中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子宮頸がんワクチンの副反応被害と絡んで7人の少女たちが誘拐されるという劇場型事件が発生、警察が翻弄されていく。犯人の目的は何か、犯人は誰か?
私は、子宮頸がんワクチン問題が起こった時、実際に産婦人科のある病院の管理者をしていた。また小説にでてくる薬害エイズ事件の時は真相究明と被害者救済を求める運動のメンバーだったので一言。確かに製薬会社と医師(学会)と厚生省の癒着の構造などは近似しているのかもしれない。それでも血液製剤の中にエイズウイルスが混入していた(今はない)問題とワクチンの問題を同列に論じることには違和感がある。そもそも全く安全なワクチンや薬剤などはなく(医療そのものもリスクを含んでいる)、私たちが享受する恩恵がリスクを上回っていることで多くの病を克服してきている。問題はリスク情報を隠蔽すること。ワクチンの副反応や薬剤の副作用に対する情報の収集と十分なフォロー(発症した場合の早期のケア等も)が必要なのだと思う。また製薬会社や学会、厚労省も因果関係が明らかでないとして切って捨てる(ニセ患者扱いをする=これは本当によくあるが)のではなく、救済と因果関係を究明していく姿勢に立ってもらいたい。「被害者(重篤な症状が出ている人)」は心身ともに深刻な苦しみを抱え経済的にも厳しい人が多くいる。
私の病院でも子宮頸がんワクチンについて当初はリスクの情報はほとんど入って来ず、産婦人科医師からははやく取り組んでほしいとせっつかれていた記憶がある。新しいワクチン、薬剤の採用ついては慎重すぎるぐらいがいい。
私はコロナワクチンはすべて接種した。情報提供とフォロー体制も整備されていた思う。それでも副反応で重篤な被害受けられた方もいる。こうした被害を少しでも減らす努力と救済はやはり必要なのだと思う。 -
Posted by ブクログ
中山七転八倒
著者:中山七里
**あらすじ**:
雑誌連載が10本に減り、焦燥感に駆られながらもブランデーを片手に原稿に向かう――。数々のどんでん返しで読者を魅了する“どんでん返しの帝王”中山七里が、自らの創作の舞台裏を赤裸々に語る爆笑エッセイ。プロットの行き詰まり、編集者とのやりとり、そして時には体を張った執筆の日常がユーモアたっぷりに綴られる。執筆論でありながら、一種の冒険記でもある本作は、創作者ならずとも楽しめる一冊。
**感想**:
中山七里さんの作品はこれまでも数多く読んできましたが、今回はフィクションではなく、著者自身の創作の裏側を描いたエッセイということで、また違った興味を持って読みました。一言でいえば「凄まじい」。想像以上に過酷でストイックな創作の日々に、ただただ圧倒されました。
多作の作家であることは知っていましたが、取材ゼロであれほど専門的な描写を可能にしているとは驚きです。膨大な読書や映画鑑賞を通じて蓄積された知識が、あのリアルな物語を支えているのだと知り、あらためて中山さんの引き出しの多さと探究心の深さに感服しました。
「憧れ産業」という言葉が印象的で、夢や理想だけでは続けられない世界で、常に締切と向き合い、命を削るようにして作品を生み出しているその姿勢は、小説家という職業の厳しさを教えてくれます。とはいえ、宗教の勧誘を撃退するユーモアたっぷりのエピソードなど、クスッと笑える要素も満載で、読んでいて飽きることがありませんでした。
読後には、中山さんが本書で強く推していた映画『この世界の片隅に』もさっそく視聴。創作の重みと尊さをさらに実感しました。どうか無理をせず、健康に留意しながら、今後も読者を驚かせてくれるような作品を生み出してほしいと心から願います。 -
Posted by ブクログ
すっかり毒島先生のファンである。傍若無人で冷酷、口を開けば皮肉や毒舌が飛び出すのでおよそ現実には出会いたくない人物だけど、時折相手へのエールを滲ませたりする人間味がグッと来た。まさに沼な言動。これはトリコにならざるを得ないというもの。
出版業界を皮肉りまくるブラックユーモアが、「現役の作家さんがここまで書いちゃっていいの?」と心配になるレベル。
業界の内幕劇が好きなので興味津々で読んだが、誇張はあるだろうけれど、こんなにも魑魅魍魎が蠢いているのか、出版業界⋯
毒島の針のように鋭い舌鋒が、承認欲求・自己陶酔の権化みたいな出版関係者をバッサリ斬る様は妖怪退治みたいで痛快で、スカッとして気分がいい。でも業界関係者からしたら気が気じゃないのではなかろうか。
内幕劇としての読み応えももちろん抜群なのだが、ミステリとしてもめちゃくちゃ面白い。短編だからか大掛かりなものは無かったけれど、どんでん返しの帝王の異名に恥じぬ意外な真相に驚かされっぱなしだった。 -
Posted by ブクログ
やはりこの方は次元が違う…
他の作家に喧嘩売ってるのか?っていうくらい、痛烈に執筆手法や小説家という職業について語っていて、こっちがヒヤヒヤする(本人にはその気はまったくないのだろうけど)。
小説家ならこれくらいやって当然でしょ?っていうことがいちいちハードルが高い。
「文章は最初から最後まで頭の中でできているから、それを打ち出すだけ」って、何を言ってるの?という感じ。
これを読んでビビったら、小説家を目指す資格はないのだろうと思わされる(なりたいと思ってはいないけど)。
中山さんの小説家という職業に対しての真摯な思いが伝わる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
中山七里先生の作品なんだよね?って、そんな印象をもってしまった作品でした。いろんなことが目いっぱい詰め込まれた感じで…でも、読み始めると止まらなくなっちゃうんですよね~!
冒頭、いきなり双子の姉妹の八重樫麻衣と優衣、ふたりと幼なじみの神川淳平とのお医者さんごっこから始まるんです!なんか、違う…!そんなふたりが暴漢に襲われるのを目の当たりにした淳平は、ふたりが受けた額の傷を聖痕(スティグマ)と認識しこれからもふたりは自分が護ると決意します。そんなある日、双子の姉妹のどちらかが兄を殺害する場面を目撃します。翌日発生した阪神淡路大震災により、家族を亡くした淳平と優衣…ふたりが再会するのは16年後、淳平は東京地検特捜部の検事、優衣は是枝議員の私設秘書になっていた…。
何だろ、スケールがどんどん大きくなります…。2つの大きな震災と、義捐金詐欺、テロ……目白押しです。淳平と優衣が被災してその後どんな風に生きてきたのか、そこも知りたかったです。エンディングが悲しすぎますが、「総理にされた男」とリンクしてるんですよね?でも、そろそろ他の作家さんの作品も読みたいので、そのうちに読むということにしましょう(^o^)/