中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中山七里は「デミスの剣」で誤認逮捕・冤罪を書いたが、本作ではマスコミによる「誤報」がテーマだ。
「テミスの剣」では過ちを犯した刑事と判事は生涯重い十字架を背負っていく決断をする。ところがマスコミは誤報に関しては謝罪もせず、責任者ではなく現場のクビが飛ぶだけでとても内容に見合った罰を受けているとは思えない。
私個人はマスコミは一部の人を除いてクズ揃いだと思っている。大衆の野次馬根性を満たすために手段もモラルも問わない取材をしておきながら、自分たちがクズだと自覚していればまだしも、「報道の自由」「大衆の知る権利」「社会の木鐸」などと声高に叫び正当化する姿を見ると反吐が出る。殺害された被害者家族に対して「どんなお気持ちですか?」とテレビなどで記者が聞いている映像はいつ見ても胸糞が悪くなる。
では報道は、ジャーナリズムは不要か。そうは思わない。毎日世界で何が起きているかは知りたい。ただし客観的な事実のみを伝えてくれればそれで十分だ。
対象となった人の人生を狂わせ生殺与奪の実質的な権利を持っているという観点では、警察も法曹もマスコミも同列ではないだろうか。法曹は最高レベルの難関な試験をクリアして資格を得ている。警察官も試験に合格し厳しい長期間の教育を受けて初めてその資格を得る。同様の「人の人生を奪う」チカラを持つマスコミが無試験・無資格なのはどう考えてもおかしくないか。
ジャーナリストは難易度の高い試験と厳しい研修を受けた者だけを有資格者とし、通常の報道は人を介さず、進歩しているAIに客観的な事実だけを報道してもらえれば十分だと思うが如何だろう。 -
Posted by ブクログ
「護られなかった者たち」「境界線」の宮城県警シリーズ第三弾にして完結編です。この作品にも前作にも登場した人物が描かれていることと、背景には東日本大震災が大きく関わっていることなどは共通してます。前作では宮城県警の笘篠のことが、この作品では蓮田のことが大きく取り上げられています。
宮城県南三陸町の仮設住宅において、同地区役場職員掛川が殺害された。国は仮設住宅から災害公営住宅への転居を推奨しており、現場となった部屋は空き部屋だった。それでも費用面や慣れない環境で今後過ごさなければならないことに難色を示し、現在も仮設住宅で3世帯が暮らしていた。宮城県警の笘篠と蓮田が捜査にあたる中、浮上したのは蓮田と過去につながりのあった友人たちだった…。
震災などなければ、その前に色々あったとしても再会を単純に喜び合えた4人だったんじゃないかな…そんな風に思いました。国や行政は復興に前のめりになって、肝心な被災者さんの思いを蔑ろにしていることはすごく問題だと思いました。ここまでできるか??と問い詰められたような読後を持ってしまいましたね…。この作品で完結してしまうのは、なんだかちょっとさみしいかな…。