高橋源一郎のレビュー一覧

  • 読んじゃいなよ! 明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ

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    最後まで読めた。編者の高橋氏の頭の柔らかさ(適度ないいかげんさ?)がうらやましい。伊藤比呂美の文章はさすが。わかりやすく気持ちが没入できるかんじ。

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    2024年02月07日
  • だいたい夫が先に死ぬ これも、アレだな

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    本を永く読んでいると
    「ああ、この本の感覚は、あの本を思い出す」
    ということになります。

    このエッセイはそんな感覚を本だけに限らず、マンガ、映画、ドラマなどのジャンルに踏み込んでいて、なかなかにユーモアセンスのよろしく、よみごたえありました。

    というか私がマンガ、映画、ドラマをまり観ていないなあ、と気づかされ今年はそれもやってみようと。

    私が読んだ本もあるし「そうそう、それだ!」と、読みたい本も見つかりました。

    最後のChatGTPの章はちょっと泣けましたね、こういう感想やブログを頑張らないと、わたしが私であることを忘れそう~と。間違っても「代わりに書いて」とは言いたくありませんよ。

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    2024年01月09日
  • 君が代は千代に八千代に

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    ご本人があとがきに書かれているが、びっくりした。言葉は平易、テンポが良く無駄のない短文でとても読みやすい。が、登場人物はことごとくロクでもなく、エログロな描写が少なくない。でもそれは都市生活者のある面を強烈に照らしてもいて、読み進めながら果たして自分は「まとも」といえるのだろうかと揺さぶられる感じがした。
    おもしろく、とても示唆的に読めたけど、他の人には積極的におすすめしにくいなあ。

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    2024年01月08日
  • こどものころにみた夢

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    文章と絵で綴られた「こどものころに見た夢」をテーマにした短編アンソロジー。夢の世界は辻褄が合わないような不思議な光景、場面展開が見られるけれど、現実とぜんぜん関連がないわけではないですよね?その夢と現実との繋げ方というか絡め方が12人の作家ごとに違うのが面白いです。これは夢の中?と読んでいて戸惑うものもあり。え!これ現実に起きたこと?というものも。ミステリーあり、サスペンスあり、ロマンスあり、回顧録あり、お笑いあり…一つ一つは短いけれど、なかなかに濃い内容でありました。歌人の穂村弘さんのお話が一番印象に残りました(爆笑でした)。

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    2023年12月26日
  • 一億三千万人のための『歎異抄』

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    親鸞が現代にいたらこう話すのだろうと思うくらいわかりやすく書かれている。
    ただ平易な言葉だからこそやっぱり解釈が人によって変わってしまうのは当時も今も同じかと思う。
    作者があとがきで解説したくなってしまう気持ちがすごく理解できる。

    悪人正機の私の理解。
    世の中には良いことを言う人、良いことをする人がいてみんなから尊敬されている。
    そして多くの人がそうなりたいと願い、そうしようと努力する。
    それではダメだ、むしろ害になると喝破したのが親鸞。

    良い事悪いことなんて人間にわかるわけがないし、仮にわかったとしてもみんなに対して良いことなんてできるはずがない。人間なんて弱い存在=悪人だと認める事こそ

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    2023年12月10日
  • だいたい夫が先に死ぬ これも、アレだな

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    サブタイトルが無いと、あの本の続編だと気付かずにスルーするところでした。あとがきにもあるように、シリーズ化される可能性が濃厚のようで、定期的に氏のコラム集に触れられるのは素敵。いちおうブックガイドだけど、取り立てて読みたくなる本が見つかる訳でもない。そういう目的ではなく、視点の動かし方のコツというか、斜めから作品を見る業の妙というか、そういったものを堪能したくて読む。今回もそういう意味で満足度高し。

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    2023年09月04日
  • 読んじゃいなよ! 明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ

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    岩波新書はとても難しいイメージで手にする機会がなかった。とても軽いお誘いを受けるかのような題名だったので、読んでみようと思いレジに向かったのがこの本との巡り合いだ。
    感想としては、岩波新書の本で自分が興味ある分野の本をもっと読んでみたいなという気にさせてくれる本だった。
    この本は大学の講義の一貫として3人の著者を招いて哲学、憲法、人生相談について明治学院大学の学生さんが、それぞの著者の作品を読んで自分たちが感じた事を赤裸々に話し合う場を記録に収めたものであった。また、各学生さんが他の岩波新書の本を読んでの感想が掲載されていた。堅苦しくなくざっくばらんな感想なので、岩波新書のな堅苦しさを崩してく

