中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中山七里さんは非常に読みやすく、現代小説を語るには外せない作家のようなので再度手にした。
シリーズものが多いとウルトラマンさんに教えて頂いたがこちらも例に漏れず。
犯人が典型的なサイコパスで自身の死刑判決などには興味が無く、別の個人的理由で3番目の殺人と言われている案件に対しての弁護を依頼してくる。
徹底したキャラ作りが面白い。
犯人に暗い過去があるような作りも好きだが、この位振り切っている構成も好みだという事が分かった。
民間の鑑定所はまだまだ少ないのだろうか。テーマの目の付け所が良い。
「護られなかった者たちへ」のようなシリーズもあれば、このようなエンタメ司法ものも書けてしまう。相当な多作の作家だと聞いていたが納得だ。
このシリーズも追って行きたい。 -
Posted by ブクログ
また新シリーズが誕生した。
中山七里が書くテーマの一つに「無謬性の問題」がある。「テミスの剣」では警察(刑事)と裁判所(判事)を対象にそれを描いた。今回は科学捜査を担当する科捜研の無謬性にスポットを当てるため、民間の鑑定センターとして自ら独立した氏家京太郎というキャラクターを主役にしたのだと思う。刑事などの警察官よりも科捜研の方が確かに無謬性の妄信に陥りやすそうだ。「科学」という単語が間違いのないイメージに繋がりやすいのだろうか。しかし分析・鑑定を行うのが神ならぬ人間である以上、そこに誤謬は発生する。司法判断にしろ科学鑑定にしろヒューマンエラーは起こり得ると考え、組織やシステムを過信しないことが重要だ。
これからの世の中は生成AIが色々な場面で活用されることになる。人間ではなくAIが判断するようになれば無謬性の問題は解決するのか。否、そうではない。今後AIが進化してもハルシネーションは起こり得るし、高度化すればするほどその誤謬を人間が検知するのは困難になる。手塚治虫のマンガや映画「ターミネーター」のようなAIに人類の未来を握られるような世界にはなってほしくないものだ。
ちなみに本作では「ヒポクラテス」シリーズの光崎教授や「逃亡刑事」の高頭冴子が登場する。中山七里作品ではよくあるシリーズ横断キャラクター登場がまた楽しい。 -
Posted by ブクログ
特殊清掃の仕事を請け負うエンドクリーナーで
働く3人のそれぞれの視点で綴られる物語。
亡くなった人の部屋を清掃する中で
見つけた謎を解いていくミステリーの側面もあり
長編ではないけれど読み応えがありました。
人は亡くなると物体として扱われ、
肉は腐るし、虫は湧く…
なんとも言えない切なさを感じました。
作品の中で知り合いだった人の亡くなった部屋を
清掃する話があるけれど
個人的には1番印象に残る話でした。
大切な人がもし孤独死した時に
その現実を受け止められる自信は正直ないけれど
亡くなった人の想いを尊重して
その人のことを忘れずにいることが
大事なのかな。
改めて、特殊清掃の仕事についても
知れる作品で読んでいて興味深い内容でした。
人の死体から感染症の脅威もあるということに
びっくりしました!
今後も核家族化や高齢化による孤独死が
増えていくのが予想できるので
こういった仕事の需要が増えていくと思うと
複雑な気持ちになります。
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Posted by ブクログ
本書は2020年に刊行された中山七里さんの弁護士・御子柴礼司シリーズ5巻目。
最近の中山七里さんの物語は私的にはどれもけっこうハズレなんですが、この御子柴シリーズは主人公の過去があまりにもすぎて、世の中を穿っているかのような、それでいて真理を突いてくる外連味がかなり強烈なスパイスになっている。それがこの過去を背負う主人公と絶妙にマッチしていて、そこが読者にとって癖になる=読む手が止まらないというシリーズになっていると思う。
今回は御子柴の秘書が事件の犯人として起訴されるという内容で、これ、いったいどうやって法廷で闘うのか興味津々でどんどんページを繰っていった。また、今ではけっして珍しくないが、刊行当時はその視点は社会派としてよい着眼点といえたSNSの問題点を扱っているのも、ふむ、ふむ、だった。
ただ裁判の最後はちょっと物足りなかったかな、という気持ちは否めない。そこが★ひとつ減った理由だ。
この本を積読リストに入れた当時はこのシリーズの最終巻だったのだが、今調べるとこの次の6冊目が刊行されているようだ。★ひとつ減らしたものの、御子柴の外連味にまた触れたい私がいるのも事実。次回作も愉しみだ!
====データベース=====
私の仕事は無罪にすることで、
真相を明らかにすることではない。
30年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた800人以上からの懲戒請求書が届く。
処理に忙殺されるなか、事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともにした。がしかし、
翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。
洋子の弁護を引き受けた御子柴は、洋子がみずからと同じ地域出身であることを知り…….。
一度心に巣くった獣は、簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!? -
Posted by ブクログ
東日本大震災後の被災地で起こる事件を追う宮城県警・笘篠刑事シリーズの第三作。(『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く)
簡単に言えば第一作目は生活保護の問題、第二作目は被災した行方不明者の個人情報事故の問題、そして今回は仮設住宅から公営住宅への移転に関して、復興を進めたい行政と利権に絡む県会議員、似非NPO団体を巻き込んだ殺人事件だ。
そこに若手刑事の蓮田(第一作の映画では林 遣都が演じている)の幼なじみ4名の関係が絡んでくる…
シリーズものは登場人物がかぶっていたりするのも面白さのひとつではあるが、ミステリーの場合はトリックとか大どんでん返しとかで『やられた〜』となるのも面白い。
しかしこのシリーズは、やはり第一作目の『護られなかった者たちへ』が一番面白かったかなあ。
なんだかんだ言っても、もしシリーズ4作目があったは読むだろうけど…