中山七里のレビュー一覧
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姫野村で生まれた中学2年生の天木裕也は、閉鎖的な村と人間関係、そして口を開けば家業のパセリ栽培を手伝わせてくる両親にうんざりしており、早く大人になって村を出たいと密かに思っていた。世の中がコロナで大変なころ、ただでさえ人の出入りに敏感な姫野村に、新しい住人・麻宮恭一が引っ越してくる。大人たちはみな、東京からくるようなやつはコロナに感染しているから決して近づくなと口を揃えるが、裕也は麻宮と一言二言話すうちに仲良くなり、人目を避けながら交友を続ける。麻宮は姫野村の郷土史を調べたがっているらしく、裕也は昔この姫野村で起こった、村人6人を惨殺し、鬼哭山に逃げ込んだ厳尾利兵衛の話、そして今も山から鬼が
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Posted by ブクログ
◆予選を突破できません
◆書籍化はデビューではありません
◆書評家の仕事がありません
◆文学賞が獲れません
◆この世に神様はいません
上記5篇の短編集。
毒島シリーズ第4弾にして、原点回帰というか、今回は第1作と同じく、完全な短編集。文学人界隈の事件になると、犬養がさっさと毒島を呼び出して高千穂に押し付ける、もしくは麻生班長から担当をふりわけられてやっぱり高千穂が毒島の相手をする…という流れ。きっと七里さんのうっぷんが溜まったんだろうなぁと思うほど、毒島が各所で毒づく毒づく(笑)。文学賞をとったり第1作を書いただけで天狗になっているような作家には、グサグサとナイフのように本作が突き刺さりそう -
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犬養隼人シリーズ第3弾
記憶障害を患った少女が街中で忽然と姿を消した。誘拐事件として捜査が始まった矢先、第二の誘拐が起きてしまう。
子宮頚がんワクチン接種の副反応によって奪われてしまった少女たちの未来を思うと、胸が痛む。悪いと分かっているならやめればいい。製薬会社・産科学会・厚労省といった大きな組織と利権が絡まると、悪いならやめるというシンプルなことが通らない現実を突きつけてくる。ワクチン接種の弊害について、知ることができた。
個人的に一番の印象に残ったのは、捜査員たちが70億円の現金を抱えて大阪の繁華街を駆け巡るシーンだった。調べると10億円の現金が約100kg、確か捜査員10数名での -
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ネタバレ報道番組はあまり観ないので、中山七里の小説にはリアルを感じてしまう。
司法の矛盾や問題点を、物語から教わってる気がする。
──ここから、ネタバレになります。
連続殺人鬼カエル男の事件はまだ終わっていなかった……!
グロテスクな内容だけど、ホラー系よりはマシかも…(個人の意見w)。
またも五十音殺人事件が勃発。このままなんの手がかりもないままなの?と思いきや、「お!」という展開が……
エンターテインメントは全開より少なめ、かも。
個人的意見ですが、早期な展開を期待してしまった。それから、伏線が張りめぐされたわけでもなく……読んでいて「ん?」という疑問が膨れ上がって、真犯人が出てきたときは「 -
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なんか、怖そうなタイトル((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
でも読後、あれ?そんなに怖くはなかったかも…と、思いました。
物語の舞台は岡山県姫野村、人口300人足らずの限界集落で、約70年前に村人6人を惨殺したとされ世間を騒がせた巌尾利兵衛の呪縛に囚われていた。それは、数年に一度鬼哭山から利兵衛の咆哮が轟くと、村人が死ぬというというものだった。時は流れて令和2年…村の人々は新たなる恐怖、新型コロナのパンデミックに晒される中、東京から転地療養として移住した麻宮…、この地域に息がつまっていた隣家に住む中学生の天木裕也は麻宮と親交を図るようになっていった矢先、鬼哭山から咆哮が轟 -
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刑事毒島シリーズ第4弾!この作品も出版業界の厳しさをとことん描いたものになっていました。
5話の連作短編集と言ったらいいのか、小説講座の講師や大物書評家、新人作家、文学賞に固執する作家、宗教団体書籍のゴーストライター等々…毒島が毒舌を行使しつつ事件を鮮やかに解決します。よくもまぁ、こんなに口が回ること!「うふ、うふふ、うふふふふ」も健在でした!!ただ、他の読書家さんが触れているようにもうちょっと毒島にいっぱい登場してほしかったかな…。
大物書評家と文学youtuberとの作品は、今こうしてレビュー投稿している私が本当にそれでいいのか…考えさせられたかな!楽しく好きな本が読めればそれで -
Posted by ブクログ
“色”に関係したキーワードを持つ7つの事件を描いている。それぞれの事件は単独だが、最初と最後の事件にはつながりがあって、物語に一体感を持たせていた。
完全な善人もいなければ、完全な悪人もいない。その人の中に善い面・悪い面があるだけだというようなフレーズが印象に残った。高瀬は、相手の心を読み、読んだ心をうまく誘導して相手の行動を操ることに長けていた。相手の心を思いのままに操るという点では、「嗤う淑女」の美智留と共通する。高瀬の場合は、心を読み操る才を持ちながらも根は善人だった。
1人の人間の中に、善と悪が同居する。善を積めば徳となり、悪を積めば毒となる。なるほどねと手を打ちたくなるような言い