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    2023年09月05日
  • この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた

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    ロッキング・オン社長、渋谷陽一責任編集の雑誌『SIGHT』(1991年〜2014年)の年末恒例特集として組まれていた高橋源一郎・斎藤美奈子対談の再録(2011年〜14年)、19年の『すばる』誌での対談、21年の語り下ろしを収録。
    『サイト』誌上の書評対談といえば大森望と北上二郎の「読むのが怖い!」が名物企画であったが、当時の編集者曰く「取り上げられている本を一切読まなくてもおもしろい」つまり、「読み物を論評する」を超えて、「これ自体がおもしろい読み物である」というわけだが、この本にも十分当てはまる。副題にある「読んでしゃべって社会が見えた」気分にさせてくれる。
    【蛇足】高橋「2009年に民

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    2023年08月20日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    戦争について考えさせる。

    母親が満州からの引き揚げ者だったこと、大阪で祖母が父を連れて飛行機からの射撃の玉から命がらがら逃れたこと、広島原爆当時福山にいて被害者を見ていること。
    断片的にしか聞いていなかったが、今は聞くことが出来ない。
    人間の長い歴史にすれば、ほんの少し前のことだ。
    そして残念ながら、歴史は繰り返されるものだ。

    教訓を得る、学習する。
    賢いホモサピエンスの頭脳であれば、容易いことのはずなのに。

    本書では、戦時中の作家の活動も伺えるが、基本は大きな流れに抗う人は少なかったようだ。
    そして現在。教科書の近現代の歴史の記述だが、日本と中国や韓国との内容対比が、心をざわつかせる。

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    2023年08月17日
  • ジョン・レノン対火星人

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    なんとも自由な小説。哀しい物語。
    何が何だか分かりませんでしたが、スラスラと読めてしまう面白さがありました。

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    2023年08月16日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    「ことば」の持つ大きな力。
    強い、人を支配する、人々を大きな目標に駆り立てるために使われる「ことば」。個人的な経験や記憶から導き出された「ことば」。「ことば」は人の心や体を動かしていく。

     ニッポンの人たちは、どんなふうに「ことば」を使ったのだろう、とりわけ、「戦争」というような特別の期間には。
    そのことがわかれば、ぼくたちは、いま自分がどんな「ことば」を使っているのか、あるいは、使うべきなのか、あるいは、使わされているのかを知ることができる。

     髙橋さんはまず、たくさんの教科書を読む。戦時下の日本の教科書では、かたき討ちの話や良い日本人の定義や、国民としての覚悟など、どの教科書も、戦争に

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    2023年08月12日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    ネタバレ

    雑多な本。
    問いかけと投げ出しと思索の途中段階とが乱れている。
    だが、考えようとするとごたまぜにならざるを得ない事柄があるので、むしろ誠実な作りだと感じた。

    @ 以下コピペだが、【 】はメモを挿入。

    ◯戦場なんか知らなくても、ぼくたちはほんとうの「戦争」にふれられる。そう思って、この本を書いた。
    ◯教科書を読む。「戦争小説」を読む。戦争詩を読む。すると、考えたこともなかった景色が見えてくる。人びとを戦争に駆り立てることばの正体が見えてくる。
    ◯古いニッポンの教科書、世界の教科書を読み、戦争文学の極北『野火』、林芙美子の従軍記を読む。 太宰治が作品に埋めこんだ、秘密のサインを読む。戦意高揚の

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    2023年08月12日
  • 一億三千万人のための小説教室

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    これから小説を書こうとする人に向けた指南書。ただ、「書き方」を教えるというよりも、一小説の書き手として、小説を書くとはどういうことかを伝えようとした本、という印象で、とても好きな本だった。
    著者は、「私の知っている限り、『小説教室』や『小説の書き方』を読んで小説家になった人はひとりもいません」と言い切った上で、その理由を、「小説家は、小説の書き方を、ひとりで見つけるしかないから」だとする。それぞれの章では、自分の小説の書き方を見つけるコツとなる習慣や考え方を説明していく。

