【感想・ネタバレ】さよならクリストファー・ロビンのレビュー

あらすじ

お話の中には、いつも、ぼくのいる場所がある──いつも考えている幼い少年と、なにかを書く仕事をしているパパ。「お子さま携帯」が時々「けいほう」を鳴らす日々。ぼくは何でもパパに聞き、パパは一緒に考える。物語をめぐり、あらゆる場所を訪れ、新しい物語の誕生に立ち会う。「虚無」と戦うものたちの物語。

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さよならクリストファー・ロビン
(和書)2012年09月06日 19:34
高橋 源一郎 新潮社 2012年4月27日


むかし高橋源一郎のファンだったことがある。かれのファンであったことで得たものと言えば柄谷行人を知ることができたことだろう。しかし柄谷行人を知ったことで高橋源一郎がなんだか嫌になった。

こんかい谷崎潤一郎賞を受賞したと聞いて久しぶりにこの小説を読んだのです。谷崎潤一郎賞がどういった賞か良くはしらない。村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』のイメージが強い。他では大西巨人が受賞の打診があったが拒否したという話を聞いたことがある。

イノセントな世界観など小説として無駄を省きうまく書かれている様に思う部分もあった。しかし世界を描こうとする姿勢とともに理念の欠如が顕れていて奇妙に無垢さばかりが強調されている。内容の無さを感じてしまうところもあった。

『汝自身に専念せよ』が根本的な信条だとすれば、このイノセントなレトリックには奇妙に嫌な後味も感じる。

読み物としては、それなりに新味もあって他との差異はできているから商品としてあがめる分には良いと思う。しかし人を癒すということにはこのイノセントなレトリックでは無理だしそんなこと考えてもいないように見えてしまう。

僕は昔ファンだったけど今はあまり好きではないと思っているので最初から誉める気はない。それだけのことでもある。

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2020年09月26日

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大人になってくこと、自分が成長、変化していくこと、童心を忘れることなど深く考えさせられることが多い作品でした。

失うことについてもよく考えさせられました。

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2015年11月17日

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新しい文体や伝え方を読みたいという要求のほうが、ストーリーの先を知りたいというよりも優先してしまう。筒井康隆や安部公房が好きなのもこのような性向を持つからだろうと思う。テキストという歴史のある限られたメディアのなかでこのような実験を行い、成功しているのは高橋源一郎だろう。それは、一部音楽に対するROCKのスタンスとも似ている。渋谷陽一が高橋源一郎に接近する理由もそれだと思う。時代の気分として、理性や、意識といった、文学の主体と考えられてきたものがどんどんとあやふやになっていくなかでの小節のありかた。

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2012年06月04日

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不思議な感覚でありながらもすごく読み心地が良く、あっという間に読んだ。文学としてとても挑戦的な感じがする。頭に浮かぶ景色はとても切なく繊細なものだが、ずっと霧がかかっているような、そんな感覚がした。

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2025年03月17日

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 なんか久しぶりに著者らしい作風の作品を読んだような印象。
「けいほう」や「アトム」からはあの震災も連想される(ちょうど震災を挟んだ前後に「新潮」に掲載されている)。
 6篇の短編集のようにみえるが、全短編で一つの作品ととらえた方がわかりやすいかと思う。
 ラストの汽車(あるいは汽車の中らしき状況)あたりの状況設定や物語の構成は「ゴーストバスターズ」を思い出させもした。
 五つ星を付けるには、もう少しググっと圧倒されるものが欲しい。
 そう思えるのは、僕の中に「高橋源一郎ってこんなもんじゃないだろう!」という確信があるから。

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2018年01月06日

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【星降る夜に】
『二十五年…わたしは、自分の口から出たことばに驚いた。二十五年も書きつづけていたのだ。誰も読まない小説を! その間に、もっとなにかできることがあったのではないだろうか? 山に登るとか、動物園に行って熊を写生するとか。もう少し、有益なことが。』

