【感想・ネタバレ】ぼくらの民主主義なんだぜのレビュー

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Posted by ブクログ

学校教育の授業の現場で扱いにくい話題は、性、宗教、そして政治。それは塾でもさほど変わらない。入試過去問題の文章にそれらが扱われていても、何となく回り道せざるを得ない(平安古文なんか大変!)。しかし、日常の会話でも取り上げにくいそれらこそ、実は、教育の現場で語られるべきものだとも思う。オープンに議論するという土壌のないこの国で、民主主義を考える機会が確保されていると言うことはできない。◆この本は、朝日新聞に月一回掲載の「論壇時評」の最近四年分をまとめたもの。扱われる言説の範囲はいわゆる「論文」だけにとどまらず、雑誌の記事やインターネット上の発言、YouTube の動画までに及ぶ。難しい言説だけを取り上げて高所から見下ろすのではない、著者の柔らかな姿勢が伝わってくる本だ。◆一冊の本としてあらためて読むと、著者の一貫した姿勢が伝わってくる。戦争の過ちと犠牲の上にようやく作り上げてきた民主主義を、現代の私たちが大切にしていない事実を考察する。「反知性主義」とも言われる、ヘイトスピーチやバッシング、国家全体の右傾化が、民主主義を虚構に過ぎないと暴こうとする。しかし、それらの「思想」もまた、自己肯定のための虚構に過ぎない。どちらを「現実」として選択するかは、私たち次第なのだ。戦後七〇年を迎える今夏、この本を、学校の夏の課題に埋もれることなく、「ぼくらの」という言葉の意味を、自分の頭で考える契機としてほしい。(K)

紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2015年6月号掲載

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2024年02月23日

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「そこには常にそれ以上のことがある」このスーザン・ソンタグのことばに集約されているように思う。右だ左だリベラルだ保守ださらには善と悪、愛と憎しみなど、およそすべての単純な二元論で結論してはいけないということだ。かといってニヒリズムや相対主義、その他思考停止は、決して許さないという立場。
一見飄々とした高踏に見えるかもしれないが、実は静かにここまでできての知性主義と迫ってくるのを随所に感じる。どこまでも広げる想像力と深い思考、これらに瞬時の行動とコミットメントを要求されているのだ。あとがきを読めばそれは著者自身があえて踏み込んでいった姿勢というのがわかる。
知的であること、肝要であることのこれほどまでに過酷であることを知る。
「私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても、国と国との関係においても」美智子皇后つまり現在の上皇后のすさまじいとも感じる言葉。この本当の意味の知性に満ちた文章を得られただけでも貴重であった。

