中山七里のレビュー一覧
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中山七里の作品としては異色な部類か。そもそも中山七里は「求められれば何でも書く」という作家なので珍しくもないが。
まず出だしが異色だ。戦後の農地解放で没落した地主の悲惨な境遇とその後の狂気から始まる。一体これはどういう話になるのだろうかと思っていると舞台は現代に変わり、昨今よくある移住者と地方町村のいざこざというかトラブルの様相を呈してくる。田舎にありがちな所謂「余所者」を快く思わず排除したがる人間が一定数いるという状況だ。ただでさえ起こりがちな事だが、本作ではコロナ禍という要素が加わり(しかも死病のごとく恐れられていた初期段階)、一層事情をややこしくしている。最後は謎解きというよりも科学的な -
Posted by ブクログ
御子柴シリーズは未読なので御子柴の登場にこれが噂の!と思ったけど、なんか感じ悪いキャラクター?
犬飼刑事はキャラクターに強い印象がなく、今回もあんまり。
そもそもパラスポーツの方に重きを置いている感じがして、途中事件のことを完全に忘れてたくらいミステリーの要素は少なめで、しかも想像がついてしまう結末だった。
トップアスリートだった沙良が、脚を失った絶望やパラスポーツに感じる落差には、リアリティがあって悲しい気持ちになった。
義足をつけて走れた時の臨場感と疾走感の描写が
素晴らしくて、何度も走る場面が出てくるのに全くくどくなかった。
早苗の義足と比べてずるいのでは?という点と、パラスポーツに挑戦 -
Posted by ブクログ
ネタバレ三陸の魚を専門に扱う魚屋さんでランチしたあと読んだ一冊。宮城県警3部作の最後。
中山さんが講演会で「このシリーズは被災してない自分が書いていいのかと思っていて、自分から今回で終わりにしてほしいとお願いした」ようなことを言っていた。そう言いたくなる気持ちが少し分かるような作品。
ミステリーとしてどうかよりも、被災した人たちの置かれた状況や心情がひたすら心に残る。
被災地が舞台だからか、シリーズ通して、殺した人・殺された人よりもっと悪い人というか存在がいる気がしてちょっとモヤモヤする。
制度って、こぼれる部分もあるし完璧じゃないけど、外に出てしまえば「大いなるもの」と同等のパワーを持つんだなと改