いあり涙あり、日本文学盛衰史ここにあり。個人的には啄木のメールの所で腹抱えて笑いました。文学史に詳しければ詳しいほど楽しめるでしょう。

    0
    2011年07月25日
  • 官能小説家

    Posted by ブクログ

    森鴎外・樋口一葉・夏目漱石が現代によみがえった?
    そんな不思議な設定で書かれる、近代文学者パロディ小説。「日本文学盛衰史」が面白ければ、こちらも面白い。むしろ「盛衰史」よりストーリー性はっきりしているぶん、近代文学者目当てで読まないならば、こちらの本のほうが面白いような気がする。

    0
    2010年02月09日
  • 日本文学盛衰史

    Posted by ブクログ

    近代文学者たちがたーっくさんでてくる小説。終始爆笑。そしてしみじみ。読んでいる間、とにかく楽しい。ただ、近代文学史をよく知っている人ほど楽しいと思うので(逆に言うと、詳しくない人が読んでもあまり面白くないかもしれない)、ふつうの小説としてはあまり周囲にホイホイ勧めない。ある程度勉強して読むのをお勧めします。

    0
    2010年02月09日
  • 日本文学盛衰史

    Posted by ブクログ

    第13回伊藤整文学賞を受賞した力作。
    二葉亭四迷の死に始まり、現実か空想かよく分からない、明治時代の文豪たちの物語が描かれる。
    この物語は、「原宿の大患」を境にして、前編と後編に分けられるだろう。
    前編では、「日本文学」を成立させるための文豪たちの苦悩が描かれる。
    後編では、作者である高橋源一郎の視点が入ったように感じられる。
    全編を通して、「日本文学」が作られていく様を見ることが出来る。
    高橋源一郎は、文学について考える機会とヒントを与えてくれる素晴らしい作家だ。

    0
    2010年01月11日
  • ジョン・レノン対火星人

    Posted by ブクログ

    高橋源一郎が、「デビュー作にしたかった」「自分の中でひょっとしたら一番の作品かも」というだけある、記念碑な作品。

    おそらく、「変わったボール」を取り慣れない読者は、この作品を受け止めることが出来ずに「ただの気持ち悪い文章」だと思って投げ出すだろう。

    すばらしい小説には全てがある。エロも、グロも、哲学だって。


    リアルなものはあらずや?

    0
    2009年10月13日