高橋源一郎のレビュー一覧

  • 高橋源一郎の飛ぶ教室 はじまりのことば

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    ノスタルジーとか郷愁を感じた。作者の昔話を読んでいるからかもしれない。過去の出来事と現在の出来事を自由に行き来して、自分なりに分類していて、人生経験の多さと、作者が若者ではないことを感じた。

    いくつも、面白いエピソードがあるけれど、心に残ったのは、家族の話。特に自分の父親や母親の話。

    もしかしたら、ぼくたちは、ある時期、たとえば十三や十四で「自分」というものになり、そこから先は、ほとんど変わらないのかもしれない。そして、いつかおとなになる、と思いながら日々を過ごし、ある日、突然、いた自分を見ておどろくことになるのかもしれません。

    実は、私もそう思っていた。自分の心の内が文章になっているよ

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    2023年03月13日
  • こどものころにみた夢

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    怖い夢、儚い夢、おもらしの夢…? 角田光代、石田衣良、島本理生、市川拓司、長野まゆみといった豪華作家らが美しい絵と共に綴る「夢物語」。『小説現代』連載に書き下ろしを加えて書籍化。

    実際に読んだのは文庫本ではなく古いほう。

    石田衣良や穂村弘のお話が印象的でした。そんな私は永遠の肛門期…。

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    2023年01月13日
  • 高橋源一郎の飛ぶ教室 はじまりのことば

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    ラジオを聴いていて、楽しみにしているので買いました。文章はそんなに上手いと思わないが経験に基づく内容がとても面白い。途中まで読みましたが、病院の待合で読もうとあえてとってあります。まあ、何度も読んでも楽しいと思いますが。私には作家だった伯父(地方でささやかな創作活動をしていた)がいましたが、面白い本や、子供の知らないふしぎな世界を教えてもらった気がします。子供には、親以外にも人生の楽しみや滋味のようなものを教えてくれる大人が必要だと思います。源一郎さんはまさにそんな感じの大人。こんなおじさんがいたら楽しかったなぁという気持ちで読んでます。

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    2023年01月10日
  • 居場所がないのがつらいです みんなのなやみ ぼくのこたえ

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    小説家高橋源一郎さんが、朝日新聞読者から寄せられた悩みに答える。
    酸いも甘いも(噛み分けた、じゃなくて)噛みつづけている高橋さんだからこそできうる回答だと思う。
    ときに厳しい回答もある、というか多い。
    ライオンが我が子を崖から落とす的な感じがある。
    相談者が気づいてない、相談者自身の傲慢さを、あえてはっきり指摘することで、気付かせる優しさ。
    こういう厳しい優しさって地獄を見てはい上がってきた人でないと示せない気がする。
    常に虐げられた立場の方を慮る姿勢に感銘を受けた。

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    2022年12月16日
  • 「ことば」に殺される前に

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    振り返ってみると、自分がTwitter を始めたのが2010年1月。ブログやmixiやFacebookにウンザリしていた自分にとって、しがらみも無く、自分の興味の対象である作家やミュージシャンの生の(と当時は思ってた)言葉をキャッチできるTwitter に一番興奮していた。本書に収録されている「午前0時の小説ラジオ」が始まったのが、2010年5月。それから10年以上経ってSNSは大きく様変わりしたけど、Twitter で出会った最良のもの(の一部)がここに再録されている。当時リアルタイムで読んだ感覚が少しだけ蘇ってきた。本当に貴重なものだと思う。

    この『メイキングオブ「悪」と戦う』以来、作家

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    2022年12月05日
  • 一億三千万人のための『論語』教室

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    考えなさい。
    正しく生きなさい。
    正直に生きなさい。
    そして、行動しなさい。

    たくさんの格言の中から自分が感じたポイント。

    知るだけでもダメ、行動しなければ。

    面白かった。
    極端に現代風な意訳。著者の政治的スタンスが垣間見れるのも楽しい。

    知った僕。
    次は行動だよな。

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    2022年12月03日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    読むまでは、「僕らの戦争なんだぜ」というのは「当事者意識を持てよ」という意味かと思っていたけれど、違った。大岡昇平『野火』の読みを通して、「僕ら」の前に、ある一本の線が引かれる。その線が引かれた後に読むことになる最終章の太宰論には、こみ上げるものがある。

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    2022年12月02日
  • NHK「100分de名著」ブックス 太宰治 斜陽 名もなき「声」の物語

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    太宰治の本を読まなきゃと思った。恥ずかしながら、何となく、きちんと読んでいなかった。この解釈をもとに読んでみたい。

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    2022年11月15日
  • 居場所がないのがつらいです みんなのなやみ ぼくのこたえ

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    毎週毎日新聞で楽しく読んでいます。
    人様の「悩み」を楽しむのも悪趣味ですが……

    著者の回答が絶妙で、ただ同情したりせず、きっぱりと非は非と怒っているところが好きです。

    それにしてもたくさんの相談者さん!
    「悩み」のなんと多いこと、
    そして、高齢の方が多いのに驚きです。

    ≪家族なんてちょっと一緒の船に乗り合わせただけ
    いつかは下船しなければならない≫
    ≪この世で一番残酷なことは忘れ去られること≫
    ふむふむ

    ≪ 生きていく 悩みの中から ほの灯り ≫

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    2022年11月05日
  • 5と3/4時間目の授業

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    感想を書かなきゃ。それも他の誰とも被らないような。

    森巣博の息子の話が出てきた。彼はパーソナリティ障害を患っていて、普通の方法では学校に通えなかった。だけど彼には特別な才能があって、伸び伸びとさせてくれる両親がいて、それから特例で大学入学を認めてくれるような制度ができて。その後の彼は名門校の教授を弱冠二十歳で務めるような人物に。完璧なハッピーエンド。


