中山七里のレビュー一覧

  • 月光のスティグマ(新潮文庫)

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    本作の特徴は、前半は淡い恋愛模様、中盤にかけては
    犯罪の匂いが漂いだし、最終局面では政治も絡んだ愛憎渦巻く刑事ものに豹変していきます。

    読む手が止まらないとはまさにこのことだな、と。

    純粋で真っ白に澄んでいたものも、たった一つの出来事をきっかけにその色を濁していく。本質は変わらないとしても本質をとりまく自分がそうなっていく。

    大切なもののためであれば、なんでもできてしまうのが人間のストロングポイントではある。それが例え、世間一般で許されないと分かっていることでさえも。

    読むたびに切なくて切なくて、でもなぜか主人公やヒロインに感情移入して、同情したり、嫉妬したり憎んだり、+にも-にも感情を揺さぶられる作品でした。

    読めてよかったし、読んでしまった。そう思いました。







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    2024年09月17日
  • アポロンの嘲笑

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    いやこれ映画とかで観たい……めちゃくちゃ大スクリーンでしっかりと事の顛末を見届けたい。
    そう思わせてくれる壮大な物語でした。


    中山七里さんの小説は本当に映像化と相性がいいよなと読む度に思います。
    こう、読んでいる時に文章から映像が自然と頭に浮かぶんですよね。
    頭の中に風景が浮かぶし、そこで登場人物がしっかり生きて動いてる姿が見える。
    だからこそこの話は読んでて辛いシーンも多かった。
    ていうか本当に加瀬……こんな事ってあるか?いくら何でも神様は加瀬に無慈悲すぎんか???もう少し優しくしてあげてもいいんじゃないのか???
    もうね、本当に加瀬がね、話が進むにつれてどんどんどんどん印象が変わっていくんですよ。
    その加瀬を追う仁科も相当辛かったのではないかと思う、二重の意味で辛かったのではないかと。
    でも逆にその経験をしたからこその最後のシーンなのかもしれないとも思うけど、でも、でもやっぱり神様はもう少し加瀬に優しくしてあげてもいいと思うんですよ。
    読み終わった後「嘘やん」って言っちゃったからね私は本当に。
    何と言うかそこも含めて映像で観たいなぁと思う部分もあるのですが、やっぱり震災やら原発やら扱ってる話は難しいのかなぁ……結構批判も込められてる感じがあるし。
    あとこれは余談なんですけど、凄くベテルギウスが加瀬に似合うなと思いました(実際読んでる時ずっと頭の中で流れてた)。

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    2024年09月14日
  • 笑え、シャイロック

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    大手銀行勤続3年目の銀行員
    営業部から 融資渉外部ー債権回収業務ー
    への移動
    移動に納得していなかったけれど
    先輩の見事な債権回収に 銀行員としての姿勢を学ぶ

    1 わらしべ長者
     自称デイトレーダーの負債を
    2 後継者
     会社を引き継いだ2代目社長の工場負債を
    3 振興衆狂
     新興宗教の負債を
    4 タダの人
     総裁選に敗れた政治家の負債を
    5 人狂
     指定暴力団フロント企業の負債を

    それぞれ所有する資産を考慮して大胆な回収方法を披露する
    しかも 一つ目の債権回収の後 先輩行員が他殺で見つかり 債権者のアリバイも確認してしまう
    事件と債権回収が並行して解決していく
    上手くいきすぎな感じもありましたが
    銀行員あるあるも読めて
    楽しかったです

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    2024年09月10日
  • セイレーンの懺悔

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    女子高生誘拐殺人事件を、刑事でも、当事者でもなく
    マスコミの記者が追いかけていくお話です。

    マスコミならではの視点、葛藤などが表されていて
    面白さを感じました。

    個人的にはあとがきの池上彰さんが良かったです。

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    2024年09月10日
  • ヒポクラテスの悔恨

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    シリーズ4作目。
    30年以上前、光崎教授が助教授だった時代のある出来事が明らかになる。それが現在の突然死にも実は関係してきて…というストーリー。

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    2024年09月06日
  • セイレーンの懺悔

