中山七里のレビュー一覧

  • 能面検事

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    「能面検事」というタイトルだが、主人公は新人事務官の惣領美晴。
    彼女の視点で感情をまったく表に出さない不破俊太郎という検事の活躍を描いている。

    テレビのドラマがスタートする前後で読み始めたので、違いを見つけたりキャストについて家族とあれこれ言ったりしている。楽しい。
    狂言回しという言葉があるが、主役の惣領美晴はこれである。ただ、狂言回しになって会話を進める相手の不破が「能面」というより「壁」なので、彼女は狂言ではなく壁打ちをやっているテニス部の補欠みたいになっている。これも、とても楽しい。
    相変わらず法に携わる人間は私情を挟むべからずという信条が打ち出されていて、読んでいて安心できる。続刊も

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    2025年08月23日
  • ネメシスの使者

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    ネタバレ

    死刑制度について考えさせる作品。
    最後に温情判決で死刑を避けていた渋沢裁判官「死刑ごときが極刑だと考えるのは幼稚な倫理観だ」とその理由を吐露、懲役とは内側から人間性殺していく刑罰と言う。
    何か釈然としない終わり方。

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    2025年08月23日
  • 能面検事の死闘

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    シリーズ最新作。
    駅前での狂気的な事件から始まる場面がリアルだった。ただ、自分が氷河期世代ではないからなのか、性格なのか分からないがなぜそんなに世間のせいで人を殺せるのかが全てを感じ理解はできなかった。実際の事件もそうだがある特定の対象者に恨みを持って殺意を持つのは理解はできる。ただ、そうでなく無差別の殺人はなぜ起こるのか考えてしまった。そして、それは新しい恨みを産む。それが悲しかった。その恨みをはらすためにその後の人生が変わってしまう人間を作り出せる犯人が恐ろしかった。
    あと、やっぱり美晴は苦手かも。

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    2025年08月22日
  • 災疫の季節

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    コロナ禍における歪んだ正義感、マスコミの誇張した極端な論調、医師の苦悩など重苦しい話の中で殺人事件が発生する。
    話の流れから、犯人はこの人だろうと分かった。
    作者が得意の大どんでん返しの物語とは思わなかったが、コロナ禍の異常な社会や、そのような社会の発生前から潜在的にある人間の危険な言動などを考えさせられた。

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    2025年08月21日
  • こちら空港警察

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    ネタバレ

    成田空港に新署長・仁志村が着任した。
    グランドスタッフたちの第一印象は社交的で温和だった。しかし、ひとたび事件が起きるとやり手な警察官であることが明らかになる。

    千葉県警のアマゾネスこと、高頭冴子が恐るほどの切れ者で、空港内で起こる事件を次々と解決していく。

    見所は何といっても、飛行機ハイジャックと空港内でのテロ事件だ。それまでも麻薬密輸、武器密輸、空港内殺人事件で犯人を取り押さえる様は小気味よかったが、最後の事件は規模が違う。間違えば多くの犠牲者と成田空港の機能停止を余儀なくされる状況で、機転を効かせた策を練り、しっかり犯人を捕まえた。

    高頭冴子が恐る時点で嫌な予感しかしない。彼女が信

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    2025年08月19日
  • ヒポクラテスの困惑

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    シリーズ6作目。
    テーマが今じゃない感が凄い。
    もう2、3年前に出たのかと思ったけど、今年の作品だった。
    コロナ禍を扱う作品は、多くなってきたけど、そのピークも今は過ぎたかなと、個人的には思う。
    「命の砦」や「機械仕掛けの太陽」みたいに、現場を描いた作品なら、いつ読んでも違和感ないんだけど、この作品は違和感ばかり。
    コロナのワクチンがまだ開発されてない時の混乱している頃。
    お金に融通が利く、いわゆる上級国民と呼ばれる人たちが違法に手に入れた未承認のワクチンを手に入れ、その薬品を接種したことで、死亡する。
    埼玉県警の小手川は浦和医大と協力し、死の真相がヒ素を使った連続殺人であることに気づく。

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    2025年08月19日
  • 中山七里 短いお話ほぼ全部 短編&掌編&エッセイほぼ全仕事!

