高橋源一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最近はまっている高橋源一郎。
そんな彼の代表作と言っても過言ではない2002年伊藤整文学賞受賞作。
全編日本文学に対するパロディ。超パロディ。
高橋源一郎にしか出来ない芸当。
なぜか森鴎外に「たまごっち」をねだる夏目漱石。
伝言ダイヤルにはまり、ブルセラの店長になってしまう石川啄木。
啄木が超貧乏だったのは、女子高生と援助交際しすぎだからって設定になってたり。
私小説の極みに自著『蒲団』をAV映画として監督してしまう田山花袋。
花袋はカメラマンにこう言われる。
カメラマン「でも先生は『露骨なる描写』をやりたいとおっしゃった。先生がほんとにやりたかったのは『露 -
Posted by ブクログ
高橋源一郎、幻のデビュー作。
第一作として群像新人文学賞に応募して落選した『すばらしい日本の戦争』を少し書きかえて発表したもの。
僕個人的には『さようなら、ギャングたち』の方が完成度が高い気がするが、この作品も充分に素晴らしい。
『さようなら、ギャングたち』に劣るとは言えど、これは彼のデビュー作だ。
それを考えると、こんな作品をデビュー作でかける高橋源一郎はやっぱり天才だと思う。
『ギャングたち』にせよ、この作品にせよ、一度読んだだけでは完全に理解することは出来ないし、味わうことも出来ない。
『ギャングたち』の場合は、読み進めながら、加藤典洋の解説を読んで、読み進めて -
Posted by ブクログ
☆10個付けてもいいと思う。
明治の文学者達の小説でありながら作者自身が倒れた話(何故か胃カメラの写真付き)、テレクラに嵌りブルセラショップ店長になる石川啄木、チャットで話題になる斉藤緑雨、AVを撮る田山花袋、バブリーな北村透谷や島村藤村に樋口一葉、作者と育児談義を交わす森鴎外、「こころ」のKは誰だったのかなど縦横無尽で前代未聞の内容である。
しかしその根底には、二葉亭四迷や山田美妙らによって作られた「言文一致」を使って文学を生み出そう、生み出せるのか、いやもしかしたらそもそも文学など不可能ではないのかと苦しむ文学者達の群像が描かれている。「読み手」としては楽しめたが、素人ながら「書き手」であ -
Posted by ブクログ
☆3.5 センスを高めよポエム
インテリ源ちゃんの本なので、まあ一筋縄にはいかないよなと思ひつつ、読んだのですが、思ったとほりでした。
さいしょから猫田道子のヘンな日本語の小説『うわさのベーコン』や、(これはたしかにヘンで面白いのですが)途中の、AV女優のウンコ・マムコ文章、北朝鮮=ディズニーランド説をぶちあげるヤクキメ人の文章を引用してるのです。
もちろん村上春樹やケストナーなどの示唆的な文章も引用してゐるのですが、キョドってしまひますよね。常人には。
すみません。私が代はりに謝っておきます。
これが高橋源一郎です。
それに目をつむれば、まあまあ示唆的な文章ですよ。書き手にと