中山七里のレビュー一覧
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ネタバレ【収録作品】
傲慢 「罪の名は傲慢(プライド)」中山七里
怠惰 「手の中の果実」岡崎琢磨※7月7日生まれ
憤怒 「移住クライシス」川瀬七緒
嫉妬 「オセロシンドローム」七尾与史
強欲 「十五分」三上幸四郎
色欲 「父親は持ってるエロ本を子どもに見つからないようにしろ」カモシダせぶん
暴食 「最初で最高のひとくち」若竹七海
人を罪に陥れる七つの悪徳を「七」に縁のあるミステリー作家が描いたもの。
「罪の名は傲慢」 渡瀬警部・古手川刑事も登場。
「移住クライシス」ミステリ部分に目新しさはないが、老婆の存在がいい。
「最初で最高のひとくち」葉村晶も登場するが、脇役ポジション。なんなら彩り。冒頭 -
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ネタバレ総理にされた男の第二弾。
前作で影武者を考案して後ろ盾になっていた官房長官もなくなり、孤立無援の中で総理を演じ続けているという状況で、真の総理となっていく影武者の話です。
時代背景は2020年頃の日本がモチーフで、当時の総理といえば安倍さんでした。
こうして物語として振り返ってみると、ほんとに激動の時期だったと思いますし、その中で剛腕、傲慢といわれ続けながらも決断していった安倍さんはよくやったと思います。
本作の主人公は政治的金銭的しがらみがないという純粋さゆえの決断ではありますが、著者にしては珍しく安倍政治の判断を肯定的に描いているように思えました。
オリンピックも開催して菅さんの総理時期 -
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ネタバレ岬洋介シリーズ最新作、作者に音楽経験もないのに演奏描写だけで素人の読者を名曲の調べ(知らんけど)に酔わせる達人だと再々再々確認してしまった
友(?)を救う為に莫大な借金(ツアーキャンセル料)を背負い、地道に信用を紡ぎ始めた相手はショパンコンクールファイナリストであるエドワードであり、屈辱的な条件さえも爽やかな岬洋介マインドのおかげで自然解決・・・出木杉
5分間の奇跡で世界的なカリスマになっているので、その影響力はそちらこちらに発揮して読者も爽快な気分であるが、トランプ大統領の初当選の世界の混乱が背景の本作品、分断の世界で殺伐とした暴力や大統領暗殺の陰謀がうごめく、アメリカの分断を象徴的に変えて -
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アパート〈すめらぎハイツ〉の一室で、偏屈だがゲームクリエイターとしての素質は超一級だった九十九孝輔の死体が見つかった。やがて現場に残っていたティッシュに残っていた体液から、過去に九十九と一緒に〈株式会社レッドノーズ〉で仕事をしていた御笠徹二という男が逮捕される。新聞でそのことを知った鑑定人・氏家京太郎は驚く。御笠はかつての氏家の親友だった。すぐに氏家は御笠に面会し話を聞くが、御笠は九十九のアパートには行ったことがないどころか、住んでいる場所すら知らないという。
「鑑定人 氏家京太郎」に続く、鑑定人・氏家京太郎シリーズ第2弾。いつもは鑑定によって得られたデータしか信じない氏家。しかし今回は -
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表紙の可愛らしいイラストからは想像のつかないかなりグロい描写が多かったが、後半で二転三転したどんでん返しに襲われる。
『刑法39条心身喪失者は罰しない』に着目した話で、善悪の判断ができず責任能力がない人は罰しない。その判断が難しいところだが、そのせいでかえる男では第五の犯罪を匂わせている。精神の分野は複数の目で長い目で見ていく必要があると思うが、いつまでも障害があり犯罪者として見ていくと社会と共存していくことが難しくなる。
「遺族感情と処罰感情は違う。法廷は報復の場ではない」という言葉に、その通りだが自分の身内が被害者になった場合に割り切れるものではないと思う。
何がともあれ、精神も身体も著し