【お伽草子】
「『せっくす』というのは、人がわかりあうためにすることの中で、もっともいいもののひとつだ、同時に、もっとも、むずかしいもののひとつなんだ」
「どうして?」
「ことばをつかわないからだよ。ことばは、わかりあうために、人が使うものの中で、いちばん簡単なものだからね」

「簡単ないみのことばはないのかい?」
「あるよ。『アルランス』とか」
「どういういみなんだね」
「『一時間目の授業の時、先生に、頭が痛くて、熱があるみたいなので保健室に行っていいですか、ってきいて、保健室に行って熱をはかったら、三十六度ちょっとしかなくて、すぐ教室に戻りなさいって保健の先生にいわれること』だよ」
「そのことばのいみが、簡単なのかどうか、わたしには、わからんが、熱がないのに、すぐに保健室に行くのは、パパは感心しないね」
「わかった。ねえ、こういうことばって、使ってはいけないの?」
「きみは、どうして、そういうことばを作ったのかね。『ティーズィッテ・ナン!』とか」
「決まってるじゃないの。他に、ぴったりしたことばがなかったんだもの」
「オーケイ。『コネタキイ・イカンマクヤヒ』だと思うんだが、パパは」
「なに、それ?」
「『自分でことばを作るのは、おおいにけっこうだが、寝る前に、明日、学校に持っていくものを、ランドセルに、自分で入れてからにしてもらいたい』といういみだよ。それに、『フルエノウヨチ・ダシアタカ』でもあるしね」
「わかったよ。そういうことばを作ると、質問ばかりしなきゃならないから、めんどうくさいってことだね」
「その通りだ。でも、わたしがいったことばのいみは、『そろそろ、お昼ごはんにしようじゃないか』ってことさ」

『手で髪の毛を触る。それから、顔。目、鼻、唇を触る。ずっと触っていって、足の爪に、到着する。ぼくは、寝る前に、必ず、それをやるんだ。おまじない。
確かに、そこに、ぼくがいる、というおまじないだ。』

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2017年01月28日

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ネタバレ

泣いた。
パパとぼくの会話もとても素敵だった。

「ききたいかい?」
「ききたくない」
「わかった。では、今晩は、お話はなし。おやすみ」
パパはぼくに背中を向けて、寝たふりをする。ぐうぐう。
ぼくも、パパと反対の方を向いて、寝たふりをする。ぐうぐう。

ここの二人の会話が特に好き。

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2015年07月12日

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これは夢なの?

微睡の中、夢と現実が行き来するとき、物事のストーリーは曖昧になりつかまえたはずのつながりも、ゆるゆると解けてばらばらになっていく。思考は繰り返し、時間の流れも行きつ戻りつ。

夢の世界も心の奥底で流れる思いが反映しているはず?作品で描かれる世界のモチーフは何だろうと考えるのだけれど、つかみどころがなく、幻想的な世界が広がっていく。現代版「不思議の国のアリス」のような雰囲気。

表現の試みが多様で、こんなに自由な文章表現、構成もあるんだと感心することしきり。うまいなあ。

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2015年06月17日

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くまのプーさんが「虚無」と戦ったり、鉄腕アトムが銀河鉄道の旅に出たり。読んだ後には不思議な喪失感が残る、楽しい、けれども切ない読書体験だった。
佐伯一麦「日和山」と並んで、震災後の世界を反映させた名作。まだ発表されていないが、新潮文庫の「日本文学100年の名作」第10巻にはぜひ両方とも収録されるべきと思う。

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2015年09月10日

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第48回谷崎潤一郎賞受賞作ということで予約してみた作品。表題作は「くまのプーさん」をモチーフにした作品。いくつか「アトム」が出てきたり、現実世界の作品と結びついた作品が出てくる。わかりにくいものも少々あったけれども、全体的に優しく温かな雰囲気が漂っている作品。2012/651

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2015年04月13日

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3.11に対する回答としての小説。
旨く言えないが、死者の思い出、とは何かを考えているのだと思う。

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2014年03月06日

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何が確かで何が不確かなのか
今見ているものは本当なのか嘘なのか
わたしはいったい誰なのか
この世界っていったいなんなのか

足元がぐらぐらと揺らぐような本。

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2013年10月06日

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心の中にしかないものは、「無い」のか。かつてあったけれど今はないものは、「無い」のか。
ここに「在る」とは?

