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Posted by ブクログ
どちらも好きな作家、評論家でそれぞれの書く文章も好きなのだが、対談となるとまた違った趣を呈する。「この30年」というのは平成の総括であり、最後に現在のコロナ禍の状況についても述べられている。元々は「SIGHT」に掲載されていたものだそうだが、休刊したらしい。これは私自身が高校時代に読み耽った「ロッキング・オン」の雑誌らしい。「SIGHT」を読んだこともないが休刊は残念である。本題に戻ると、共に職業柄か多読の著者で、しかも読み込みが深いというか、好みである。掲載された小説はほとんど読んでないが、このような物を読む事で読んだ気になるのは本当はいけないのだろうが。ただ、ここでも書かれているように小説は時代を移す鏡であると言われるが、それぞれ単独ではわからない。このように、まとめて書評をすることで見えてくる部分もある。本書は書評のようでありながら、社会評論と読めるものだと感じた。
Posted by ブクログ
あれ?なんでこの本読んだんだろ?ってことあるよね(あるある)
いや、この本は三宅香帆さんのYouTubeで批評とは的な話の流れでおすすめされてた本で、それで読んだんだけどね
高橋源一郎さん(好きな人)✕斎藤美奈子さん(好きな人)が、この30年(2021年発行)の小説を読んで色々話をしたら、なんとなく社会が見えてきたという内容なんですが、ほぼほぼ純文学系の小説の話なんで、100冊以上の本が出てくるんだけど、もう3冊くらいしか読んだことあるやつないのw
だからもうちんぷんかんぷん
いやそりゃそやろ!
高橋源一郎さんと斎藤美奈子さんの対談なんだから、出てくるの純文学系に決まってるだろ!
分かってた!分かってたのに読んでしまった〜w
だがしかーし!
面白かった(なんでやねん)
うーん二人の批評するときの言葉のチョイスというか、表現の仕方みたいなんが、すごくこうビッときたんよな〜
わいも二人みたいな言葉を操りたいな〜と思ったのだ!
あ、後たまには純文学系も読んでみるか〜ともちょっと思いました
ちょっとね
Posted by ブクログ
30年間の間に発表された小説、主に10年間の間に発表された小説を中心に本読みのプロである2人が対談形式で徹底的に語った一冊。世相や日本のみならず世界で起きた出来事と絡めて、日本の文学について語られるが、凡人とは見る視点が違いすぎて、終始驚かされた。
文学から日本の社会の動向がここまで分かってしまうとは、小説がフィクションだと軽視できない存在であると改めて思い知らされた。この30年で、イラク戦争や9.11、東日本大震災などの日本だけでなく世界をも変えるような出来事が文学にも大きく反映されていて、いかに私たちの生活にもこれらの出来事が影響を及ぼしているのか知ることができた。
しかし、自分が読んだことがない小説に対しては、2人の対談を読んでもしっくりこない部分があったので、未読の作品は自分で読んで、改めてこの本を読み返したいと思わされた。
Posted by ブクログ
ロッキング・オン社長、渋谷陽一責任編集の雑誌『SIGHT』(1991年〜2014年)の年末恒例特集として組まれていた高橋源一郎・斎藤美奈子対談の再録(2011年〜14年)、19年の『すばる』誌での対談、21年の語り下ろしを収録。
『サイト』誌上の書評対談といえば大森望と北上二郎の「読むのが怖い!」が名物企画であったが、当時の編集者曰く「取り上げられている本を一切読まなくてもおもしろい」つまり、「読み物を論評する」を超えて、「これ自体がおもしろい読み物である」というわけだが、この本にも十分当てはまる。副題にある「読んでしゃべって社会が見えた」気分にさせてくれる。
【蛇足】高橋「2009年に民主党政権が発足した後の言論空間は明るくてポジティブでした。支持率が70%を超えていた、信じられない時代です。」斎藤「政治の話が楽しかったですよね。」中略