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     ジャーナリストの苦悩を具体的に理解をさせて頂きました。人を責めるのでなく行為を憎むと思っていても視聴の数値は情け無用の誹謗中傷が引き上げる。そんなジレンマをまといながら視聴者のための言葉をもぎ取る。そんな時に立ち返るのは、原点。選んだ道の原点、間違った時の起点となる原点、絡み合った推測を紐解いたら辿り着く端点。改めて現認することで判明する無二の真実。新人の足掻き苦しむ過程が短時間で成長される様を見せて頂いた。
     解説は池上彰さん。言わずと知れたお茶の間のの教授だ。世の事なら何でも分かりやすく解説してくれる。そんな万能な先生も朝倉さんと同じ経験をなさって悩まれた。倫理観が保たれる範囲で知る権利と伝える義務を果たして、忌々しい事件が未然に防げると良い。何をしても誹謗中傷が蔓延としている今、発信者が懺悔する時が訪れるのか?悔やんで且つ前進してほしい。

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    2024年09月05日
  • 越境刑事

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    高頭シリーズの第二弾。予想の斜め上を行くハードな内容でした。

    某国による他民族への排斥行為に焦点を当てた作品でしたが、社会的なテーマの重さもさることながら、人の尊厳を踏み躙り、心をへし折る描写がハード。

    中山さんはこんな描写も書けてしまうんだ、と意外に思うと同時に、今なお増え続けているだろう引き出しの多さに脱帽。今後の展開が気になるシリーズになりました。

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    2024年09月05日
  • ラスプーチンの庭 刑事犬養隼人

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    藁にもすがる思いでそのような団体に助けを求めていく患者やその家族の心理、現実を知ると、大変苦しい…。

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    2024年09月03日
  • セイレーンの懺悔

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    朝の情報番組は「めざましテレビ」派ですが、特殊な事件、事故、災害などが起きた場合は数分おきに他の情報番組やニュース番組に切り替え様々な情報を得ようとします。番組により基本は同じ内容でも切り込みかたや、微妙にニュアンスの違った報道の仕方などがあるので。そういうテレビの報道番組制作の裏側を書いたのがこの作品。主人公の多香美が、ある事件のスクープを追いかけ、何が真実かを追い求め、成長してゆく物語。報道番組を視るものを惑わせるセイレーンに見立て比喩しているが、今の時代SNSなんかがそのもっともたるものではないか。

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    2024年09月01日
  • 騒がしい楽園

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    ネタバレ

    舞子が園生の保護者や上司である園長から幼児殺害事件の責任を押しつけられ、尚且つ過熱報道の被害にあっていく行が姉妹作である『闘う君の唄を』の主人公:凜と重なった。
    幼稚園教諭に過剰な負担を求めてボロボロになっていってしまう姿は現実を写していると思った。
    園児殺害の犯人は最後まで分からない様になっていたが振り返ってみると犯人と分かったきっかけの出来事が唐突だったなと思った。
    それでも個人的には幼稚園を舞台にしたこの2作は楽しめるものであった。

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    2024年09月01日
  • 闘う君の唄を

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    ネタバレ

    幼稚園教諭:喜多嶋凜が亡き父の犯した罪が暴かれたことで四面楚歌になる行がとても辛かった。
    加害者家族には何も罪が無くても、刑罰以上の苦しみがやってきて、尚且つそれが半永久的に続いてしまう現実が表現されていた。
    同僚達がそれまでの関係性が無かったかのように手のひらを返してしまう姿に理不尽なものを感じたが、それが現実なのかもしれない。
    最終的には一部父の汚名は晴されたが、その後の凜はどうなったのだろうか。曖昧な形で終わっていたが、周囲が再び手のひら返しになる場面を読むよりは良かったのかもしれない

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    2024年09月01日
  • 静おばあちゃんと要介護探偵

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    アガサクリスティの作品をもじったタイトルにちょっと嬉しくなるものの、痴呆、老老介護、老人による犯罪率の増加…テーマが身につまされまくる。

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    2024年08月29日
  • カインの傲慢 刑事犬養隼人