私には言葉で説明できなくて、ここにある大切なものや、もう戻らないなくしたものを抱きしめたくなるような、抱きしめて欲しいような気持ちになりました。

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2013年05月08日

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虚無に抗えるわけがない。いつかはさよならしなきゃいけないんだ。
プーさんとか鉄腕アトムとか出てきます。嘘じゃないよ。

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2013年04月24日

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「さよならクリストファー・ロビン」
作家はひとつのテーマをべつの語り口、べつの登場人物によって語るのだろうなとおもった。
高橋さんのばあいは、物語の登場人物が「じつはぼくたちは誰かによって書かれたものだ」って気づいちゃって、それでその世界の辻褄があわなくなって消えていく…みたいなあれだから、それはやっぱり「ペンギン村に陽は落ちて」を彷彿とさせるというか、もっというと「まんまじゃん」とも思うんだけど……だって「ペンギン村」も「プーさん」も、舞台とはいってもそんなのあからさまに物語をいれる「容器」なわけだし、

入ってるものはどっちも水なのに、グラスの色が違うからって「前のは赤い内容だったけど、こんどは青いね!」なんてふうには思えないわけですよね。けどたぶん、というか絶対と思うけど、高橋さんはちゃんとそのことわかってるわけで、逆にむしろそのことが言いたいのかな?

水は水なら容器も容器だし、その外に広がるのは「虚無」だって。
けどぼくはあんまり禅問答ってすきじゃない。

「峠の我が家」
ふいに「お友だち」のこと思い出した。

>「お友だち」は、ひとりの子どもが産みだす、たったひとりの、彼(彼女)だけの友人なのです。(略)あなたが泣いていると、そっと近づいてきて、おもしろい冗談をあなたの耳にそっと呟いてくれます。あなたが眠れない時には、あなたと一緒に寝て、今日、保育園であったことを聞いてくれる。「お友だち」は、あなたの話を聞いてくれるし、あなたに話してもくれるのです。いつだって、あなたひとりのために。
思い出しましたか?

思い出しました。いました。たしかにいました。
だけど名前がおもいだせない……。それはとっても重要なことと思うのだけれど。いまごろ「ハウス」にいるんだろうか。

「お伽草子」
ママとキイちゃん死んじゃったんですか。
たしか「悪と戦う」でランちゃんはことばをしゃべれない子だったと思うんですが。たしかその後なんかで読んだけど、ママさんがあんなこと書くから子供が喋れなくなっちゃったって言われて……
あれ? でもぜんぶ小説の話だっけ? よく思い出せない。
なんかなぁ、こういうところ怖いなぁって思っちゃう。作家って。なに考えてるのかよくわからない。残酷。や、残忍ってかんじがする。

「アトム」
いままさに睦言をいいあってるカップルが、次の瞬間にはまったく別人になりかわる。「移行」がおこなわれると、じぶんの名前も職業も経歴もなにからなにまで忘れてしまって、今さっき愛をかわした相手のことも、もう思い出せない。なんでかとってもひっかかる。すごく根源的な、どっかしら懐かしいと感じるような……。

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2013年04月21日

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深い喪失感と境界を感じさせる。
震災文学の雰囲気を漂わせつつ
モチーフとしての淡い空気だけに
とどまっている。
大切にしまっておきたい作品

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2013年03月15日

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高橋源一郎の連作短編集。バラバラに書かれているように見えるが、実はつながっている。
タイトルになっている『さようならクリストファー・ロビンソン』は3.11の前に書かれたものでもあるのだが、他は3.11以降に書かれている。『恋する原発』と並行して書かれたであろうこれらの連作に3.11の影響を見るべきなのだろうか。「アトム」がモチーフとして取上げられているのは関係があると見るべきなのだろうか。一方そこに余計な関係性や時間性を見ることは避けるべきなのかもしれない。いずれにせよ高橋さんの小説について上手く説明する自信はないのだけれど。

