中山七里のレビュー一覧

  • 恩讐の鎮魂曲

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    敏腕だけれども高額報酬を要求することで知られる「悪徳」弁護士、御子柴礼司を主人公とした法廷ミステリシリーズ3作目。
    本作では御子柴が少年犯罪で収容されていた少年院時代に御子柴を矯正した指導教官・稲見が被告となる。入居する老人ホームで殺人を犯し、周囲の証言も、稲見の自白もあるという中でまたしても無罪を主張する御子柴。
    恩師に対する情から過去作以上に見切り発車的に着手するも、公判準備の過程で独自に捜査を続ける中で隠蔽された事実が明らかになり…という展開はこれまでと同じ。さすがに3作目ともなれば展開が読めてしまうし、作者はフェアに伏線をちりばめてくれているので真相の大枠は浮かんできてしまう。周囲の証

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    2025年08月14日
  • 能面検事

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    作家毒島で複数の事件を扱うのとは違って、能面検事は1冊でひとつの事件というイメージ。

    たしかにドラマ映えしそうだな〜と。

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    2025年08月14日
  • 祝祭のハングマン

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    ネタバレ

    犯人、事件の起きた深層を探っていくストーリーが多い中、これは違った。
    被害者遺族でもあり、刑事でもあり、ストレスを持って揺れていく主人公。
    展開は面白い
    けれど、もう少し掘り下げて欲しい部分もあったかな。共感できないまでも、この人物に寄り添える、もっと追いかけたいといったものがなかった。

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    2025年08月14日
  • こちら空港警察

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     成田空港が物語の舞台。空港警察の署長に就任したのは、あの高頭冴子でさえ恐れる仁志村賢作!一見温厚で人当たりの良さそうに見えるが、実は人嫌い、酷薄、唯我独尊タイプ!!空港ならではの事件、違法薬物や禁止品の持ち出し、入管での殺人、ハイジャックなどが勃発し、GSの蓮見咲良の協力を得ながらも事件を解決していくというもの…。

     成田空港は千葉だから、千葉県警のアマゾネス高頭冴子も登場したのはちょっと得した気分♪あと、宏龍会の山崎がちょこっと登場するサービスも嬉しかったです。でも何よりも、この仁志村のキャラがなんともハマりますよ!この作品もシリーズ化されるんだろうか?そうなったら嬉しいかも!!

     私

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    2025年08月13日
  • おやすみラフマニノフ

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    クラシックには素人なので音楽アプリを多様して演奏シーンを食い入る様に読みました。

    作品自体は岬先生のシリーズですがミステリーというより、演奏会に向けてバラバラだったオーケストラメンバーが色々な苦難がありながら成長し、最期に一つになった学園ドラマの様な印象が強いです。
    良いお話ですが私が中山先生に求めているのとは違う為に厳しめの評価となりました。

    後、初音さんとお父さんがあまりにも可哀想過ぎます。

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    2025年08月12日
  • 能面検事の死闘

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    駅前での無差別殺傷事件がロスジェネ世代の就職難問題や検察庁への爆破テロにまで繋がっていく。
    ストーリー的に仕方ないのかもしれないが、真犯人を知った時(何となく予想はついていたが)いくら無差別殺傷犯に復讐するためとはいえ、罪のない人を巻き込み過ぎではないかと感じてしまい、真犯人の悲哀みたいなものが薄れてしまった気がした。
    検察官が不在の時には事務官が代理を務めるのは初めて知った。美晴が上手くやれなかったのは想定内ではあった。
    彼女が感情的に動くのに賛否あれど、個人的には不破との対比を考えると彼女にはこのまま進んでもらいたいと思う。

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    2025年08月12日
  • 鬼の哭(な)く里

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    これが最近たまに聞く嫌ミスってやつなのかな。

    排他的な農村×コロナ禍の閉塞感の舞台装置は抜群で、全くもって住みたくないクソ集落が誕生している。
    若干、最近問題視されるところの「嫌な場所」のモデルケース的な因習村という描き方の気もするが…。

    真相が明かされるものの、推理のカタルシスは薄く、胸がすくような思いもなく終わる。ラストに投げかけられる真実も、そこまで意外でもなく、「お前ら嫌な思いだろ~」という作者が前に出ているようでそんなに心に響かなかったな。