斎藤「だけど、結局全然変わらない。」高橋「それで、2012年末に民主党政権が退いて、また安倍政権になって……。」
呪詛を吐いてるだけで、リベラル陣営の失敗には言及しない女々しさ。
Posted by ブクログ
「SIGHT」年末恒例企画「ブックオブザイヤー」は愛読していた。雑誌が休刊してしまって残念至極。どこかでまたやってほしいなあ。高橋源一郎さんと斎藤美奈子さん、最強コンビの一つだろう(豊崎由美さんと大森望さんというのも好き)。お二人の場合、小説などを論じつつ、その作品が書かれ読まれる社会的意味に斬り込んでいくところに特徴がある。
後半の長い対談は、平成を(さらには昭和を)俯瞰する視点で話されていて、なるほどなあと思うところが多かった。確かに文学は社会の鏡であり、しかもそれは時間がたってから鮮明な像を結ぶものなのだと納得させられた。
個々の作家についての評がやはり読みどころ。言われてみれば本当にそうだと思うのがいくつもあった。
・西村賢太さん 「フラットに書いているようでいて、苦悩を特権化してる感じ」 そう!主人公がDV男だという以外にもなんか苦手と思ってたのはこれだ。明治の書生ものから連綿と続く「オレだけがこんなに苦しんでる」ってやつ。(しかしこんなに早く亡くなるとは…。ご冥福をお祈りします)
・山田詠美さん 「詠美さんの作品って、もともと優等生なところがあるし、じつはすごく道徳的でしょ」「根本的にいい人なんだよね」 そうなんだよね~。アンダーグラウンドを描いてもにじみ出る真っ当感がエイミーの魅力。
・伊藤比呂美さん 「今日に至るまで、一貫して子育てや家族のことを書き続けてきたわけで…」「人生の実況中継だよね」 人生の実況中継!いやまさに!そこに全然ウソがない点が伊藤さんの凄さだ。今や老いに向かう姿も「中継」してくれていて、読むとなぜか安心する。
とまあ納得した箇所は多々あるが、今回もっとも膝を打ったのは、村上春樹についての論評。私が初期作品以外の彼の小説が苦手な理由がよーくわかった。
・「これ(「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」)、読んでも小説の中に入れない人、たくさんいると思うんだよね。表面でツルッと滑って。舞台の上を観ていて、凄い熱演で、でも熱演されればされるほど冷めていくみたいな。でも、本当は、読むのはその熱演の中身じゃなくて、何か別のもの、メタ・メッセージが……。」「あるんじゃないかなってみんな思うので、一所懸命読むわけですが。」「ただ、それが何かって言われると、なかなかわからない」 私のことだよ~。
・斎藤さんが、「すごく浅く言うとさ、自分探しものですよね」と斬り、主人公を動かすのはいつも女で「結局、女に甘えてません?」と言った後の高橋さんの答えに、もう膝を連打!
「まあでも、いくら批判されてもへこたれないよね。だからもしかすると、最後の父権制はここにあるのかもね」「他の人たちはやっぱり自信がないっていうか、頼れるものがない感じ。でもこのふたり(村上春樹と大江健三郎)は、自分自身の中に重力がある」「このふたりは、後期資本主義でそういうの(近代文学をバックボーンに持った父権制)がいったん切れたあと、すごい力業で自分自身の上にそれを作り上げたんだよ」
この後二人が繰り出す言葉にいちいちうなずく。「ふたりとも自己肯定感がすごいよね」「どう見ても圧倒的な肯定感!」「みなぎる自信!」「全体から醸し出される、有無を言わせぬ自己肯定感!」
本当に、主人公がどんなに「ちっぽけな何もできない自分」と言おうとも、受ける印象はまったく逆。エッセイでも(こちらは愛読している)、村上さんはしばしば、「世界とうまく折り合えない自分」「理解されない自分」を書くけれど(そしてそこに共感してしまうけれど)、自己否定感はきれいさっぱりないんだよね。高橋さんは「ぼくは(村上作品は)誤読に支えられてるんじゃないかと思ってるんです」とまで言っていた。うーん。
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