中山七里のレビュー一覧
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不良債権回収を行う銀行渉外部のミステリ。
ヴェニスの商人の金貸しシャイロックのように非情な回収を執行するとも噂される伝説の行員・山賀の下に配属された主人公・結城。
回収の交渉に付き従ううちに、その手腕に畏怖と尊敬を覚えつつある時に山賀が殺されてしまう。
上司が遺した難案件をそのまま引き継ぎ、戸惑いと恐怖の中、回収を成功させていく。
山賀案件の難題さが金融素人にも判りやすく、回収手法も爽快でミステリ要素以外が主体でも面白い。
人の上に立つ者、経営者としての資質というのはカネ勘定ではないが、カネ勘定ができなければどうしようもない。
自分だけが可愛い、自分のメンツだけが大事、自分にとって都合が悪いことは全て悪。なんて人間って結構「人の上に立つ人」が多いんだよね。 -
購入済み
誰が敵で誰が味方⁉︎
久々に爽快なアクションサスペンスを読んだ。
とにかく、誰が味方で誰が敵なのか。
読んでてハラハラするけど、主人公の女性刑事がわりとハチャメチャで肝が座ってて、そのくせ子供への接し方の不器用さなど、人間味に溢れていて、読んでいてついつい感情移入してしまう。 -
購入済み
社会福祉に触れる本
あっと驚く結末ではなく、読んでいるとそうなるのかな、と分かる結末ではあった。序盤が、社会保障に関する内容や更生保護についても触れていて、福祉を取り上げた良い内容だったので、結末が犯人が判明して終わりな推理小説的になっているのだけが少し残念ではあった。今後も社会福祉をテーマにした小説が出ると、現代の若者にも興味を持ってもらえるし、映画化されると聞いたので今後に期待したい。
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ネタバレ 購入済み
引き込まれますが、結構グロい
グイグイ引き込まれて一気に読みました。猟奇的ミステリー小説やドラマ・映画は無数にありますが、文章だけでここまでグロいのはすごい描写力。苦手な方にはオススメしません。どんでん返しにはそこまで驚きませんでしたが、よく出来ているミステリーだと思います。続編も併せて読んだのですが、何だか読後しばらくモヤモヤしてしまったので星4つとしました。
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時価2億円のチェロ ストラディバリウスが盗まれる。
事件は、そこから始まる。
学長のピアノも水浸しとなって、使い物にならなくなる。
ピアノを心得たものの仕業。
岬洋介の遠くから徐々に近づいていく手法は、
なるほどと思わせ、犯人も見つけ出してしまう。
オーケストラを、オーケストラに仕上げていく。
なるほど。そして ラフマニノフの名曲を文字で表していく。
目で読みながら、耳で曲を聴いているような錯覚が起こる。
この才能が、素晴らしい。
愛知県や岐阜県が舞台になるというのも、いいなぁ。
【ブックレビュー】
岬洋介シリーズ第2作。父親は検察官。岬洋介は司法試験でトップだった。修習生の時に、目覚め自分の好きなピアノにとりくむことになる。
①『さようならドビッシー』
②『おやすみラフマニノフ』
③『いつまでもショパン』
④『どこかでベートーヴェン』
⑤『もう一度ベートーヴェン』
⑥『合唱岬洋介の帰還』
⑦『おわかれはモーツアルト』
⑧『いまこそガーシュウィン』と8作もある。
Facebookには、①、③、⑥をブックレビューした。揚げてないものをあげていく。それにしても、この岬洋介シリーズの凄さは、クラシック音楽を文字で表現していることだ。音楽を文字にするというセンスは、並々のものではない。中山七里の匠の技である。
第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の城戸晶は学長の娘の初音とともに秋の演奏会を控え、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。城戸晶は、実家からの仕送りが途絶え、練習時間をアルバイトに充てても学費を払いきれず、学生課からも請求書が届くほど貧乏だった。完全密室で保管されていた時価2億円のチェロのストラディバリウスが盗まれた。事件は、そこから始まる。
学長のピアノも水浸しとなって、使い物にならなくなる。ピアノを心得たものの仕業。なんらかの意図がある行為だった。
岬洋介の遠くから徐々に近づいていく手法は、なるほどと思わせ、犯人も見つけ出してしまう。