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    2025年08月12日
  • 魔女は甦る

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    中山先生はサツ害方法の描写が生々しくて、でもの描写力に惚れ惚れしているのだけれど
    この作品はまた、、、
    理性が無い故の残酷さが凄かった。
    そして犯人がわかった時の救いようの無さも最上。

    ちょっとスムーズに話を飲み込めない部分もあったので、個人的には星3で。

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    2025年08月12日
  • ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人

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    期待を裏切らない面白さ。
    ワクチン接種と副反応。製薬業界との癒着。
    重いテーマですが、副反応の被害者である少女たちと、その接種を勧めた産婦人科協会の女が誘拐されるという、いわば対立する両陣営の少女たちを誘拐、という謎に溢れる誘拐劇。
    途中までは予想が当たりましたが、その奥の真犯人までは想像できませんでした。さすがのどんでん返しです。
    犬養さんは好きなキャラクターなので、女性には得意の洞察力が働かないのは残念。
    明日香は正義感あって好感が持てるキャラクターなのでしょうが、時折見せる暴走と立場を理解していない言動に、もどかしさも募ります。犬養さんの引き立て役、であれば納得の配役なのでしょうが。

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    2025年08月11日
  • いつまでもショパン

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    ネタバレ

    岬先生の出番が少なくて少しガッカリ。
    でもヤンが慕ってたカミンスキーが黒幕だったなんてヤンの気持ちを考えると悲しかった。

    ・「ミスがあるのは仕方がない。しかしミスを放置するのは望ましくない」

    ・像を見上げる。二百年前に生まれ、ポーランドを愛し、数多の音楽と心臓だけを故国に残した男。その顔は微笑しているようにも、哀しんでいるようにも見える。

    ・ベートーヴェンを難なく弾きこなした者がショパンを弾くとたちまちアラを出し、ショパンを見事に弾ききった者は他の作曲家の曲も完璧に弾いてしまうという事実だ。言い換えればショパンを完璧に弾くピアニストは如何なる曲も完璧に弾ける。ショパンを聴くまでその才能に

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    2025年08月11日
  • 能面検事の奮迅

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    ネタバレ

    国有地の払い下げに関する収賄事件に挑む、不破と美晴。
    ストーリー展開としてはオーソドックスに事件関係者の隠された繋がりを見つけ、表面化されていない事件が炙り出される。そこから軽いどんでん返しがあるところがこの作者らしい展開。不破のスタンスは全くブレてないが、その中に彼の人間性も垣間見れる結末は良かったと思う。
    ネタバレになってしまうが、小春の遺体を彼女の家族が心配するのが分かっていてなぜ遺棄したのか疑問であったが、真相を知るとその点も納得いくものであった。

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    2025年08月10日
  • 嗤う淑女 二人

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    ネタバレ

    カエル男シリーズと繋がりがあるのは知っているけど先にこのシリーズを読み終えておこうと思った。3作目ということで巻き込まれる人間の数も増えに増え、もはやテロ。タッグを組む女がどうやら…と察しは付いた。しかしミチルはまだ続けるのだろうか。次は世界でも相手に天下でもとりそうな勢いだ。それまでに、カエル男シリーズを読破せねば!さゆりと決着をつけて欲しい。

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    2025年08月10日
  • 中山七里 短いお話ほぼ全部 短編&掌編&エッセイほぼ全仕事!

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    書名のとおり短編からエッセイ、解説文まで作者の短い著作を集めたもの。

    短編は作者の技法が凝縮されて、読みやすいが最後に捻りを効かせたもの。ただ捻りの効き具合は期待したほどではない印象。

    エッセイや解説文は作者の嗜好や交友関係などがわかって興味深い。
    多作で知られる作者だが、読書や観ている映画の量も半端なく、やはり仕込みというか充電というか、仕事量に見合う努力は欠かせないものだと思った。

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    2025年08月10日
  • 災疫の季節

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    ネタバレ

    週刊誌副編集長の志賀倫成シリーズ第二弾。

    コロナ禍の中、病院に乱入してきた反ワクチン組織の長が殺害される事件をめぐるミステリー。
    著者にしては犯罪が起こるまでが長いように感じたが、真相は予想の範囲内とはいえ、どんでん返しもあり面白かった。
    特に昨今の選挙や災害においてエビデンスのないデマに踊らされないようにしようという警句でもあるかな。
    タイトルがデビュー作の「連続殺人鬼カエル男」の改題前の「災厄の季節」に酷似していて混乱しました。

