中山七里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ痛くて重い。
読んでいる間の感想はほとんどこれ。
いろんな意味で痛々しい。
読み進めるのを億劫に感じることがあるほど。
ただ読後にドビュッシーが聴きたくなるのは
間違いない。
知ってはいても、聴かずにはいられない。
何度も何度も手を変え品を変え、
美しいと言われ続けるからかな?
ミステリーの要素としてはあまり…。
遺産相続絡みやら、入れ替わりやら、
伏線もあってパーツとしては良かったけど、
音楽の蘊蓄が長すぎて…。
ハラハラやワクワクが削がれて
思ったより盛り上がれなかった。
学校でのいじめの描写も必要性を感じられない。
またこのターンか…と感じた。
ラストもモヤモヤが残るストーリー。
最後の最後、
さよなら、ドビュッシー。
という一文は素敵すぎて、
読んで良かったとは思えた。
中山七里さんの他の作品は好きなので
期待しすぎたかも? -
Posted by ブクログ
中山七里氏の『祝祭のハングマン』を読み終えた。
本作は、法では裁ききれない「悪」に対して本当の正義とは何かを問いかける重厚な社会派ミステリー。
物語の序盤から、理不尽な事件や権力によって守られる加害者の姿が克明に描かれ、読者に強い憤りと無力感を抱かせる。その感情の蓄積があるからこそ、ハングマンによる「制裁」が始まる展開には、単なるカタルシスでは割り切れない複雑な感情が揺さぶられた。私刑(私的制裁)を描きながらも、安易にそれを正当化しない姿勢に作品としての厚みを感じる。
中山作品らしく物語のテンポは非常に良く、一度ページを開くと手を止めることができない。一見無関係に見える複数の事件が徐々に一本の線へと収束していく構成も見事で、伏線回収の鮮やかさには何度も唸らされた。特に終盤にかけて真相が明かされていく緊張感は圧巻で、エンターテインメント・ミステリーとしての完成度はすこぶる高い。読者をぐいぐいと引き込む構成力は、まさに著者の真骨頂と言える。
一方で、強い推進力で物語を引っ張る反面、人物造形や心理描写においてやや類型的(ステレオタイプ)に感じられる部分もあった。悪役や被害者がテーマを提示するための「記号的な配置」として際立っており、登場人物の内面にもう少し複雑な葛藤や揺らぎがあれば、人間ドラマとしてさらに深みが増したのではないかとも感じる。また、社会問題への切り込みは鋭いものの、一部の場面ではメッセージ性が前に出すぎており、読者に委ねるというよりは特定の結論へ誘導されているような印象を受ける箇所もあった。
本作は法の限界、被害者遺族が抱える癒えぬ苦しみ、世論やメディアの扇動性など、現代社会の歪みを巧みに織り込みながら、「正義」と「私刑」の曖昧な境界線を鋭く問いかけてくる。もし自分が被害者やその家族の立場だったら、法による裁きだけで心から納得できるだろうか。
タイトルの「祝祭」という華やかな言葉とは裏腹に、作中には人間の醜い欲望や権力構造、社会の闇が濃密に描かれている。この対比が作品全体に独特の不穏さをもたらし毒として効いている。
非常に読み応えのある傑作だった。 -
Posted by ブクログ
AI介護ロボットが殺人!? このテーマは現実として近づいてきているため興味深かったが、話の内容や会話の内容が高尚すぎてちょっと難しい場面が多々あった。
介護ロボットから発せられた高周波が介護相手のペースメーカーに誤作動を起こさせ死亡。
介護ロボが意図的にやったことなのか、されともトラブルか?
検察は、会社ではなく介護ロボを殺人犯として送検する。
結論としては、ペットが近づいたためそれを追い払うために高周波を出した介護ロボット。
そうなるよう、介護される側が仕込んだ自殺だった。(息子に迷惑かけないよう高額な保険金がわたるよう)と単純な真相ではあった。
AIは人間と何が違うのか 近い未来を問われる作品か -
Posted by ブクログ
「現代版・必殺仕置人」とのオファーにより書かれたという。
私利私欲に塗れた中堅ゼネコン会長の山路領平と山路のためなら手を汚すことも厭わない秘書の妻池東司。
山路らの裏金不正を糺したために無念の死を遂げた、警視庁捜査一課刑事の春原瑠衣の父誠也など3人の課長たち。
その一人須貝に古い恩義を感じる元敏腕刑事の探偵鳥海秋彦は、凄腕ハッカーの部下比米倉内記とともに、事件の真相を探るべく瑠衣に接近する。
明らかな疑いを抱きながら、司法の壁に阻まれる捜査当局や瑠衣たち被害者家族の忸怩たる思い。
一線を越えてしまうことに罪悪感を感じながらも、悪を成敗する達成感。
決行の場に選ばれたハロウィン当日夜の渋谷は舞台に不足なく、細工を施したアイスピックを用いた執行もオマージュ感に溢れる。