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    ネタバレ

    【収録作品】
    〔掌編から短編ほぼ全部〕
    オシフィエンチム駅へ
    ふたり、いつまでも
    『馬および他の動物』の冒険
    二十八年目のマレット
    被告人R365
    最後の容疑者
    ZQN再生
    4/19その日、山崎岳海は
    平和と希望と
    死ぬか太るか
    盆帰り
    二百十日の風
    リトルインディアの祝祭
    好奇心の強いチェルシー
    誰にも言えない犯罪の物語
    アンゲリカのクリスマスローズ
    屋上の戦場
    残されたセンリツ
    我が愛しきマンチカン
    〔エッセイ・日常〕
    ポセイドンの罰
    時限爆弾から遺産へ
    そうだすずさんに会いにいこう
    私とクラシック
    老メディアは死なず、ただ消え去るのみ
    転売ヤーよ、どこへいく
    そのブームは本物か
    言葉の

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    2025年08月19日
  • 七つの大罪

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    ネタバレ

    人を罪に陥れる【七つの大罪】(傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲)をそれぞれ七に関係する7人の作者(中山七里、岡崎琢磨(7月7日生)、川瀬七緒、七尾与史、三上幸四郎(三+四で七)、カモシダせぶん、若竹ななみ)が書く短編集。 どの話も個性的で、作者が作品に登場したり、自分のシリーズの人物が登場したりという面白さもある。怠惰の話は出来すぎと思いながらもホッとした。嫉妬と憤怒は罪が罪だけに心がずーんと重くなる…特に憤怒はちょっとホラー寄り。最後の暴食はちょっと気持ち悪い。

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    2025年08月19日
  • 悪徳の輪舞曲

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    辣腕の悪徳弁護士・御子柴礼司シリーズは4作目。今作では夫殺しの罪に問われることとなった御子柴礼司の実母の弁護を担当することに。かつて御子柴少年が犯した凶悪犯罪により加害者家族として社会から糾弾、迫害された母と妹にクローズアップすることで御子柴シリーズに深みをもたらしているのは流石。そして肝心の法廷ミステリとしても、圧倒的に形勢不利に思われる状況を淡々としながらも粘り強い捜査と劇的な法廷演出と鮮やかなロジックでひっくり返す。もはや様式美と言っても差し支えないのでは。

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    2025年08月18日
  • 災疫の季節

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    著者の作品としては少しゆるいかな?と感じた。設定がコロナウイルスが流行った極最近の話しで更にワクチン接種反対派或いは週刊誌の記者と病院で働く医師との対立そして殺人事件が、さて犯人は?最終にドンデン返しが。緊迫感があって面白った!

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    2025年08月18日
  • 特殊清掃人

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    誰もいなくなった部屋にこそ、住んでいた者の嘘のない生きざまが現れる──。特殊清掃業者〈エンドクリーナー〉には、日々、様々な依頼が押し寄せる。彼らの仕事をとおして、死者が抱えていた様々な事情が浮かび上がる。『護られなかった者たちへ』の著者が贈るヒューマン・ミステリー。



    少し前に 『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』を読んだばかりでしたが こちらは小説とは言え 孤独死した人の部屋の説明が生々しく 頭の中が想像した部屋の映像で汚染されていく様な気分になった。
    以前読んだ『鑑定人 氏家京太郎』の主人公も少しだけだけど登場した。
    3年前に読み終えていたけど うっすらとしか覚えていない…
    特殊清

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    2025年08月18日
  • 能面検事の死闘

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    シリーズ第3弾

    無差別連続殺人と、その犯人を擁護する「ロスト・ルサンチマン」と名乗る爆弾魔
    不破は2つの事件を担当することになる

    不破が事件を確認する中で真相の複線が垣間見えてしまい、読み進めて、あぁやっぱりそうだったのかと

    いくら能面でも無敵なわけではないのに、事故からの不破の復帰には無理がある

    ドラマ化になり、派手な演出をしたいのか残念
    もっと地味でも、不破ならではのものが読みたい

    作者は警察vs検察という図式を作りたいのだろうか?

