高橋源一郎のレビュー一覧

  • さよならクリストファー・ロビン

    Posted by ブクログ

    心の中にしかないものは、「無い」のか。かつてあったけれど今はないものは、「無い」のか。
    ここに「在る」とは?

    私には言葉で説明できなくて、ここにある大切なものや、もう戻らないなくしたものを抱きしめたくなるような、抱きしめて欲しいような気持ちになりました。

    0
    2013年05月08日
  • 国民のコトバ

    Posted by ブクログ

    源ちゃんが最新の日本語を「メタメタに」斬りまくる

    「萌えな」ことば、「官能小説な」ことば、相田みつおな」ことば、「漢な」ことば、などなど様々な切り口で源ちゃんが最新の現代日本語を「メタメタに」斬りまくったエッセイ集である。

    戦後民主主義を男女交際の自由という観点で徹底的かつ全面的に謳歌したかの「青い山脈」(余談ながら私はこの名曲を「君が代」に代わる国歌にしたいとひそかに考えていたのだが、全く同じ意見を内田樹氏が抱懐していると知って嬉しくなった)で有名な「洋次郎な」ことばや、いま千葉の海岸沿いに住んで東京のアホ馬鹿富裕層をコテンパンにのしてゆく真木蔵人の「クロウドな」ことばも面白いが、さいき

    0
    2013年05月06日
  • さよならクリストファー・ロビン

    Posted by ブクログ

    虚無に抗えるわけがない。いつかはさよならしなきゃいけないんだ。
    プーさんとか鉄腕アトムとか出てきます。嘘じゃないよ。

    0
    2013年04月24日
  • さよならクリストファー・ロビン

    Posted by ブクログ

    「さよならクリストファー・ロビン」
    作家はひとつのテーマをべつの語り口、べつの登場人物によって語るのだろうなとおもった。
    高橋さんのばあいは、物語の登場人物が「じつはぼくたちは誰かによって書かれたものだ」って気づいちゃって、それでその世界の辻褄があわなくなって消えていく…みたいなあれだから、それはやっぱり「ペンギン村に陽は落ちて」を彷彿とさせるというか、もっというと「まんまじゃん」とも思うんだけど……だって「ペンギン村」も「プーさん」も、舞台とはいってもそんなのあからさまに物語をいれる「容器」なわけだし、

    入ってるものはどっちも水なのに、グラスの色が違うからって「前のは赤い内容だったけど、こ

    0
    2013年04月21日
  • 非常時のことば 震災の後で

    Posted by ブクログ

    3.11以降、多くの文章が読めなくなったと著者は言う。
    それは、「死者たち」の存在を知ったからだと。
    それから著者は、ひたすら「下」へ、「大地」へ、「根」のある方へ向かう文章、「こだま」のように「小さな」声で届けられるものを聴き取ろうとする。
    今わたしたちに必要な言葉とは何か、ということを深く考えさせられる。

    0
    2013年03月20日
  • さよならクリストファー・ロビン

    Posted by ブクログ

    深い喪失感と境界を感じさせる。
    震災文学の雰囲気を漂わせつつ
    モチーフとしての淡い空気だけに
    とどまっている。
    大切にしまっておきたい作品

    0
    2013年03月15日
  • 嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト

    Posted by ブクログ

    著者名だけを見て、対談集だと思い込み内容を知らずに
    手に取ったのですが、これが存外面白かった。
    「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」は知っていたけど、日本でも
    内田先生がこのような企画をされていたんですね。知らなかった。

    文章のうまい下手ではなくて、とにかく書かれている内容そのものに
    力があるなと感じますね。だから川柳以下の文字数で綴られたような
    極短の文章であってもグッと迫るものがある。
    選者である内田樹先生と高橋源一郎先生の、それぞれ選んだ作品に
    印を押しているのですが、お二人の選ぶ傾向が全く違っていることが
    わかるのもまた面白い。
    巻末に内田先生と、本家の「ナショナル・ストーリー・

    0
    2013年03月09日
  • 優雅で感傷的な日本野球

    Posted by ブクログ

    高橋源一郎が、野球について書くことで日本人の心のありようを描こうとした作品。

    野球が消えてしまった世界で、野球に関して書かれた文章を探す者、野球選手になるため野球について知ろうとする少年、元野球の監督、そして1985年に優勝したとされている阪神タイガースの元選手たち……。

    以前、友人の一人が檀一雄について書かれたエッセイや評論を読んでいて、でも檀一雄の作品はひとつも読んだことがなくて、それで檀一雄についてやたらと詳しく語っていた。

    友人曰く「俺は堀を見て城を想像するのが好きなんだ」。

    この作品で高橋源一郎がやろうとしたのも同じようなことなんじゃないだろうか。

    高橋源一郎「いや、むしろ

    0
    2013年01月25日
  • さよならクリストファー・ロビン

    Posted by ブクログ

    高橋源一郎の連作短編集。バラバラに書かれているように見えるが、実はつながっている。
    タイトルになっている『さようならクリストファー・ロビンソン』は3.11の前に書かれたものでもあるのだが、他は3.11以降に書かれている。『恋する原発』と並行して書かれたであろうこれらの連作に3.11の影響を見るべきなのだろうか。「アトム」がモチーフとして取上げられているのは関係があると見るべきなのだろうか。一方そこに余計な関係性や時間性を見ることは避けるべきなのかもしれない。いずれにせよ高橋さんの小説について上手く説明する自信はないのだけれど。