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2020年04月19日

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1762年3月、ひとりの新教徒が冤罪によって処刑された。それを知ったヴォルテールは「人間をより憐れみ深く、より柔和にしたいとのみ念じ」不滅の『寛容論』を書いた。ヴォルテールが見た光景は、わたしたちがいま見ているそれに驚くほどよく似ている。
ヴォルテールは終わり近くにこう神に祈りを捧げた。「どれをとっても完全ではないわれわれの言語、すべて滑稽なわれわれの慣習、それぞれ不備なわれわれの法律、それぞれが馬鹿げているわれわれの見解、われわれの目には違いがあるように見えても、あなたの目から見ればなんら変わるところのない、われわれ各人の状態、それらのあいだにあるささやかな相違が、また『人間』と呼ばれる微小な存在に区別をつけているこうした一切のささやかな微妙な差が、憎悪と迫害の口火にならぬようお計らいください」
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意見というものの困った点は、私たちはそれに固着しがちだという天である…何事であれ、そこにはつねに、それ以上のことがある。どんな出来事でも、ほかにも出来事がある
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明るい希望がないなら、せめての希望は、自分を受け入れない豊かな社会が壊れる情景を見ること、となるだろう
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高橋源一郎さんの小説というのは、「ジョン・レノン対火星人」と「悪と戦う」しか読んだことがありません。どっちも、興味深くはあったし、唐突な感動があったのだけど、とっても好きかと言われるとそうでもないかなあ、というのがそのときの読後感。(だからあまり読んでいません)
のだけど、現実政治社会的な事件へのコラムニスト的な発言や、NHKラジオ金曜日の「すっぴん!」のおしゃべりを聞いているとなかなか好きだなあと思います。
と、言うわけで衝動買いした新書本。
高橋源一郎さんが新聞に1年くらいか書いたコラムをまとめたもの。コラムの意味合いとして「現実の社会政治的な出来事」と「それと向き合う言葉」みたいなテーマが通底しているようです。
東日本大震災があった年のものなんですね。そこまで知らずに買いました。なかなか胸が潰される暗い内容が多いなあと若干はじめ辟易したのですが、短い完結した文章の連続で読みやすいのと、悲観的なだけではなく「こういう本があるんだあ」「こういうことがあったんだ」などの「へーなるほど度」がかなり高かった。
豊富でタフな高橋さんの情報摂取と選択と語り口のお陰で、大変に満足な一冊。
普段いろいろ不勉強なので、素直に勉強になりました。
オモシロカッタ。
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それから、最後のコラムで、菅原文太さんの晩年の社会的なことへの対話活動が紹介されてた。
たまたま最近「仁義なき戦いシリーズ」を見直して大変に面白かったのだけれども、コラムで高橋さんも、その映画と笠原和夫さんのスバラシサに触れていて、「そうそう」と思ったりしました。原爆から始まって、原爆に終わる。
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以下あくまで自分の備忘録。メモ。とりとめもなく。
○城南信用金庫の「脱原発宣言」
○結局何もしなかった。そのつけは、もっと若い誰かに回されるのだ。
○東京外大の翻訳プロジェクト「日本語で読む中東メディア」。一大学の献身的な努力で成立しているこのサイトでしか、中東のメディアの意見を知ることができない。これだけ中東の脅威というのが政治的に利用されているのに。
○労働者がカイシャインになる。「被ばく量が多い仕事は下請に出して欲しい」
○被ばく量の多い労働に就く人の姿は、「電力の消費地帯としての東京」からは見えない。
○透明性がなければ民主主義国家ではありません。民主主義は原子力エネルギーを使う必須条件です。
○「奴隷貿易、搾取略奪収益」の乗った先進国の船を襲った海賊たち。ウィキリークスはそれと変わらない。
○ヴェルヌは科学技術の粋を集めた人工島が人間関係のもつれで崩壊することを描いた。
○「通販生活 秋冬号」。1日も早く、原発国民投票を、と書かれた。CMが民放テレビから拒否された。
○トッド「自由貿易と民主主義は長期的に両立しません」
○ヘブライ語の「救済」の語源。「抵当を買い戻すこと」
○卯月妙子さん「人間仮免中」
○保守政党の差異性までもが消失してしまったため、人々の政治的情念がより原理主義的な方向に向かうようになった
○建前と現実の乖離を「やる気」で埋めるという発想。かつての日本陸軍。
○制度として、市民自らが政治に参加しようにも参加できない仕組みが構造化されている。世界一高い供託金のルーツは1925年に制定された普通選挙法に行き着くが、それは当時の無産政党の国政進出を阻むためだった。
○オリンピックは「愛国」という「物語」がもっとも活躍する場所の一つでもある。
○民主主義とは、意見が通らなかった少数派が、それでも「ありがとう」ということのできるシステム。台湾の学生国会占拠。
○東洋経済新聞、石橋湛山。
○菅原文太さんの晩年の対話活動。「知らない」から始まる対話。

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2017年01月31日

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民主主義とはなんぞやと、深く示唆された内容ばかりで、勉強になった。自分なりの民主主義あみつけるために、何度も読み返すに値する本なのかもしれない。なんか明日からがんばろうかなと思うのは私だけだろうか?

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2016年02月13日

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これは素晴らしかったです。色んなところ(大半がいわゆる”小さい声”)から引用されていて、その視点の広さにも脱帽。で、引用文に占められる部分も大きく、実際に傍線を引いたのも、どこかからきたカッコとじの文章が多かったけど、そのいちいちが十分に咀嚼されていて、そしてきっと実際にはその何倍・何十倍もの資料に目を通されているからこそ、著者の本音として感じられるのも良かった。”ぼくらの民主主義”って、何かイイっすね。ちょっとワクワクする言葉だと思うし、頑張らなきゃって、わが姿勢が正されます。

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2016年01月19日

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民主主義とは結局少数派が多数派に従うことなんだが、それでも少数派が「分かった、ありがとう」と納得出来るような説明が欲しいんだ。

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2015年12月24日

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2022年に読むことで「忘れてしまうこと」への危機感をより一層強く感じる。
自分自身は「忘れてしまうこと」で日常に再び安住していないか?
忘却に頼って良いものと忘却という選択肢を与えてはいけないものがある。9.11や3.11に代表されるような悲劇は後者であるが日本人は積極的にそれらから目を逸らしてはいないだろうか?