    だけど僕はこの話に、すごくモヤモヤする。

    「成功とは他の人の失敗を意味します」というアーシュラ・K・ル=グィンの言葉とも重なるけど、きっとそう上手くいく人ばっかりではないはず。パーソナリティ障害や、それに準ずるようなハンディキャップを抱え

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    2022年10月28日
  • 一億三千万人のための『論語』教室

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    ■ひとことで言うと?
    論語は「人」としての生きる道を指し示すコンパス

    ■キーポイント
    ・仁:私 < 公の精神
    - 「仁者」に至るのは困難だが、日々の生活で実践することはできる
    - 恭・寛・信・敏・恵の実践
    - 人を愛する
    ・礼:人間としての在り方
    - 社会を成立させる基盤(すべての基本)
    - 「己れに克ち、礼に復えるを仁と為す。」
    ・「剛毅木訥なるは仁に近し」
    - 強い意志があり かつ 素朴であること
    - 反対「巧言令色には、鮮いかな仁」
    ・「子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ

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    2022年10月25日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    【感想】
    非常に示唆に富む本だったと思う。本としては厚いが、文章が読みやすいため、すらすらと読める。様々な本や詩集等から引用がなされ、戦争というものを多角的な視点から見ることができる。戦争とは、こういうものだと広く一般化されている見方だけではなく、他国からの視点、教科書、詩集、大きな言葉ではなく、ぼくらの世界の中の小さな言葉で語られた戦争等多くの立場からの戦争の語られ方があった。
    この本で筆者は、こうこう語られてるけど、これはこういう立場で語られていて、こっちはこういう立場で語られているからこっちが正しいと主張しきる訳ではなく、読者に考えさせる、もしくは著者も考えている道中であり、経過なの

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    2022年10月18日
  • 失われたTOKIOを求めて(インターナショナル新書)

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    自分も行きたくなった。
    いつでも行けると思っていたら、突然行けなくなる(行きにくくなる)のだから、行ける時に行っておかなければ。

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    2022年10月03日
  • 男性作家が選ぶ太宰治

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    中村文則さんのエッセイを最近読んだので、その繋がりで読みました。

    太宰治の人となりについてはほとんど何も知らないので、読む前の勝手なイメージでは「気難しく人嫌い」な人かと思っていましたが、作品を読むと「ユーモアの感覚もあって、実際に話せばあんがい話好きな人だったんじゃないか」という印象を受けました。

    個人的に良かったのは富嶽百景の一場面で、天下茶屋の2階に寄宿している主人公が店の人間とも親しくなってきた頃、店の若い女性店員が1人で客の相手をしている時に、わざわざ1階に降りて隅でお茶を飲みながら遠巻きに見守ってあげているところです。

    そんなにあからさまな優しさを出す感じの主人公じゃないんで

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    2022年10月02日
  • 一億三千万人のための小説教室

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    銀河鉄道の夜の冒頭部分が引用されていた箇所がよかった。
    ジョバンニのように、他の人達と同じように世界を見ることができない「バカ」こそ、小説を書く資格を持っている。

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    2022年09月20日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    不安定な世相にこそ、氏の言葉に耳を傾けたくなる。そして氏も、本書の中では戦争前後にものされた作品に耳を傾けているから、二重に耳が傾けられとる訳やね。それはさておき、大きい声ならば、特に耳を傾けなくても否が応でも聞こえてくる。でもそんなではなく、自分事として考えて、積極的に耳を澄ましてみないと、なかなか聞こえてこない声もある。そしてそういう声にこそ、本当に聞く価値のある言葉が込められている。こういった氏の論旨は、今回も当然、変わることはない。それを求め紐解き、読み終えて少し安心する。

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    2022年09月09日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    よく見る想像しやすく触れやすいのは1章まで。

    それ以降は、慎重に慎重に、小さな声から思考を深める。

    じっくり読むことが要求される書であった。

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    2022年09月05日
  • 失われたTOKIOを求めて(インターナショナル新書)

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    現在の東京とは別に人それぞれの東京の思い出がある。作家が回想する私的東京探訪記。

    御茶ノ水文化学院、国立競技場、東京都庁、上野動物園、明治神宮、トキワ荘、ジブリ美術館、渋谷、皇居。

    それぞれ単発のエッセイでありどこからでも楽しめる。

    文体としては関川夏央に似ているがもう少しあっさりした文体。

    サラッと書かれているが、筆者の夜逃げ、少年鑑別所経験などプロフィールで述べられていない詳細が気になる。

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    2022年09月03日
  • 居場所がないのがつらいです みんなのなやみ ぼくのこたえ

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    2022/08/28予約 11

    7ヶ月以上待って読む本。

    「両親はわたしを信じたのではありません。嘘であるとこも知っていました。けれども、彼らはわたしを追い込みませんでした。彼らは「信じるという決断」をしたのです。誰かを信じるのは、その人が信じられるからではありません。その人を信じたいから、あるいは、信じる決断をしたからだとわたしは思っています。そして、その決断が、いつかその人に通ずると信じたいからです。見返りがなくても、裏切られても。「信じる」ことは「愛する」ことと同じなんですよ」

    これを自分の子どもには心がけなければ。

    家族は一過性の集合体。
    子どもが巣立つときには執着しない。

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    2023年04月10日
  • 「ことば」に殺される前に

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    「限りなく、弱々しいかもしれないが、わたしは「自分の考え」で判断したかったのだ。仮に、その判断が間違っていたとしても。」
    「(批判は、愛の成就のような繊細さを持って、行うべし」

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    2022年08月24日