いずれにしても、どれもこれも実在と喪失について書かれているように勝手に思われる。かつていた人、これから来たる人、それら不在の他者に対する倫理について考え感じることを望んでいるのだろうか。

引用文献にも興味を惹かれた。
プラトンの「国家」、ヤスパースの「哲学」などが挙げられている。自分には見つけられなかったが、どこにその影があるのか探すのも一興かもしれない。

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2013年01月04日

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ネタバレ

題名の良さに惹かれて読みました。
「幼い頃に心の中だけにいた友達」のその後を描いた『峠の我が家』が一番好きでした。
自分にはそういう友達の記憶はないけれど、この話を読むとひょっとして自分にもそういう友達がいたのではないかと思わされます。
もしいたのなら、今度は忘れないから戻ってきてほしい。

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2012年08月31日

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好きな作品でした。
帯に「虚無」とあったので、腰が引けていましたが
無イコール零ではない、と感じられるような
心が温まる、大人のための絵のない絵本のような作品だと思いました。
「さよなら クリストファーロビン」という題名も好き。

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2012年06月30日

Posted by ブクログ

読んでるとこ。

高橋源一郎さんって、NHKの読書番組とかで見てたけど、こんな本かくのかー。

「峠の我が家」、、作り出された想像のお友達(イマジナリー・フレンド)のその後。うんうん、じーん。

後半は、難しいなぁ

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2023年12月11日

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大好きな『くまのプーさん』の関連本?と下調べもなしに読んだ。
短編集の構成で、表題の話はプーさん関連で間違いはないのだけれど…

『さよならクリストファー・ロビン』
最後、ポロポロ泣いちゃった。
「みんな、誰かが書いたお話の中に住んでいて、ほんとうは存在しない」という”うわさ”に物語の住人達は翻弄され、しまいには”虚無”が彼らの世界をも飲み込んでいく。
『はてしない物語』にも同一の危機が迫っていたが、あの時は何とか免れた。自分がラストで泣いたということは…。
著者よ、物語の創作者でありながらこれは酷い仕打ちですぞ!(泣)

『峠の我が家』
またもや目頭がジーン…(泣)
イマジナリーフレンド(空想の遊び友達)達を保護する”家”(通称「ハウス」)の話。彼ら「お友だち」は自分達を生み出した「ご主人さま」に忘れ去られてしまうと、「ハウス」を訪れる仕組みになっている。そして、どの「お友だち」も子供のように無垢でどこまでもはかない…よくこんな設定を思いつけたもんだ。
彼らを思い出すことが出来たら、「ハウス」から心に戻ってきてくれるのかな。

『星降る夜に』
前半は現実味が、後半にかけてはファンタジー色が強くなる。しがない小説家の男が、ある時「本を読む仕事」を紹介される。
思えば、そこから男にとっての本当の人生が始まった気がする。読むことで、聞き手の人生が開けることは以前読んだ『本を読むひと』で実感したが、今回も果たしてそれに当てはまるのか、次に移る前に考え込んでしまった。

『お伽草子』
『アトム』
何故かこの2作品の間に下記の『ダウンタウン…』が収められていた。
恐らく両作品とも話が繋がっている。しかしどちらのメッセージも認識できた自信がないから、ここでは自身が感じた事だけを書き、その後で他の方のレビューや考察を覗いていこうと思う…汗
ディストピア系になるのかな。『お伽草子』から『アトム』へと、時系列で話が続いているのは確かだろう。
「考える」という行為を不安がる子供、成長どころか退化する人間たち、気づいた時には別の人間になっている現象。どれも異常事態なのに殆どの人は平気でいる様子。
本来は読者としてメッセージ性を汲み取らなきゃ…だろうけど、考えるほど気がおかしくなりそうだったので、そのまま流してしまった。ここらでは、あまり楽しめなかったのが残念。

『ダウンタウンへ繰り出そう』
「死んだひと」が現世に生きる人達の前に現れ、共生していた時期があった…という話。「お盆のこと?」と勘違いしかけたが、「死んだひと」の中には議員になった者までいたと言うから、まず只事ではない笑
天国・地獄・輪廻転生とは違う死後の世界は、現世の延長線だったりして。


トータルで見ても、超フィクション。
泣いたり首を傾げたり…、アップダウン差に御用心!