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2022年03月09日

購入済み

げんいちろー!

流石の一言、高橋源一郎てある
民主主義をオカタク説明ではない。彼本来のべらんめいでバシバシ切るのは爽快

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2021年07月04日

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『恋する原発』を読んだ時は
よく分からなかったけど。

現代の社会が直面する多種多様な問題を、
具体的な人名やその人物の発言を挙げながら
独自の視点で紐解いていく。

そして、それぞれの問題の間にある繋がりや
関係性、根底にあるもの。
それらについて読者に分かりやすいように、
著者自身の考えを語りかけている。

そうだ、私たちの民主主義なんだ。
もっと関心を持って、もっと知って、
自分の民主主義に参加しなければ。
「知らない」ことにも希望はある。

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2021年06月19日

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2011年から2015年にかけて、『朝日新聞』の「論壇時評」に掲載されたエッセイ
久しぶりに「核」のある本を読んだかな
民主主義、なんか空気みたいになってしまって
これではダメじゃん
でもでもあまりにもいろんな問題が次々に
自分の立ち位置がゆらゆらするの

≪ 耳すませ 小さな声に 目をひらけ ≫

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2018年11月25日

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2011年から2015年にかけて、『朝日新聞』の「論壇時評」に掲載されたエッセイをまとめた本です。

本書で展開される議論には大きな感銘を受けたのですが、それは必ずしも個々のテーマについての著者の「主張」に賛同するという意味ではありません。むしろ、冷静でいることが困難な時代に正気を保つための著者の「スタイル」に感銘を受けたと言ってよいと思います。「ぼくらの民主主義なんだぜ」というタイトルは、まさにそうした「スタイル」を端的に言い表わしています。著者がここでおこなっているのは、「制度としての民主主義」を学んだり批判したりすることではありません。著者が本書を通じて読者に示しているのは、自己の想像力を超えた他者の声を聴き取ろうとする「スタイル」としての、「ぼくらの民主主義」なのではないでしょうか。

「論壇時評」という性格のため、本書には数多くの文献が参照されていますが、それらは著者の意見を補強するために担ぎ出されているのではないはずです。著者は、そうしたさまざまな声に耳をそばだてているのであり、読者に感銘を与えるのも、そうした著者の振る舞いなのではないかという気がします。

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2017年04月18日

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ますます偏狭に・攻撃的に・他人にやさしくなく・敵か味方か二者択一的に・物事を深く考えなくなってきている日本の在り方に警鐘をならしている。
時期的に原発やデモなどが中心になっているが、著者が本当に言いたいことはそんな表層的なことではない。たとえ主義主張に共感できずとも、真摯に読み込みたい1冊だった。

美智子皇后の言葉は、知性というものの在り方について、胸に突き刺さる。

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2017年03月04日

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 東北の大災害と同じ時期に始まったのが、因縁を感じます。私には、見たことも、触れることもできないメディアから、埋もれてしまいそうな視点をすくいあげてくれました。怒りやすく、すぐに結論を求める現代の風潮に、立ち止まって、自ら考えることを思い出させてくれました。民主主義とは、システムではなく、ほかの人と向き合う姿勢が基本なのだ。「世界を、広く、深く、複雑なものとして見ることを忘れない」

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2016年12月02日

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朝日新聞掲載の論壇時評を収録。色んなテーマから民主主義のあり方を考える。
大変読みやすい、が大変難しい....
「民主主義とは未完のプロジェクト」ドイツの思想家 ハーバーマス
「生きている間は社会に責任がある」なだいなだ
引用元が多岐にわたり、知識が膨大。