    「小説に書けるのは、ほんとうに知っていること、だけ」「自分について書きなさい、ただし、ほんの少しだけ、楽しいウソをついて

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    2024年03月27日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    多くの引用と作者の意見とが交互に出てくる構成。原文を読んでおきたくなる。少し細切れに読みすぎたので、再読したい。

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    2023年07月15日
  • 一億三千万人のための小説教室

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    小説の書き方というより、執筆に向けた準備をさせてくれる一冊。
    技法ではなく、そもそも小説とは何なのか、何が必要なのかを子どもを諭すように教えてくれる。

    抽象的すぎていたり、納得のいかない部分もあった。しかし、長い目で見れば、読んでおくべき一冊だと思う。殊に、レッスン6と7は非常に有意義ではないか。

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    2023年06月27日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    新書のわりに分厚い。480ページもある。
    余談・独り言(!)・引用箇所の量もさることながら、やたらと著者の「問いかけ」にぶつかるのだ。
    それらに対してたまに自答されることはあっても(それがまたごもっともな回答だから正直自分には入る余地がなかった笑)、基本的には読者参加型の形式を取っていた。

    昨年のウクライナ侵攻を受け、各地で反対の声が上がった。
    しかし、正直なところ当時の自分はモヤっていた。胸はザワついたが、現地に知り合いが、身近に避難民がいるわけでもない自分が気軽に「戦争反対!」を叫んで良いものなのか。安全地帯の自分が反対を表明しても結局他人事みたいに虚しく響くだけでは…?それ以前に自分は

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    2023年06月03日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    あの時代の戦争について、教科書、小説、詩から見えてくるものを著者と共に一緒に考える。読みやすく書かれているが内容は濃い。ふわっと生きていると気づかないことに気づかせてくれる。特に教科書が「国家の声」であることに改めて怖さを感じている。

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    2023年05月27日
  • ぼくらの戦争なんだぜ

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    やはり、どんなことがあっても戦時中という日常はあって欲しくない。
    これまでの五十数年、折々に思ったことはあっても、言葉を選ばなければいけない本しか読めないことまであまり深く考えたことはなかったと、この本を読んで身につまされたように思う。
    小学生の頃、あれは学校の映画鑑賞会だったか、はだしのゲンの実写版を観て、三國連太郎が演じたゲンの父親?が非国民と罵られる一幕が何故かそれだけ脳裏に残ってるのだけれど、その映画を観た帰り、家の近所まで来た時に強く風が吹き、何故なんだか小さい秋の歌がずっと頭に流れてる、そんな風景がやたら残ってるんだよな。

    とにかもかくにも、戦争はやられてもいけないしやってもいけ

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    2023年04月13日
  • これは、アレだな

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    ■ Before(本の選定理由)
    気になるタイトル、と思いなんの先入観もなく読み始めた。

    ■ 気づき
    物事の抽象化が上手く、例えが秀逸な名人芸という印象。(つまり、こうだね。これは、アレだな。)
    全く接点の無い物が繋がって見える。とても贅沢で、本という形でこんなに安く触れられるのラッキーと感じた。

    ■ Todo
    滝沢カレンのレシピ本に谷崎潤一郎を見出したり、鬼滅の刃に宮沢賢治を見出したり。具体と抽象の宝箱。私もこうなりたい。

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    2023年04月13日
  • 高橋源一郎の飛ぶ教室 はじまりのことば

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    NHKラジオ番組の「飛ぶ教室」は時々聴いている。興味深い本が紹介されたり、ゲストの話がとても良かったり(伊藤比呂美さんのお話は本当に面白かった)、落ち着いて聴ける番組だと思う。本書は、その放送の最初のおしゃべりをまとめたもの。やはりあれは、ちゃんとしっかり考えた原稿だったのだ。短くてもの足りない時もあるけれど、味わい深いものが多い。

    ・指揮者ベンジャミン・ザンダーがTEDカンファランスで行った講演で、アウシュビッツ収容所の生き残りの女性の言葉を伝えていた。彼女は15歳の時アウシュビッツに連れてこられた。その時一緒に来た8歳の弟が靴をなくしたのを見て「なんてバカなの!」と言ったが、これが彼女が

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    2023年04月08日