高橋源一郎のレビュー一覧
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「SIGHT」年末恒例企画「ブックオブザイヤー」は愛読していた。雑誌が休刊してしまって残念至極。どこかでまたやってほしいなあ。高橋源一郎さんと斎藤美奈子さん、最強コンビの一つだろう(豊崎由美さんと大森望さんというのも好き)。お二人の場合、小説などを論じつつ、その作品が書かれ読まれる社会的意味に斬り込んでいくところに特徴がある。
後半の長い対談は、平成を(さらには昭和を)俯瞰する視点で話されていて、なるほどなあと思うところが多かった。確かに文学は社会の鏡であり、しかもそれは時間がたってから鮮明な像を結ぶものなのだと納得させられた。
個々の作家についての評がやはり読みどころ。言われてみれば本当 -
Posted by ブクログ
1.なぜ相変わらず私達国民はメディアや政府に騙されてしまうのか、対策はないのか、を考えるために読みました。
2.現代メディアは「単純化」という罠仕掛けてあらゆる情報を分かりやすく伝えています。ゆえに、視聴者は飛びつきやすく、自分が考えなくても「考えた気になってしまい」、結果として手のひらで転がってる状態になってしまいます。
本書では、4人の著者が自身のオススメの本を通して、日本のメディアがどのようにして国民に情報提供をしてきたのか、そして、国民がどう変化してしまったのかを述べています。
3.「真実は伝わりにくく地味であり、嘘は単純で分かりやすく伝わる」ということを普段から心がけて情報収集に -
Posted by ブクログ
天皇そして憲法、朝鮮と韓国、さらにコロナ禍。これらについて、きちんと立ち止まって考えるということがないから、この本は確かに「たのしい」知識が満載だった。憲法9条は変えるべきなのか、変えないとしたらなぜなのかが少しわかった気がするし、日本人は、韓国、朝鮮の人たちと立場があの時変わっていたら、どう感じていたんだろうか、コロナはまたオミクロンが猛威を振るってあっという間に東京は13,000人を超えてしまった今日、この三つだけでなくさまざまなことを考え、考えたいのか考えなければいけないことだから考えるのか、わからないけどそういうことが満載の毎日をこれからも繰り返して行くんだな…
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Posted by ブクログ
ネタバレななめ読みなんで一部抽出した感想です。
これは著者の文章観を紹介する本だ。
いい文章とは何かを生き生きとした文章を通して感じる事ができた。
-1番うまい現代の作家は、スティーブジョブズだ-
このフレーズに続く「スティーブ・ジョブズのプレゼンの書評」の書評が最も印象に残った。
プレゼンではストーリーを話せ、と会社のSVによく言われる。
聞き手は内容も知りたいが、聞く事自体を楽しみたがっているからだそうだ。
なるほど…。これは仕事に限らずだよな。面白かったことを伝わるように伝えたい欲求は誰にでもあるんじゃないかな。
ならば、日常のカケラを拾い集めてギュッとピシッとできる技術を俺は身につけて -
Posted by ブクログ
メディアの功罪がいくつか語られているが、最も罪深いのが「単純化」だ。ネットの世界も同じだが、単純化しないと新聞が売れないし視聴率も取れない。「わかりやすくお伝えします」というのは紙面リニューアルやニュースの新番組で聞かれる決まり文句だが、それが良いことだという共通理解がある。とんでもない。わかりやすく伝えるという事は、細部を意図的に切り捨てていくことだ。世の中そんなにわかりやすくはできていない。こうして大多数の国民から、どんどん複雑なことを理解する能力や耐性が失われていく。メディアが単純化しているのは彼らに事実を伝える情熱が欠けている事のほかに、それが求められていないからでもある。一方的にメデ
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Posted by ブクログ
4人の論客がそれぞれ一冊ずつ名著を引用しながら議論を展開する。内容はメディアと社会の関係性、その歴史、そして今後のメディアの展望。個人的には近代小説が近代国家の解説に加担したという部分が興味深い。文語から口語へ移ると同時に、文字が知識人階級から大衆へと解放されていく。魯迅の白話運動はその典型だろうか。そういう意味で近代国家は知識人階級と大衆を同等に扱うことによって成立している仕組みとも考えられる。メディアに影響されやすい性質を内在する大衆が中心を担っている社会であるからこそ、メディアによる煽動や忖度など、社会の中に存在する危険性には注視する必要がある。