【感想・ネタバレ】別冊NHK100分de名著 メディアと私たちのレビュー

あらすじ

リップマン『世論』、サイード『イスラム報道』、山本七平『「空気」の研究』、オーウェル『一九八四年』の4作品をとりあげ、「偏見」や「思い込み」「ステレオタイプ」の存在に光を当てるとともに、いま私たちがとるべきメディアへの態度について考える。

はじめに メディアの「限界」と「可能性」に迫る
第1章 リップマン『世論』 堤 未果──プロパガンダの源流
第2章 サイード『イスラム報道』 中島岳志──ステレオタイプからの脱却
第3章 山本七平『「空気」の研究』 大澤真幸──「忖度」の温床
第4章 オーウェル『一九八四年』 高橋源一郎──リアルな「未来」

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Posted by ブクログ

 私たち自身がどのような視点やバイアスを持ってメディアやネットの情報に接しているかを考えさせられる。特に日本人特有の「空気」について論じた『「空気」の研究』に興味を持った。戦艦大和の出撃が決定された「空気」や、身近なものでは会社の会議で最高決定権を持つ人の発言への忖度など、個人の意思に反していても集団になると正反対の決定が下される恐ろしさときたら。『世論』も皮肉なことにナチスドイツが研究し、悪用されてしまった事実が悲しいが、それこそが良書の証なのだろう。『一九八四年』は言わずもがな。未読の3冊すべて読みたくなる。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

世論調査に関わっていたこともあり、「世論」、「空気の研究」は読んだことがあったが、表現が難解で最後まで読み切ることができなかった。
今回、大澤真幸さんらの解説を通じて、ようやく内容を理解することができ、爽快であった。

それと同時に、国単位での集団心理の特性は、今も昔も大きくは変わらないのだなと改めて感じた。

昔と比べると我々が接するメディアの種類は増え、かつ、メインに接するメディアも新聞TVから移り変わり始めている。
そのため、皆が同じメディアから情報を得て、同じように意見を形成していく形ではなく、それぞれがそれぞれのメディアから情報を得て、それぞれの意見を形成していくようになってきたと思われる。

そういった状況変化を踏まえた上でも、集団心理のなびきやすやというか、何色にでもなりうる特性は現代でも変わらないのだなと、感じた。

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2020年08月30日

Posted by ブクログ

ジャーナリズムについて各テキストによって論じているが、これが簡潔だが深い。放送時に説明が薄かった点も確実に補完されており、この四冊以上の内容だと思う。「世論」と「イスラム報道」は未読だが、他二冊は見事なようやくと解説だった。放送と併せるとより理解でき、記憶も固定される。まさに蒙を啓にうってつけであり、以降のスピノザ、オルテガも楽しみだ。

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2019年02月09日

Posted by ブクログ

座談会の「グーグルの機能で『シリ』という音声検索機能」と発言されている箇所は、あえてそのままなのかな。メディアを無条件に信じるな、と。

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2018年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本の元となった「100分deメディア論」が面白かったので読んだ本。本の中で紹介された本の話がどれも面白かった。マスコミ関係で働きたいと思っている人に薦めたい本。本の中で紹介された本の中で1番読みたくなった本は『一九八四年』。

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2018年12月09日

Posted by ブクログ

大変読みやすかった。大澤真幸の解説が特に秀逸。メディア論を多角的かつ具体的に学びたい方の導入書としておすすめ。

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2022年04月05日

Posted by ブクログ

このシリーズは有名な著作を分かりやすく解説してくれるのでお気に入り。
アメリカ大統領選やコロナによる社会情勢の不安もあって、メディアに対する不信感が高まっている現在では非常に参考になる内容だった。
特に山本七平の『空気の研究』を解説していた部分は興味深いものだった。日本人独特の「空気を読む」という特性に関して、クリスチャンとしての山本が宗教観を交えながら分析するもので、今度改めて読んでみようと思った。

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2021年01月25日

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