中山七里のレビュー一覧
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面白かったー!中山七里お得意のどんでん返しはありませんでしたが、そんな物は必要としないスピーディーで面白い展開で、終始飽きること無く一気読みでした。いくら何でもここまでの巨悪な隠蔽体質が警察に有るとは思いませんが、本当に警察大丈夫?!信じていいの?と疑心暗鬼になるお話でした。
中山七里の各シリーズには、それぞれの登場人物が少しだけ顔を出すシーンが有るので、それも少し楽しみです。今回は御子柴シリーズの御子柴の名前だけ出て来て、オッ!と思いました。
元々ヒポクラテスシリーズから中山七里作品をよく読むようになりましたが、その登場人物からの繋がりで、渡瀬警部のシリーズ~古手川刑事のシリーズと読み、そこ -
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ネタバレ死刑制度に対する種々の課題を生々しく表し続け、捕らえどころのない犯人をどう捕まえるかという話で80%読んだ時点まではすごく良かったが最後の2割が駆け足で消化不良
犯人の主張、方法については納得感があるものの、素性の分からない犯人をどう見つけるかの部分があっさり解決したこと、
渋沢判事の主張が感情論に偏っていて納得感が薄かったこと(更生や抑止などの理由からは遠いことや、房内でのうのうと生きて、なんならイジメを行うような懲役囚に対して主張してる仕打ちができていないため)
岬検事が立ち位置の割にあまり機能していなかったことなどが微妙 -
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ネタバレ中山七里といえば、私の中では東野圭吾と並んで凄いリーダビリティの作家です。それがたとえ個人的にはイマイチと感じる作品であったとしてもグイグイ読まされるのが常だったのに、なぜか本作は読むのに異様に時間を要してしまいました。
角川文庫の字の大きさが私に辛くなってきているのかしらと思うけれど、主人公のことがあまり好きになれなかったのがひとつの理由かと思います。
毎度最後の最後に驚かされるドンデン返しもなくて。というのか、えっ、彼女がそのまま仕置き人になるのねという展開は逆に新鮮か。道徳観を振りかざされるよりは良いかもしれませんけど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東日本大震災から7年経った仮設住宅のお話
役場の復興事業担当職員の遺体が仮設住宅の密室状態で発見、仮説撤去スケジュールをすすめる仕事がら住民とのトラブルか?
笘篠刑事の感じている「被災者で無事だった後ろめたさ」(共感は難しいが)いつまでも囚われ捜査の最中もぐるぐると痛々しい刑事だったが、ストーリーの中心テーマだった、笘篠と幼馴染の関係にヒビが事件を複雑に・・・読むべし
それにしても震災後の復旧に関わる行政のが「復興」と言い出すことで被災者ではなく利権に予算が吸われて、暮らしを取り戻すべき人には何も当たらない理不尽さに怒りを覚える作品だった