中山七里のレビュー一覧

  • 能面検事の死闘

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    前作でほんの少しだが人間らしい部分を見せてくれた不破検事の戦い、第三弾である。

    今回の犯人は七人の男女を殺害した無差別殺人事件の犯人、笹清政市。連続殺人ではない。人通りの多い駅前で、次々に殺害して現行犯逮捕された犯人である。
    こういうふざけた態度の犯人に不破検事をぶつけてくれると、本当に胸がスカッとするなあ。
    自分はただ加害しただけで、被害者より強い立場に立ったと勘違いしている。自分の中にある人間性をかなぐり捨てたおかげで、他人を加害する立場まで堕ちたのだと思ってもいない。
    この辺のことをなんとか飲み込めるようになることが、贖罪の第一歩なのだと思う。
    中山七里さんの他の作品では、このスタート

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    2025年08月29日
  • ヒポクラテスの困惑

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    シリーズ6作目はコロナ禍のお話。解剖シーンは少なめで物足りない。コロナを扱うのは今更感があるが、読めばおもしろかった。しかしこの作者は難しい言葉を使いたがる。。

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    2025年08月29日
  • いまこそガーシュウィン

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    ガーシュウィンのラプソディインブルー
    分断の進むアメリカで融合のためのコンサートを計画。2台のピアノによる共演のピアニストの1人は岬洋介。
    コンサートに新アメリカ大統領が出席。暗殺者がゲスト演奏者となり狙う。
    切迫感のある展開と音楽の豊かさ。
    岬がどこで活躍するのか最後まで読めなかった。
    面白い

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    2025年08月29日
  • 鬼の哭(な)く里

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    ネタバレ

    戦後の農村・姫野村で、村民6人が襲われる凄惨な事件が起きた。その犯人・巌尾利兵衛は鬼のような形相で山の中へ消えてしまう。姫野村では令和の時代になっても鬼の呪縛に囚われ、恐れられていた。その村では今でも鬼が哭くと人が亡くなるという言い伝えがある。

    令和の世に祟り?怨念?
    非科学的じゃないっていう突っ込みをさせないほどの排他性がとてもリアルに感じられる。まるで宗教に心酔する信者のようだと思った。外との交流を拒み、うちの中で生きていくというのは常識や科学的な考え方から遠のいていくことだと気づく。

    村の排他性や有無を言わせぬ世襲に嫌気が刺してしまう主人公の気持ちはよく分かる。彼に都会の価値観から物

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    2025年08月28日
  • 禁断の罠

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    面白かった。禁断の罠ってタイトルにあるけど、あんまり禁断の雰囲気も、罠の感触も伝わらなかった。どちらかといえば「遠回しな表現」とか、「婉曲技巧集」と言った感じ。

    中山七里さんの「ハングマン〜雛鵜〜」がおもしろかった!短編ながらもしっかり殺人事件を解決してた。長編の「祝祭のハングマン」も読みたい。
    米澤穂信さん目当てで読んだのだけど、ラストがいい感じだし、この時代の日本鉄道旅が風情があってよき。一際毛色が違うので、この短編集に含めるのがよかったのかどうかは、やや疑問。
    「妻貝朋希を誰も知らない」と「大代行時代」も楽しく読めた。

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    2025年08月28日
  • 連続殺人鬼カエル男 完結編

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    ネタバレ

    幕引に相応しい終わりではあるが、御前崎教授の実況見分の件で裏が読めてしまうのが残念。
    初回の衝撃が大きかっただけに、こじんまりした内容に感じるが、刑法39条への問題提起としての指南書となる。

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    2025年08月27日
  • 災疫の季節

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    コロナ禍の殺伐とした時を思い出しました
    日々増え続ける患者数、逼迫るす医療現場
    そんな非常事態の中でも繰り返される、給付金や助成金の不正受給、廃棄されるワクチンなど
    今でもコロナの罹患者は一定数報告されています
    あの頃の教訓は生かされているのでしょうか?

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    2025年08月27日
  • 能面検事の奮迅

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    能面検事・不破俊太郎シリーズ二作目。
    今回は議員の収賄疑惑が発端となった事件である。

    相変わらず惣領美晴ががんばっていて、不破検事との嚙み合わなさにニヤニヤしながら読んだ。情報通の総務課長・仁科も絶好調。
    大阪地検内部の手柄の取り合いなども描かれ、そこから距離を保っている不破の立場の難しさを感じた。印象に残っているのは金や権力とは無縁のものを大切に思っている被疑者を、不破が手強いと評したこと。なんとなく彼の本質を垣間見たような気持がした。

    次も読みます。

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    2025年08月27日
  • 祝祭のハングマン

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    中山七里さんの作品は好きだけど,この作品はあまりしっくりこなかった。ストーリーに面白みが欠けるような。ラストもやっぱりそうなるのか,という感じ。
    この後,主人公がどう生きていくのかは気になる。

