高橋源一郎のレビュー一覧

  • 転換期を生きるきみたちへ

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    高校生が文章を読むに当たり、基本的な考え方をあたえてくれる、良本。
    平川克美「人口減少社会について根源的に考えてみる」ではグラフの見方とともに、当たり前のようにように言われている言説について批判的な見方を示唆する。
    仲野徹「科学者の考え方-生命科学からの私見」ではパラダイムシフト、疑う、シンプルに考えるなど科学を発展させている考えが書かれている。
    白井聡「消費社会とは何か-『お買い物』の論理を超えて」ではボードリヤールの考えを援用し、いわゆる「消費」的な感覚が政治や教育にも適用させようとする現在の社会のゆがみと弊害を述べる。
    山崎雅弘「『国を愛する』ってなんだろう」では、政治的無関心が生む危険

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    2016年12月15日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    知人のおすすめ。

    冲方丁の「はなとゆめ」を読んだら、枕草子が読みたくなった。
    酒井順子ぴったりだなぁ。違和感なく読める。
    なんだか、ブログみたいですね。長さも内容もまちまちで。面白い。
    わかる!とか、言うねぇ、とか、にやにやしてしまう。
    教養。

    方丈記は、あとがきにもあったように自分たちの時代の言葉になっているのですごくわかりやすいし、それによって書かれた時代に読んだ人たちと同じような体験ができているのかなと思った。
    当時こういう発想や行動は、センセーショナルで、変人扱いされたんじゃなかろうか。
    横文字が出てくるような、一見ぶっとんだ訳が面白い。
    それにしても鴨長明さん、苦労人だったのです

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    2016年12月26日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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     東北の大災害と同じ時期に始まったのが、因縁を感じます。私には、見たことも、触れることもできないメディアから、埋もれてしまいそうな視点をすくいあげてくれました。怒りやすく、すぐに結論を求める現代の風潮に、立ち止まって、自ら考えることを思い出させてくれました。民主主義とは、システムではなく、ほかの人と向き合う姿勢が基本なのだ。「世界を、広く、深く、複雑なものとして見ることを忘れない」

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    2016年12月02日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    【読書メモ】

    p185
    ・何のために勉強するのですか?
    自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を言う。ただそのためだけに勉強するのです。山本義隆

    p190
    ・同じことを、違った側面から考える視点を与えてもらうためにディスカッションをするのです。当たり前のことですが、自分は自分の考えに染まりきっています。そこへ、違う刺激を与えてもらって、自分の考えを方向転換させたり、バージョンアップさせたりすることが重要なのです。

    p103
    ・科学がグローバルである最大の理由は、真実をあつかうからということです。

    …科学的な視点は予測できない社会を生きるうえでの全員にとってマストなものの見方なのかもしれ

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    2016年11月23日
  • さようなら、ギャングたち

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    「さようなら、ギャングたち」と名付けられた詩人と、「中島みゆきソングブック」と名付けられた一人の女性と、「ヘンリー4世」と名付けられた一匹の猫の物語です。

    詩であり、詩論であり、小説であるような作品、としか、私には読めないと感じました。おそらくもっと作品そのものに即した理解の仕方もあるのだろうと思いますが、このような観点から理解するのが精いっぱい、という感じです。

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    2016年11月06日
  • 一億三千万人のための小説教室

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    ところどころ、色気のあるフレーズがあって、それが琴線に触れる。あと、登場する小学生たち賢すぎないか?という素朴な感想もある。

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    2016年10月25日
  • 小説の読み方、書き方、訳し方

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    生活にストイックな点で、鴎外と村上春樹は似ている?
    アメリカ文学は自己意識の文学だったけれど、グローバル化の進行で、日本文学とも意識の上での差がなくなった?
    ごくわずかしかアメリカ文学に馴染みがないので、柴田さん、高橋さんというアメリカ文学の偉大な読み手を通してみると、また違う日本文学像が見えてくる。

    日本の文学が、現在の「ニッポンの文学」にへんしつする結節点にいるのが中上健次なのだとか。
    言葉が壊れているというのがその徴なのだそうだが…。
    翻訳文のリズムとか、言葉の壊れ方などは、どういうことかわかりにくい。
    できれば作品を引用してほしいところだ。

    最後の方に、二人がそれぞれ選んだ海外小説

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    2016年09月19日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    年代はあるにせよ転換期ということは認識しなければいけない。
    何でも吸収できる学生時代の脳は、なくした今になってほしくなるもの。無い物ねだりです。

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    2016年08月15日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    朝日新聞掲載の論壇時評を収録。色んなテーマから民主主義のあり方を考える。
    大変読みやすい、が大変難しい....
    「民主主義とは未完のプロジェクト」ドイツの思想家 ハーバーマス
    「生きている間は社会に責任がある」なだいなだ
    引用元が多岐にわたり、知識が膨大。

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    2016年08月13日
  • 民主主義ってなんだ?

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    話題のSEALDsと高橋源一郎の対談。
    ちょっと前過ぎて内容忘れた…。
    いいこと言ってた気はする。読み直そう。

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    2016年07月09日
  • 民主主義ってなんだ?