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    ネタバレ

    犬養シリーズの中、やはり子供絡みの事件を扱ったこの作品が、読んでいて一番腹にズーンとくるような、なんとも苦しくなる作品でした。

    臓器移植を待つ患者さん達はたくさんいらっしゃって、もし自分や身内がその立場なら…どんなにか待ち望むであろうとは考えるけれど、ここで犠牲になった子供達のことを考えると、最後の陣野の犬養刑事に対する発言は、タイトルにもあるように、傲慢としか言いようがない。

    中山七里先生の容赦のないストーリーの展開にいつも驚かされます。

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    2024年08月25日
  • 連続殺人鬼カエル男

    購入済み

    読む順番

    中山先生の作品は登場人物がクロスオーバーします。
    正しい読む順番が知りたい。

    わたしは『嗤う淑女』シリーズを『二人』まで先に読みました。

    ☆ひとつマイナスの理由は以上です。

    #ドロドロ

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    2024年08月24日
  • 逃亡刑事

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    千葉県警捜査一課の高頭冴子が警官殺しの濡れ衣を着せられ事件の目撃者である8才の少年と逃亡を繰り広げるノンストップ・ミステリーで、無実の証明と汚職の追及を晴らす様は読み応えたっぷりでした。
    続編も楽しみです。

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    2024年08月20日
  • カインの傲慢 刑事犬養隼人

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    刑事犬養隼人シリーズ第五弾。
    テーマは臓器移植と貧困。
    その裏側にあるとても重いテーマの物語。

    第四弾のドクターデスを読んでから読みましょう。
    前作に引き続き、とても考えさせられました。

    肝臓の一部を抜き取られた少年の死体が発見されます。
    少年は中国からやってきた貧困家庭の子供。
    さらに、別の少年も同様に内蔵の一部が抜き取られ、死体として発見されます。
    次々に発見される肝臓が抜き取られた少年たちの死体。
    いったい何が起きているのか?

    その裏側には貧困問題。子供の臓器を売ることでしか生計を立てられない貧困家庭。

    そして起きる殺人事件という展開です。
    臓器移植を企てる悪徳ブローカと病院関係者という単純な構図を描き、その犯人を追い詰め、黒幕へたどり着けるのか?
    という展開にスッキリ感満載というところでしたが、最後の最後で明かされる黒幕と犬養の会話がとても重い!

    これは、やられてしまいました。
    臓器移植は常に考えさせれれます!

    とってもお勧め。
    このシリーズは順番通り読みましょう。

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    2024年08月18日
  • テロリストの家

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    中山七里作品読破2作目。登場人物間の緊張感、現場の臨場感がたまらなく心に刺さる。大変読み応えがあったが、最後の最後でどんでん返しに繋がる伏線が少し弱い気がしてしまった。しかし高い評価。中山七里作品どんどん手に取っていきたい。

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    2024年08月17日
  • ヒポクラテスの試練

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    シリーズ3作目。
    エキノコックスの寄生による死亡例を調査するうちに、アメリカにたどり着く。真琴とキャシーがそのアメリカに派遣され感染源や原因を突き止める話。
    税金を使った政治家の視察旅行という名の観光は、フィクションでも読んでいて苛立ちが募る。

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    2024年08月13日
  • おわかれはモーツァルト

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    シリーズ物って知らずに買っちゃったなぁ。でも全然、読みやすいし大丈夫だった。エピローグの所に、シリーズものだけど全部雰囲気違うって書いてあったからなのかも?
    音楽描写がすっごく綺麗で、静かなところで読むのにいいと思う。主人公が繊細だからなのか、音楽描写も心理描写も繊細だった。ピアノなんて弾いたことないのに、2人のピアニストの音の違いが明確に想像できるのが不思議~♡♡
    通勤通学とかには使いたくないかな。雑音が入ると最大限楽しめなそう。
    ミステリーとしても結構良かった!全然わかんなくて最後駆け足に読み切っちゃったよ!

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    2024年08月12日
  • 禁断の罠

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    有名作家6名によるミステリ短編集。後腐れのない読み切り。面白かった!
    普段読まない作家に触れられたのも良い。
    火曜サスペンスみたいだなと思った。

    中山七里さんの短編の題名は『ハングマンー雛鵜ー』
    他の作者の短編は題名と内容が重なっていたけど、中山さんの題名はそうは思わなかったなあ。どういう意味なのだろう。

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    2024年08月12日