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    2025年08月09日
  • 連続殺人鬼カエル男ふたたび

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    ネタバレ

    2025/44

    有働さゆりは収容され、御前崎が爆死。
    犯人は、さゆりが保護司を務めた青年の当真では?という展開。

    今回は
    御前崎の爆死(描写エグくて良い)、硫酸で溶ける、電車で轢死、そして一番やばいのが生きたまま足から破砕機に入れられる。

    硫酸と電車は犯人の仕業じゃなくて、事故と自殺。

    本当の狙いは、破砕機に入れられた精神科医だった。

    正直シリーズの中では一番微妙だった。

    古手川だいすきなんだけど、有働さゆりのことになると本当に判断力失うの読んでてイライラした。
    私も渡瀬みたいに顰め面して読んでたと思う(?)

    古手川の今後の成長に期待。

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    2025年08月09日
  • 武闘刑事

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    前作の越境刑事は、大学生に代筆でもさせたのかと思うほどひどい内容でしたが、ちゃんと高頭冴子の話になっていたことにまずホッとしました。米軍を相手取るとなるとまた破天荒な話の展開になるのかという懸念も当たらず、蓋然性のあるストーリー展開の上、オーソドックスながら綺麗などんでん返しで座りのいい終わり方。
    強いて言うなら、カエル男などのような目を剥くレベルのインパクトはなくて、少し刺激にかけた印象です。

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    2025年08月08日
  • 隣はシリアルキラー

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    ネタバレ

    メッキ工場の安普譜の寮。隣の部屋の風呂場からギリッギリっぎりっ,と何かを解体している音がする。気になって眠れない神足友哉。寝不足で,あわや職場で死にそうになる。でもこのままだと、本当に事故死してしまう。
    隣は徐浩然(じょはおれん)と言う中国人。交渉しても「ニホンゴワカラナイ」と言って取り合わない。
    そうしていると25歳女性の腕が見つかる。
    まさか隣で本当に人の遺体を解体してるのか!?
    そうしているうちに、第二、第三の遺体の一部も見つかる。それらは全部,一部だけ。そして被害者は若い女だ。
    徐が、腕を捨ててるのを見た。それを警察に匿名でリークするが、腕は見つからない。だがしばらくして少し離れた場所

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    2025年08月07日
  • 災疫の季節

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    なぜ今さらコロナ禍の話?という疑問が湧いたが、2022年から2023年にかけて連載された話を今頃になって単行本にしたかららしい。

    コロナ禍で医療崩壊しかかった病院で起きた、反ワクチン団体の代表者の殺人事件。怪しい陰謀論の滑稽さ、マスコミの無責任さ、医療従事者の苦悩などをどれもサラリと描くが、そのどれもが中途半端で、ミステリとしても今ひとつ。

    反ワクの滑稽さは冷静に見ればわかるのに、いまだにSNSにはその手の陰謀論を信じている人が後を絶たない。
    マスコミの口先だけの正義は嘘っぱちだととっくに読者は見抜いているし、売らんかなの下世話なネタや、節操のない煽りにもうんざり。
    描いていることはごもっ

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    2025年08月05日
  • 追憶の夜想曲

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    敏腕であるが、高額報酬を要求することから「悪辣弁護士」と揶揄される御子柴礼司を主人公に据えた法廷ミステリ長編シリーズの第二作目。一審では求刑通りの量刑で有罪判決となった妻による夫殺しの被告の弁護人を、前任者を脅迫してまで交代した御子柴。法廷では因縁のあるこちらも実力派の検事との一進一退の攻防がぐいぐいとページを捲らせる。そうは言ってもどこか被告が非協力的なところもあり当初見立て通りに形成不利に追い込まれていく御子柴。そもそもなぜ金にも名誉にもなりそうにない事件の弁護を引き受けたがったのか、そこのホワイダニットに御子柴礼司という弁護士の弁護士たる所以を詰め込んだ構成は見事。その見せ場をつくるため

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    2025年08月05日
  • 災疫の季節

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    コロナ禍のしんどさを思い出して苦しかった…
    コロナ禍でのそれぞれの役割、コロナ禍が生んだ狂気、言い分は様々だけど、やはり医療従事者の大変さには頭が上がらない。

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    2025年08月05日