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2016年08月13日

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高橋源一郎の作家としての作品は、読んだことがありません。
テレビのコメンテーターとしての発言を見聞きしていた程度。
まあ、リベラルな人だな、という印象。
この本は、震災直後の2011年4月から2015年3月まで4年間、朝日新聞に月一掲載された「論壇時評」48編をまとめたものです。
なので一編一編は短いし、言葉も平易でとても読みやすい。けれどその中身はとても濃く重く深く、示唆に富み、時に意見の相違は感じつつも、状況を見つめる視座には共感と感銘を覚えました。
印象に残った部分を一つだけ。
「人々が攻撃的になるのは、視野を狭くしているからだ。世界を、広く、深く、複雑なものとして見ることを忘れないようにしたい。」

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2016年05月27日

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新聞の時評に書かれたもののまとめということは最初におさえた上で読むが吉。感銘を受けた文章はいくつもあったが、さらっと読んでしまったためにこの本にあるたくさんの示唆をうまく咀嚼できなかったなあ、と読後に振り返ってる。本当は何度もじっくり読み返して、引用元にアクセスして、見識を深めていくための本だろう。

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2016年05月06日

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証言や証拠探しに、フィクション(小説)を使うという発想に驚いた。
それが本当に在ったことでないなら、複数の作家があちこちで従軍慰安婦の姿を小説に書くだろうか?という、問いの立て方にこそ、作家である著者ならではの嗅覚を感じる。
早速紹介されていた本を読んでみようと思う。

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2016年02月26日

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【目次】ことばもまた「復興」されなければならない/非正規の思考/みんなで上を向こう/スローな民主主義にしてくれ/柔らかくっても大丈夫/「そのままでいいと思ってんの?」/一つの場所に根を張ること/「憤れ!!」/「憐れみの海」を目指して/民主主義は単なるシステムじゃない/冷たい世界でぼくたちはもがいている/〈東北〉がはじまりの場所になればいい/ぼくには「常識」がない/標的探しをする人びと/ぼくたちの「家族」はどこに? 一から創り出すということ/国も憲法も自分で作っちゃおうぜ/「社会を作る」ことは楽しい/「暴論」なんかじゃない/フタバから遠く離れて/被害者の度量、加害者の慎み/自民党改憲案は最高の「アート」だった/選ぶのはキミだ 決めるのはキミだ 考えるのはキミだ/「壁」にひとりでぶつかってみる/大きな力に立ち向かう/なんだかおかしい/膝がくっつくほどの距離で/ぼくらはみんな「泡沫」だ/悲しみを受け継ぐ旅へ/戦争を知らない世代こそが希望なのか/甘えているわけじゃない/あるひとりの女性のことば/「考えないこと」こそが罪/DV国家に生まれて/ぼくたちはみんな忘れてしまうね/新しい「物語」はまだ/新しい幸福の形はどこにあるのか/わたしたちは自ら望んで「駒」になろうとしているのかもしれない/ぼくらの民主主義なんだぜ/「アナ雪」と天皇制/現実はもっと複雑で豊かだ/想像する、遠く及ばなくとも/〈個人的な意見〉「愛国」の「作法」について/支配と服従が横行する国で/記憶の主人になるために/クソ民主主義にバカの一票/そこはつねに、それ以上のことがある/「怪物」は日常の中にいる/「知らない」から始まる

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2016年02月11日

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朝日新聞の論壇時評をまとめた本だったのね。
道理で読んだことのあるような気がしたわけだ(新聞紙面で一度は読んでいるはずなのに、店頭で気づかなかった自分が不甲斐ない。)

連載が始まったのは東日本大震災の直後。
あの頃の衝撃、危機感が既に自分の中で薄れてしまっていたことに気づかされた。

ISの後藤健司さんらの殺害、台湾のひまわり革命、特定秘密法案、シャルリーエブドへのテロ攻撃、日本で進む格差の再生産…。
こんなにたくさんのことがあって、呆然としてしまう。

自分にできることが全く思いつかず、ただただ情けなく思うばかりだった。

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2016年01月23日

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民主主義は、最終的には多数決だけど、ちゃんと他の意見にも耳を傾けることなんだよな。今の自民党はそうじゃないよな。
立憲主義もよく理解していないようだし。

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2015年11月12日

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20151107 考え方の違いは視点の違いでもある。固まってしまった考えを変えるのに良い本。少しずつでも理解するまで考える癖を付けたいと思った。