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    2025年08月18日
  • 作家刑事毒島の嘲笑

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    爽快感抜群の毒舌。
    さすが毒島先生、毒舌と皮肉のオンパレードは聞いていてスカッとしますね。
    今回は一つの事件が大元にあり、そこから川のように派生した事件を一つ一つ解決していく中で奔流に迫るというものでしたが、毒島先生の切れ味は変わらず鋭利でなにより。
    個人的に右翼左翼に詳しくないためのめり込めなかった分が前回との差かなと思います。
    もっと歴史とか社会に興味を持てば、本作も違った楽しみ方ができたのかも。

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    2025年08月18日
  • さよならドビュッシー 前奏曲

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    事件のトリックや背景は、思いもよらなくて、とてもおもしろかった。銀行強盗の話がいちばん楽しめた。
    でも、香月玄太郎のクセの強さや口の悪さはどうにもしんどくて、最初の方は読むのに苦労した。

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    2025年08月17日
  • 鬼の哭(な)く里

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    ちょっと誇大広告ですね、、、
    でも十分に面白くて楽しめました。呪いをどう科学的に解明していくのか、先が気になりドンドン読み進めてました。ちょっと東野圭吾のガリレオシリーズに通ずる様な謎解きの展開でしたが、なかなか天晴れな謎解きでしたし、何故主人公が謎を解こうとしたのかも納得いくストーリーでした。
    最後はちょっと悲しい様な、でもそうせざるを得なかった気持ちも分からなくもない、と言うの終わり方でした。

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    2025年08月16日
  • 特殊清掃人

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    孤独死などの部屋を専門に掃除をする特殊清掃の会社を舞台にした連作短編集。
    特殊清掃の会社・ラストクリーナーには社長の五百旗頭、白井、最近転職した秋廣の3人の従業員がおり、各章ごとに視点が変わる。
    近年の猛暑による熱中症の孤独死なども身近になり、一部のレビューではグロテスクとの評価もあったが、自分は人間死んだら、短時間でそんなになってしまうものなんだと勉強になった。
    特殊清掃の実態自体の表記は各章3分の1程度。それ以外はご遺体の謎に迫る構成になってるので、なかなか面白かった。
    グロテスクと言えば、グロテクスだけど、昆虫法医学シリーズを読んでる人ならば、多分お馴染みの光景。

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    2025年08月16日
  • ヒポクラテスの困惑

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    今回は一冊を通して事件解決しましたが、飽きることなく読めました。光崎教授があまり出てこなかったような…
    結局数年経ってもコロナに関しては問題解決されてないですね。

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    2025年08月17日
  • 災疫の季節

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     「災厄の季節」は「連続殺人鬼カエル男」の初期タイトル、ではこの作品の「災疫の季節」は、何かつながりがあるの?って思ったけど、つながりはなかったです。というより、「夜がどれほど暗くとも」に登場する志賀倫成が登場します。この作品を読む前に「夜がどれほど暗くとも」を読んでおいた方がいいのか?私は読めれば読んでおいた方がいいけど、読めてなくとも大丈夫だと感じました。

     コロナ真っ只中のストーリーです。「週刊春潮」の副編集長である志賀倫成は、購買意欲を煽る目的での反ワクチンに関わる記事を掲載し続けていた。彼の友人で医師の伊達允彦は、患者の命を救うことを最優先にギリギリの医療体制で日々奮闘しており、志

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    2025年08月15日
  • 能面検事の奮迅

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    途中から面白くなった。

    当時モリカケ問題とかよくわからなかったけど、起こった原因はこういうものの積み重ねだったのかな〜なんて思ったり。

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    2025年08月15日
  • 絡新婦の糸―警視庁サイバー犯罪対策課―

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     “絡新婦”って読めます?というか、京極さんの長編小説にもあるんで、そちらを読まれている方はわかるんでしょうけど、私は読めなかったんです…。“ジョロウグモ”って読むんですね!!

     ストーリーは、サーバー犯罪対策課の延藤慧司が、「市民調査室」と名乗るインフルエンサーに立ち向かうものとなっています。閑古鳥の鳴くラーメン店、薬物中毒の俳優、悪評の絶えない大学理事長に留まらず、熱海の老舗旅館や大手製紙会社も「市民調査室」のターゲットになっていく…。老舗旅館の経営者夫婦は風評被害により自殺に追い込まれてしまう。また、「市民調査室」を追う延藤をもターゲットにされてしまうのだが…。

     SNSって怖い…。

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    2025年08月14日