中山七里のレビュー一覧
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『正面からぶつかってくるか、闇夜に背後から忍び寄るような敵さえ作らんかったら、こんな根性曲がりでも長生きできるもんさ。
憎まれっ子世に憚るっちゅうのは、案外そういう意味やないかとわしは思う』(香月玄太郎)
主人公が80歳という高齢なのは初めてなので、かなり新鮮な視点でした。そのぶん感情移入しにくい部分もありましたが、玄太郎と静の老老コンビということもあって、高齢者問題について良く考えられたし、静のセリフで今までの自分の考えを改められた部分もありました!
新しい視点で楽しめて、視野が広がった感じがしました。
情報を小出しにして我々読者に推理させるというよりは、結構サクサク進んでいく感じです。長 -
Posted by ブクログ
火サスのようなヒューマンサスペンス。
中学校教師の穂刈は、女子生徒からいじめの相談を受ける。
けれど「我が校にいじめなど存在しない」という校長の顔が浮かび、面倒から逃れるように曖昧な対応をしてしまう。
そんな矢先、小6の娘・由佳が学校の3階から飛び降りたという連絡が入る。
原因は、クラスメイトからのいじめだった。
一命を取り留めた由佳。
しかしその直後、いじめの首謀者・彩が遺体となって発見される。
加害者の死、疑われる息子、揺らぐ家族。
加害者は守られ、被害者は晒される。
そして立場が変われば、正義もあっさり入れ替わる。
テーマは重く、考えさせられる。
…のだけれど。
娘が命をかけ -
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作家兼刑事の毒島と警視庁の高千穂がコンビを組んで出版やエンタメ業界絡みの事件解決に挑むストーリー。
プライドだけが高くて実力の伴いきれない新人作家の鼻をへし折ったり、自らの原作小説を脚色変更する監督やプロデューサーに冷静に怖い反撃を仕掛けようとしたりと、毒島は過激なことばの刃を放ちまくる。犯人を追い詰めるにも容赦なく、完全に逃げ道を断ち切り、獲物を゙追い込んでいく姿は圧巻であった。刃に衣着せぬ台詞は小気味がよく、しっかり犯人が分かって捕まるので読後感も良い。上司や同僚にはなりたくないが、第三者として眺めている部分で、毒島真理は大変興味深く面白い人物だと思う。
中山七里先生が作家のあるべき姿 -
Posted by ブクログ
■ 中山七里節が光る一冊
著者のお家芸ともいえる、鮮やかな「どんでん返し」が本作でも健在です。物語の終盤で景色が一変する感覚は、まさに中山作品の醍醐味だと感じました。
■ 音楽知識があれば、より深い体験に
作中のクラシック音楽に関する描写が非常に緻密で、ピアノやドビュッシーの楽曲に詳しければ、より解像度高く物語を楽しめるはずです。音楽の旋律が文章から立ち上がってくるような、熱量の高い筆致が印象的でした。
■ 個人的な好みとしての「星3」
ただ、私個人としては、本作のような本格ミステリーよりも、刑事にフォーカスした重厚なサスペンスや警察小説の方が好みであるため、今回は星3つの評価としました。