    いずれにしても、どれもこれも実在と喪失について書かれているように

    0
    2013年01月04日
  • さようなら、ギャングたち

    Posted by ブクログ

    「小説家は小説を書くことで考えるんですよ」

    高橋源一郎がニコ生思想地図において東浩紀に言った言葉だ。

    聞いた瞬間、ずっと前から持っていた宝箱が開いたような気がした。

    そうか、てっきり僕は考えてから書くんだと思ってた。

    細胞が分裂するように言葉を生み出し、突然変異を待つ。

    とにかく一所懸命、分裂、分裂、なのだ。

    高橋源一郎は真面目な人だと思う。

    室井佑月にとってはどうだか知らないが。

    最初に読んだ高橋源一郎作品は「ジョン・レノン対火星人」で詩のような印象を受けた。

    あとがきに、本作を最初に読んだとき詩のようだと思ったと書かれたいたが、僕は「ジョン・レノン対火星人」を読んでいたせ

    0
    2012年10月27日
  • 非常時のことば 震災の後で

    Posted by ブクログ

    ずっと感じてた後ろめたさの中身を教えてもらえたようですごく嬉しい(というのは違うけど他にことばを思いつけない)。石牟礼道子に泣きそうになるのは想定内だけど,古市憲寿に「このかっこいい文章は誰」と思わず頁をめくってしまったのは意外というか何というか,読んでみたくなった。

    0
    2012年10月26日
  • 非常時のことば 震災の後で

    Posted by ブクログ

    震災後の今だからこそどんなことばが大切でどのような文章が必要なのか語っている本。探っているのは実はことばだけではなくあのあとにどんな変化が起きてそれはどういう意味なのかを問うている。
    秀逸な文章に私も直に触れたいと思った。

    0
    2012年10月01日
  • 日本文学盛衰史

    Posted by ブクログ

    章ごとのバラツキが大きいというか、面白いなーと思う場面があったかと思えば、全然面白くない場面があったりする。田山花袋がAV監督に挑戦するところとかはページを捲る手が止まらないほどだった。けど、終盤は読んでて寝てしまいそうなほど退屈だった。なんだかんだ言っても結局は、高橋源一郎はブンガクの人なんだなぁ、と思わせた作品でした。

    0
    2012年07月25日
  • さよならクリストファー・ロビン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    題名の良さに惹かれて読みました。
    「幼い頃に心の中だけにいた友達」のその後を描いた『峠の我が家』が一番好きでした。
    自分にはそういう友達の記憶はないけれど、この話を読むとひょっとして自分にもそういう友達がいたのではないかと思わされます。
    もしいたのなら、今度は忘れないから戻ってきてほしい。

    0
    2012年08月31日
  • さよならクリストファー・ロビン

    Posted by ブクログ

    好きな作品でした。
    帯に「虚無」とあったので、腰が引けていましたが
    無イコール零ではない、と感じられるような
    心が温まる、大人のための絵のない絵本のような作品だと思いました。
    「さよなら クリストファーロビン」という題名も好き。

    0
    2012年06月30日
  • 嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト

    Posted by ブクログ

    日本人の「嘘みたいな本当の話」を集めることで、日本とは何かを見出そうとした、日本版ナショナル・ストーリープロジェクト。
    収録されているそれぞれのストーリーももちろん面白いのだけれども、それ以上に内田樹氏の解説と、最後の批評的対談が面白い。

    ポール・オースターのナショナル・ストーリー・プロジェクトでは、その人独自の社会・文化的背景を持つ個人が、それぞれのストーリーの中から浮かび上がってきたのに対し、本書の中で紹介されている日本人たちのストーリーは、ほとんど同じ形式を持ち、他の人にも共感してもらえること=「あるある!」と共感を持って読んでもらえるようなストーリー。
    このことは、本書に収録されてい

    0
    2012年05月21日
  • 日本文学盛衰史

    Posted by ブクログ

    当時の文壇を今日の世界で再現した秀逸な一作。
    パロディとして楽しめるのはもちろんだが、斬新な解釈や鋭い表現に驚かされる。
    そして、投げかけられる普遍的な視野……

    0
    2012年04月06日
  • 嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト

    Posted by ブクログ

    2012.03.19. 日本が物語る、とあとがきで語られているけど、まさにそうなのかもしれない。どれも淡々としていておもしろい。内田さんのまえがきで、ふむふむと思い、そういう視点で読んだから余計にそう感じるのかもしれない。日常の些細な一コマは、切り取ってみると意外とおもしろいのかもしれない。時々挟まれるほしさんのイラストも微笑を誘います。お気に入りは、「桐生ヶ峰」青春バンザイ。

    0
    2012年03月22日
  • ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ

    Posted by ブクログ

    高橋源一郎の本をずっと読んでいたいなと思われせるような本でした。実際の事件は起こらない。物語を終わらす必要はない。アーヴィングと対極にあるような小説も好き。

    0
    2012年03月17日
  • さようなら、ギャングたち

    Posted by ブクログ

    これは2、3回読む本なのかな

    1回目はなんとなく読んで終わってしまった

    だけど解説で
    「ああ、そうだったのか」と考えさせられることが多々あり、、

    1回だけでは理解できなかった

    私の問題かな(笑)

    けど
    妙に悲しくなったり
    妙におかしくなったり

    不思議な本だと思った。

    とくにキャラウェイが死んでしまうところなんかは
    切なく、悲しくなった

    0
    2012年03月15日