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2015年11月07日

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「人間は考える葦である」
を 改めて 思った

その場に立ち止まって ん? をしてみたい
車に乗る生活が当たり前になってしまうと
気になることを見かけても
車を停めて、降りて
ちょっと そこに足をとめて
立ち止まって考えてみる
そんな「仕組み」と 
遠ざかってしまう

常日頃 できれば
「歩く速度」で考える生活でありたい

「本」を読むこと は
立ち止まって「考える」
でもある

こんな今(2015.9.17)だからこそ
じっくり考えたい
わたしたちは まだ間に合う
そうありたいために
今こそ 考えたい

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2015年09月19日

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活動家・吉田清治は自らの戦時体験として「済州島で戦時中、女性を慰安婦にするため暴力を使って無理やり連れ出した」と証言、朝日新聞はそれを記事にした。しかし朝日新聞は彼の証言の信憑性を再調査した結果、証言は虚偽だったと結論づけた。朝日新聞は関連記事16本を取り消した上で謝罪した。

朝日新聞がこうした誤報(虚偽)記事を書いてしまったのは、自分たちの「正義」を絶対視してしまったからだ。p.217

社会をつくる。p.89
現実の何かではなく、もっと先にある理想の何か。p.231

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2024年05月05日

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読みやすいところもあれば、どういうことと言えるところもある。

インプットする情報がものすごく多く、そこから思考していることが分かる、、

10年前、自分は24歳で、この本を読もうとは思わなかっただろう。

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2022年04月05日

Posted by ブクログ

雑誌連載のエッセイをまとめたもの。強い主張があるわけではない。東日本大震災、原発事故に関する内容が多い。

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2019年03月26日

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私が主権者なら彼もまた主権者であり、大切なのは絶望せず対話を求め続ける事だ。自分たちでより良い社会を作る仕事を楽しもう。

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2018年09月09日

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高橋源一郎が熱く、考えている本。
学生運動やってた人なんだなというのがわかる。

普通に生きる 映画
立候補 映画

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2016年09月10日

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朝日新聞に掲載されていた時から考えさせられたが、ちょうど朝日を読んでない時の掲載分だったので新鮮に読めた。ひとつひとつが納得出来て、参考資料も読もうとおもうが、膨大すぎるか。

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2016年08月17日

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これは、あとがきに書いてあるように「あなたの生きた時代ではなにがあったのですか」と尋ねられたら「こんなことがあったんだよ」と答えたいと思ったことを朝日新聞に連載したものを一冊にまとめたものである。

とりあげられたテーマは多岐にわたります。
その中でも、「心の中では気にかけていながら、結局、何もしなかった。そのツケが若い世代に回される」という一文には、頷かざるをえない。

じゃ、どうすれば・・・
お上に任せちゃいられない。自分たちの社会は自分で作るさという「エンパワーメント」
これは、国や公の組織ではなく、個人やある特定の目的のために自発的に生まれた集団が、公正で公平な世界を実現しようとして、様々な力を発揮することだという。
こんなひとりひとりの自覚や活動がわれらの民主主義を作るのだという。

そんな運動を成功させるヒントは「貧困運動」の湯浅誠氏の「敵を探して叩くバッシング競争から遠く離れ、許容量を広く取り理解と共感を広げ、相手に反応して自分を変化させ続けることだ」という。

挑発的な本音を吐くものがヒーローになるインターネットから少し距離をおいて、面倒でも直接の人間関係を構築するところから始め、その中では人は思っていた以上の大きな力を発揮できるようになるのだと理解する。

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2016年07月14日

Posted by ブクログ

2011.4.28から2015.3.26までに朝日新聞に掲載された論壇時評をまとめたもの。

とても頭のよい方が、豊富な知識と資料をベースに、時事問題についてとりあげる論評という性格上、本書を通してという主張はないが、高橋源一郎氏の落ち着いた切り口が非常に面白い。
また、情報量が多いので、いくつか新しく読まねばならないもの、みたいものなどもピックアップできた。
新聞連載という文字数の制限もあるので、本書でひろったヒントを、自分で深めていく、そして自分で考えていくことが大事だと思える書籍でした。

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2015年12月22日

Posted by ブクログ

朝日新聞で連載している論壇時評の書籍化。

ものごとを見たり考えたり読んだりするときに、いろいろな「視点」を忘れずにいたいなと思う。

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2018年08月25日

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