定期演奏会に下諏訪美鈴にピアノを弾いてもらうことにする。オーケストラを、オーケストラに仕上げていく。なるほど。そして ラフマニノフの名曲を文字で表していく。目で読みながら、耳で曲を聴いているような錯覚が起こる。この中山七里の表現力が、素晴らしい。愛知県や岐阜県が舞台になるというのも、いいなぁ。よく考えたら、中山七里の本だけで、19冊もブックレビューしている。 -
Posted by ブクログ
岬洋介が、ある田舎の高校の音楽科に転校してきた。
音楽科は、普通高校よりも、勉強ができないから入る人もあり、
必ずしも音楽が好きとは言えないところがあるが、
音楽好きな生徒もちゃんといた。
そして、岬洋介が、ピアノをクラスメイトの前で、
弾くことにより、その才能のすごさに、みんな唖然とする。
相手にならないのだ。比較にならないのだ。
そして、クラスメイトの変化をほとんど感じず、
音楽ということだけを考えている岬洋介だった。
音楽という神様は、努力するだけでは得ることのできない
才能を 岬洋介に、授けているようだ。
高校の校舎が、山を切り開いたところに立てられ、
大雨が降ることで、土砂が崩れ落ちる。
岬洋介は、土砂降りの雨の中で、クラスメイトを助けに
救助を呼びにいくが、日頃 岬洋介をいじめていた高校生が、死体となって発見された。
岬洋介は、みんなを助けた英雄だったが、
殺人の容疑をかけられるのである。
そのざわつきの中で、音楽教師の棚橋先生の
苦渋に満ちた 言葉の数々。いやはや、素晴らしい先生だ。
現実を正しく見据えることを、堂々と言い切る。
それは、音楽の才能にざさつすることによって
得た自分なりの音楽観なのだ。
このメッセージが 実に深いので、
また違ったものを見出すことができる。
【ブックレビュー】再読
高校生の岬洋介が、ある田舎の高校の音楽科に転校してきた。父親が検察官で引っ越しが多いのだ。音楽科は、普通高校よりも、勉強ができないから入る人もあり、必ずしも音楽が好きとは言えないところがあるが、音楽好きな生徒もちゃんといた。そして、岬洋介は理数系で頭が良くトップの成績だった。そして、岬洋介がピアノをクラスメイトの前で、ピアノソナタ「悲愴」を弾くことにより、その才能のすごさに、みんな唖然とする。相手にならないのだ。比較にならないのだ。天才すぎる。そして、クラスメイトの変化をほとんど感じず、音楽ということだけを考えている岬洋介だった。
音楽という神様は、努力するだけでは得ることのできない才能を岬洋介に授けているようだ。ところが、岬洋介が突発性難聴にかかった。岬洋介のできすぎる才能に嫉妬していた同級生たちはここぞとばかりにいじめに入る。そして、そんな岬洋介を助けようとする鷹村。友人に岬洋介は巡り合う。鷹村は岬洋介に大きな影響をうけ、尊敬するのだった。ピアニストになるには、突発的難聴は致命的。ある意味では、ベートーヴェンが突発性難聴になっても、音楽を生み出した。岬洋介は、苦難を超えてベートーヴェンになるのか。岬は、どこかでヴェートーヴェンになってほしいと願う親友の鷹村。この鷹村はのちに小説家となる。鷹村のペンネームが、中山七里。うまい展開だ。
岐阜県の新設高校の校舎が、山を切り開いたところに立てられ、大雨が降ることで、土砂が崩れ落ちる。学校が陸の孤島になってしまう。岬洋介は、土砂降りの雨の中で、クラスメイトを助けに救助を呼びにいくが、日頃岬洋介をいじめ、ボコボコにしていた同級生の岩倉が、死体となって発見された。
岬洋介は、みんなを助けた英雄だったが、岩倉の殺人の容疑をかけられるのである。
そのざわつきの中で、音楽教師の棚橋先生の苦渋に満ちた言葉の数々。いやはや、素晴らしい先生だ。
現実を正しく見据えることを、堂々と言い切る。それは、音楽の才能に挫折することによって得た自分なりの音楽観なのだ。このメッセージが実に深いので、また違ったものを見出すことができる。
岬洋介は、自分でその犯人を探し出す。犯人は左利きだった。 -
Posted by ブクログ
爆笑かつとても正論な日記風エッセイ。著者の多作の理由が脅迫観念だと知り少し安心。多作だとネタがなくなり面白くなくなるものですが、著者の場合そもそも著作に思想がないのでその点安心か(笑)。3日徹夜が基本スタイルだと豪語しておられるので典型的なワーカホリックなのかと思いきや、困った困ったで映画3連チャンとか(笑)。かなり謙遜して書いておられるが、羨ましいほどの才能の持ち主。麻薬飲料&アルコールの大量摂取は控えていただき、いつまでも健康で著作を開陳していただきたく。もっともっと違うジャンルの小説もお願いしたい。また映画愛に満ちた小説も期待しています。