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    高橋源一郎とSEALDsのメンバーの対談による活動の起こりと展開。
    さらに、民主主義とは何か、歴史の変化を解説。

    安保法案に反対するデモで知られるSEALDs。
    どんな成り立ちでどんな人がいるのか?
    知らなかったので、興味深く読めました。
    名称の意味は、「自由と民主主義のための学生緊急行動」といったところなのですね。

    たまたま集まってきたメンバーそれぞれの個性。
    生真面目なばかりでもないのね。
    冷静で、無理がないのに感心しました。
    奥田愛基さんの生い立ちもすごいですね。
    親御さんが人並みはずれていて、「家にマザーテレサがいたらうっとうしいでしょ」って、確かに(笑)

    何万人もの普通の人たち

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    2016年05月28日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    高橋源一郎の作家としての作品は、読んだことがありません。
    テレビのコメンテーターとしての発言を見聞きしていた程度。
    まあ、リベラルな人だな、という印象。
    この本は、震災直後の2011年4月から2015年3月まで4年間、朝日新聞に月一掲載された「論壇時評」48編をまとめたものです。
    なので一編一編は短いし、言葉も平易でとても読みやすい。けれどその中身はとても濃く重く深く、示唆に富み、時に意見の相違は感じつつも、状況を見つめる視座には共感と感銘を覚えました。
    印象に残った部分を一つだけ。
    「人々が攻撃的になるのは、視野を狭くしているからだ。世界を、広く、深く、複雑なものとして見ることを忘れないよう

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    2016年05月27日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    新聞の時評に書かれたもののまとめということは最初におさえた上で読むが吉。感銘を受けた文章はいくつもあったが、さらっと読んでしまったためにこの本にあるたくさんの示唆をうまく咀嚼できなかったなあ、と読後に振り返ってる。本当は何度もじっくり読み返して、引用元にアクセスして、見識を深めていくための本だろう。

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    2016年05月06日
  • 民主主義ってなんだ?

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    作家の高橋源一郎氏と学生グループSEALDsの座談会。
    前半は、SEALDsの成り立ちと活動内容が、紹介されている。どの様な経緯で結成され、どのような理念を持っているか、SEALDsの活動をなんとなく知っていた程度なので、その辺の興味、疑問は埋められた。
    この本のメインである、民主主義とはなにかというのは後半部分で述べられている。
    民主主義とはなんだ?という疑問が持ち上がるように、民主主義という言葉の定義は人それぞれ違う。
    が故に、安倍首相のやっていることも民主主義といえるのだろう。
    納得いかないけれど、それを頭ごなしに違うというのも違うのだろう。
    アテナイの民主主義は、中央集権的な組織がない

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    2016年03月21日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    証言や証拠探しに、フィクション(小説)を使うという発想に驚いた。
    それが本当に在ったことでないなら、複数の作家があちこちで従軍慰安婦の姿を小説に書くだろうか?という、問いの立て方にこそ、作家である著者ならではの嗅覚を感じる。
    早速紹介されていた本を読んでみようと思う。

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    2016年02月26日
  • 民主主義ってなんだ?

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    その国の若者たちが
    どのような 存在で居られるのか
    どのような 言葉を発しているのか
    どのような 動きをしているのか

    その国の有り様を考える時には
    大事な条件である

    マス(集団)としてとらえられてしまって
    ああだ こうだ と 取り沙汰されるのではなく
    ちゃんと 一個の個人として
    顔も名前もある 一人の個人として
    その言葉を伝えてくれている

    私たちの この国の 明日を生きて行くのは
    まちがいなく この国の若ものたちなのです
    匿名でなく
    きちんと 発言している 彼らを
    応援したい

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    2016年02月15日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    【目次】ことばもまた「復興」されなければならない/非正規の思考/みんなで上を向こう/スローな民主主義にしてくれ/柔らかくっても大丈夫/「そのままでいいと思ってんの?」/一つの場所に根を張ること/「憤れ!!」/「憐れみの海」を目指して/民主主義は単なるシステムじゃない/冷たい世界でぼくたちはもがいている/〈東北〉がはじまりの場所になればいい/ぼくには「常識」がない/標的探しをする人びと/ぼくたちの「家族」はどこに? 一から創り出すということ/国も憲法も自分で作っちゃおうぜ/「社会を作る」ことは楽しい/「暴論」なんかじゃない/フタバから遠く離れて/被害者の度量、加害者の慎み/自民党改憲案は最高の「

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    2016年02月11日
  • ぼくらの民主主義なんだぜ

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    朝日新聞の論壇時評をまとめた本だったのね。
    道理で読んだことのあるような気がしたわけだ(新聞紙面で一度は読んでいるはずなのに、店頭で気づかなかった自分が不甲斐ない。)

    連載が始まったのは東日本大震災の直後。
    あの頃の衝撃、危機感が既に自分の中で薄れてしまっていたことに気づかされた。

    ISの後藤健司さんらの殺害、台湾のひまわり革命、特定秘密法案、シャルリーエブドへのテロ攻撃、日本で進む格差の再生産…。
    こんなにたくさんのことがあって、呆然としてしまう。

    自分にできることが全く思いつかず、ただただ情けなく思うばかりだった。

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    2016年01月23日
  • 民主主義ってなんだ?

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    読み終えて、タイトルの深さ(つまり民主主義の定義づけの広さや難しさ)をじわっと感じた。人を信じず縛るという立憲主義との関係性という視点が持てた。民主主義は面倒臭いもの、という湯浅さんの言葉を思い出した。
    民主主義という「価値」「制度」の混同に気づけたことなど、ほんの少しは「民主主義ってなんだ?」という問いの形が見えた気がする、そのきっかけとなる本。もちろん実践ありきなんだろうということも思う。

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    2016年01月28日
  • 一億三千万人のための小説教室

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    小説家の高橋源一郎による、小説の指南書です。

    みずからの小説の書き方を方法論として明示している現代の小説家には、著者のほかに保坂和志がいますが、どこまでも小説の中核をめがけて方法を絞り込んでいこうとする保坂に対して、本書は小説の臨界に迫っていくような印象があります。

    本書を読んですぐに小説が書けるようになるというものではないでしょうが、小説の途方もなさといったものが実感できるという点で、おもしろく読みました。

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    2016年02月12日