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    2025年08月27日
  • 災疫の季節

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    忘れかけていたこともありましたが、世界が特に大変だった時期を思い出しました。何が正しいのか分からない状態で日々過ごしていた頃。報道やマスコミの偏った情報、さまざまな医師からの発信など何を信じていいか分からなくて、不安な気持ちを持ちながらも世の中の流れに合わせて行動していたように思います。

    数年経過して、日常生活が送れるようになりましたが、伊達医師の言葉にもあったように何事も学ぶことが大切だと感じました。

    「学ぶことだ。自分の言動を省みて、役に立ったこと立たなかったこと、失敗したこと成功したこと、後悔したこととしなかったこと。そういうのを忘れずにいれば次に似たような災いが降りかかっても慌てず

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    2025年08月27日
  • 夜がどれほど暗くても

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    志賀倫成は、大手出版社の雑誌『週刊春潮』の副編集長。スキャンダル記事に自負を持ち、充実した編集者生活を送ってきた。しかし、大学生の息子・健輔にストーカー殺人を犯して自殺したという疑いがかかる。彼の幸福は崩れ去り、取材対象からも罵倒される日々に精神がすり潰されていく。だが被害者遺族である奈々美と出会い……。圧倒的筆致で真実と愛を描く、傑作ミステリー(解説・西原理恵子)。

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    2025年08月26日
  • いまこそガーシュウィン

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    不穏な社会情勢の中、コンサート開催に向けて動く主人公の視点と、愛国者と名乗る人物からの視点から描かれる。音楽の素晴らしい描写を用いつつもサスペンスのように謎が少しずつ明らかになりながら進む。シリーズものだが、本作だけでも楽しめる。

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    2025年08月26日
  • 連続殺人鬼カエル男 完結編

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    中山先生の作品は何作品か読ませていただきました。初めてカエル男シリーズを読みましたが、トリックとしては予想を裏切る展開で面白かったのですが、爽快感が溢れる騙された!!!という感じではなく、なんだか終わった後も少し湿ったような感じで終わる感じでした。続編があるのでそちらも読んでみた上で感想をまた書いてみたいと思います。

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    2025年08月25日
  • 境界線

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    五代のキャラが良い。

     「‥菜穂子は恨めしそうに言う。恨んでいるのが夫なのか、それとも竜弥なのかは分からない。ひょっとしたら本人にも分からないのではないだろうか。」
     心の機微の表現がいいなと思う箇所がいくつもあった。
     エログロでない中山先生の著書も好き。

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    2025年08月25日
  • 連続殺人鬼カエル男ふたたび

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    ネタバレ

    どんでん返しに次ぐどんでん返しに次ぐどんでん返し……と延々繰り返していけば、どんな面白い物語だろうが次第に陳腐でこじんまりしたどうでも良い結末へ向かっていかざるをえないなと。最後の「お前の負けだよ!」「いや、やっぱりお前の負けだよ!」みたいなやり取りは子どもの喧嘩のようでなんとも……。あと、なんというか前作で殺された有働真人可哀想だなって。仕方ないとはいえみんなさゆりと勝男の事ばっかりで真人の事なんてすっかり忘れてそうな感じが不憫。殺される為だけの存在だったのかな。そして行間の至る所から滲み出てくる著者の思想が私には全然合わないなと実感。

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    2025年08月25日
  • ヒポクラテスの悲嘆

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    ヒポクラテスシリーズ 第5弾。

    引きこもりをテーマにした5編の短編連作集物語
    引きこもりとその家族との間で起こる事件で
    解剖からの事件解決にいたる作品でした!

    目次の数字が気になっていたんだけど、
    読んでめちゃくちゃ納得してしまった‪

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    2025年08月24日
  • ヒポクラテスの困惑

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    #ヒポクラテスシリーズ 第6弾。
    コロナ禍を舞台にした作品。
    シリーズの中で1番読みにくかったな
    もっと解剖シーンが見たいし、
    もっと法医学に関するところが読みたいな

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    2025年08月24日
  • 作家刑事毒島の暴言

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    出版社周りの実態が恐怖すぎる。実際は知らないけれどエッセイとかでもあったから案外リアルなのかも。書評家とかは本当に必要性がよくわからないのでプライドの高さは理解できないし、毒島さんのこき下ろしは好き。とは言えいつもよりも毒っ気が少なかった。もっとガシガシ言って欲しい笑

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    2025年08月24日
  • 能面検事

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    過去のある出来事から表情を変えない検事と感情がダダ漏れ事務官、意外といいコンビになりそう。検事の言っている事は理想論ではあるけれど、その信念を曲げることのない姿勢は隠れファンができるのも分かる。検事にも感情が出ることがあるのか、事務官の成長があるのかとか今後気になるところ。

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    2025年08月24日
  • ヒポクラテスの困惑

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    コロナ禍、法医学教室に運び込まれた
    ご遺体の解剖で明らかにされる死の原因。

    1人の死を発端に、社会を巻き込んだ大事件に
    発展していく。

    たくさんの四字熟語と軽快な描写、
    硬と軟、堅と楽の緩急に乗って
    流れるように進む物語。

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    2025年08月23日