高橋源一郎のレビュー一覧
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「夢」
それはいつも激しいもの 現実を社会を今自分がいる世界を直視することができるなら「夢」もまたその人の中では極めてリアルな質感として感じることができるのだろうか だけれどもそれはとても重くて哀しいものであり 辛くて辛くて皆所々で目をそらしながら生きていく でないとその重いものを絶えず抱えて生きるのはとても大変なことだから この本にはそうした時に意識的にまた無意識のうちに目をそらしていた辛く重く哀しいことがむき出しになって書き表されている 現実社会における救いとは何か 夢はその中でどのようなものとして機能しているのか 賢治さんはイーハトヴを見つけた そこは誰もが心を通わすことのできるとても緩やかなトポス 痛みも苦しみも抱きとめてくれる 現代社会におけるイーハトヴを源ちゃんはどのように描いたのだろう 源ちゃんは簡単につかませてはくれなかった それは簡単に言い表すことができないから当然なのだが 賢治さんの作品から感じたもの 源ちゃんの作品から感じられなかったもの それは歴然としてある 音 リズム ヴァイブレーション 言葉に寄り添うそれがもたらす心の共振こそイーハトヴに繋がる夢の喚起なのだと考えたよ
いくら時代が変わろうともずっと信じ続けたいものがある それが現代に生きる信仰の形なのかもしれない ねっ賢治さん -
Posted by ブクログ
宮澤賢治の有名な作品たちを題材に生み出された短編集。
死を強く感じさせる作品群。直接的にそう描くものもあったからの印象かもしれないけど。
しかし宮澤賢治のオリジナルに描かれている、どこかぼやけた感じの死に比べれば、強い印象を持たずにはいられなかった。
大半の作品の背景にあるSF的設定や時間・時代・人物の不明瞭さは、結果として読者に寄る辺のなさを与える。それに由来する不安が、「死のにおい」の導入として効果的なように思える。
物語世界への不安は消えず、そのまま突如直面することになる死の恐怖。寂寥感をかみしめるような、落ち着いた自分を保つ余裕はなかった。
作家の作為に操られる面が多い作品であると思う。
もちろんこれが作家の意図したものかはわからないのだが、不安や恐怖、そしてしてやられた感さえも感じることができる素敵な作品だと思います。 -
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文壇なんてのは偉そうなふりをしちゃいるが、どーしょーもなく俗っぽい一面もまた併せ持っている。西洋で生まれた文学を日本に移し替えようと悪戦苦闘する明治初期の「文学者」達や漱石を筆頭とする明治の文豪達を、現代の性風俗と明治が混じり合う不思議な世界観で映し出すことで、普通じゃ堅苦しくてつまらない「文学史」が実に面白いものに仕上がった。田山花袋がAV監督になり、石川啄木が援助交際にはまり込む。しまいにゃ最後はブルセラ店の店長で副業とは大爆笑間違いなし。
かといって著者は別に悪意を持ってちゃかしているわけではなく、むしろ若き日には文学青年だった著者の言文一致運動をはじめとする日本近代文学のパイオニア達への尊敬の念は痛いほど感じられるし、かれらの苦悩も一部の悪ふざけが嘘のような深刻さを伴って描かれる。さらには漱石などへはユニークながら鋭い文学批評を試みていたりもしているのだ。なのでまったく不快感はないし、むしろ一度でもじゅんぶんがくに嵌っていた人をターゲットとしたならば、これ以上の確信犯的娯楽小説はないだろう。 -
Posted by ブクログ
599ページの新書。
ヘプバーンと同じ身長体重を誇っていた著者が、
それより体重が増えたことに気づき、
食事とスクワットでダイエットを始めた。
その際?多くの食事に関する本を読んだ。
それを紹介しつつ、自分の状況をつらつらと、、
集英社のウェブサイトに連載されていたものがもとらしい。
そういう意味でとっちらかってる。
いろんな本のいろんなうんちくが載ってる。
まあ、しかし、食は大事だ。
食べたもので体は作られる。
それは間違いない。
私は何でもたくさん食べ、
それを原動力にマラソンである程度の結果を出してきたが、
消化器系に問題が生じてからは、
満足した走りができなくなってしまった。
加齢なのか遺伝なのか不摂生なのか、、飲みすぎ?
いずれにしても食は大事。
本で学んで食べる。
今日も昔の会社の同期と神楽坂で飲む。
これはこれで大事。
酒は減らそうかね。飲み放題じゃないし。
はじめに 本は「読む」ものではない。「食べる」ものだ
第一回 食べなくっても大丈夫
第二回 明智光秀と忍者ダイエット
第三回 コロナと『養生訓』と『論語』
第四回 科学的か、愛か、それが問題だ……
第五回 「料理」という物語
第六回 グルメ小説家の悲劇
第七回 肉か、野菜か、それが問題だ……
第八回 メシ喰うな
第九回 この世界の片隅に
第十回 食事はどこから来たのか、食事とはなにか、食事はどこへ行くのか
第十一回 筋肉ってなんだ
第十二回 なんでも食べてやろう……かな
第十三回 最後の晩餐
第十四回 ひとりで食べる、誰かと食べる
第十五回 戦争と味噌汁
第十六回 失われた「食べる」を求めて
第十七回 食べる本
第十八回 世界の果てで食べる
おわりに