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2022年11月08日

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眠りにつく前に語られる曖昧な世界
たくさんの童話がちりばめられているけれど
ぼくたちはだれかがかいたおはなしのなかにすんでいてそんざいしない
ふわふわとした言葉たち
虚無?
眠くなったよ
よくわからないよ
さようなら高橋源一郎
≪ 続いてく お話の中 きみとぼく ≫

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2018年11月11日

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くまのプーさんにクリストファー・ロビン、アトムに天馬博士とお茶の水博士…。
作者によって一度嚥下され、新たな物語の形を得て綴られる。
ファンタジックで、綿菓子のような読み心地です。
誰かとなりにいてほしいときに読む本。

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2016年02月24日

Posted by ブクログ

夢を小説にしたような短編集~さよならクリストファー・ロビン。峠の我が家。星降る夜に。ダウンタウンに繰り出そう。アトム~意味があるようでない夢の世界だ。今朝も高橋源一郎さんを新聞で見たけど、どこかの大学の先生もやってるんだね。クリストファー・ロビンとは,くまのプーさんの男の子

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2014年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私が本を開いたとき、物語の登場人物たちは息を吹き返したように動き始める。
童話、冒険小説、漫画…無限に広がる想像の海を泳ぐ自我。
彼らの世界は彼らのものだ。私は見守るだけ。
でも、私が物語を読み終えパタリと本を閉じたとき、あるいは本棚の奥深くしまいこんだとき、本の中の住人たちはどうなるのだろうか。
誰かに読まれるために生まれ落ちた彼らが必要とされなくなり、物語の楔から解き放たれたとき、そこにあるのは虚無にも似た途方もない「自由」なのかもしれない。
戸惑いつつ歩き出す彼らの背中を私は見送る。
「さよなら、ありがとう」

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2013年06月03日

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ひらがなほどなんかいで、ちっともあたまにはいってこない…
そんな体験をした。
不思議だけれど、「お伽草紙」のようなことを、子どもの頃考えていた。
布団の中でただただ天井の節目を凝視しながら、考えもて決して答えの見つからない疑問がぐるぐると私の体を廻っていた。成長とともに、煙のように消えていったあの感覚を久しぶりに思い出しぶるっと震えた。
ちゃんと読んだのに、すでに題名を見てもぼんやりとしか浮かんでこない…でも突然襲いかかってきたりする。魔法にかかった気分だ。

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2013年01月07日

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前半すごく引き込まれ,この人の本をもっと読んでみたいと思った。後半やっぱり私には難しかった。でも読んでみたいというのは変わらないかも。表題先はてっきり震災後に書かれた話だと思った。

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2012年09月12日

Posted by ブクログ

 「虚無」と戦うものたちの物語、と帯にあるが、そのとおり物語を紡ぐことで虚無に抗おうとするプーさんたちを描いた表題作の読後感がじんわりと哀しくて好いなぁ。
 しかしまぁ、児童文学風に軽易な文体に反し、世界観が重くって読みにくいなぁ。
 読んでいると虚無に打ちひしがれそうになるのがまた好いのだけど、ラストに近付くにつれて失速していく感がやや残念。

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2012年08月12日

Posted by ブクログ

初めて読んだ高橋源一郎。
いろんな喪失の話。
と思ったけど、どうなんだろう。
あたまぐーるぐーる。
これなら読めそうかなぁと思ったのだけど。
読み切りはしたけども。
とりあえず、アトムが読みたくなった。

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2012年07月12日

Posted by ブクログ

読んでいて心地の良いものではない、でも心に残る作品だった。「星降る夜に」に出てくる、飛ぶ教室の引用にしびれた。

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2012年06月17日

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