中山七里のレビュー一覧
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静おばあちゃんシリーズ3作目。
元裁判官の静おばあちゃんと車椅子の暴走老人玄太郎とのコンビによる連作短編ミステリー。
今回は、名古屋在住の玄太郎が癌の治療のため東京の病院に入院。そこで静と再会し、医療過誤問題、構造計算書偽装問題や高齢者の暴走事故など、ニュースで話題になった事件がテーマになっている。
玄太郎の暴走が事件解決の端緒となるのが、小気味いい。
この玄太郎、著者のデビュー作ともいえる作品で、すでに最期が判っていることに、哀切を感じる。
著者の小説には、他のシリーズの人物が時々顔を出すが、今回はファンにとってはうれしい岬洋介が司法修習生として登場。全作品を、書かれている時代別に並べてみたくなる。どなたか試してみる方は。 -
Posted by ブクログ
これは映画を愛する人、いやモノづくりを愛する人達の話だ。
正直この話のあらすじを読んだ時、このタイミングで読むのはどうかなぁとちょっと悩んだんですよね。
話の方向性は違うけれど、モノづくりに関するニュースが取り上げられたりしてるこのタイミングだとちょっとくるものがあるかなぁって。
でも読み終わってから「この話をこのタイミングで読んで正解だったな」と確信しました。
この作品、ミステリー作品ではあるんだけど途中からミステリーとかちょっとどうでも良くなっちゃうというか(言い方悪いけど本当にそうなの)、憧れだった世界で夢と現実のギャップに燻る主人公の成長物語の方がグッときてしまったというか、まぁとにかく熱いんですよね、登場人物がみんな熱い。
映画の業界の話やら専門用語も詳しく解説してあるし、合間に出てくる現実作品のエピソードもとても面白い。
作者の中山七里さんはかなりの映画好きだとどこかで読んだのだけれど、その知識が存分に発揮されている作品だと思います。
あとね、別の作品に出てくるやたら印象強い彼女もまた現れるんですけどね、これがまぁ「お前!お前!本当にお前は!!!」って感じの憎たらしさを全面に押し出してるんですよね……でもこれがまたいい役なんだよなぁ。
でもごめんやっぱ1回痛い目見て欲しい。
私達が何気なく取捨選択して眺める映像作品。
一生かかっても観られる数ではないその作品ひとつひとつにこういう物語が隠れているものなんだろうなぁ。
「映画は水物」という表現が作品中に出てくるんだけれど、本当にその通りだと思います。
実際ふんだんにお金をかけて作った作品がすぐに上映打ち切られたり、低予算のインディーズ映画が大ヒットを飛ばしたりとかありますもんね。
全てのモノづくりに関わる人達がこのくらい真剣に作品と向き合ってくれているんだと信じたい。
そんな作品です。
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Posted by ブクログ
2024.02.03 Audibleにて
何度声を上げて笑ったことでしょう
要介護おじいちゃん。うわ、なんだコイツって思うけど、これだけ言いたいこと言えたらいいなぁという羨望もある。
それに対して、静さんがちゃんと諭してくれるから、なかなか面白い。静さんの諭し方が、沢山の人を見てきて、沢山の知識を得て、そこから沢山考えてきた人の言葉なんだろうっていう深さや優しさがある。
メイン主人公2人は、還暦過ぎた高齢者のおじいちゃんおばあちゃん。
愛知の結構でかい不動産建築関係の社長をしていう、車椅子が必要なコウヅキおじいちゃまと、元女性判事のシズカおばあちゃまが、関わってしまった事件を解決して行くお話。
シズカさんが、要介護おじいちゃんが苦手だって言いながら、協力してる様がなんだか、あー本当にこの人のような歳の取り方をしてみたいなぁと思う。
サラッと聞けて、ワハハと笑える。
楽しい作品です -
Posted by ブクログ
ネタバレ題名からして、中山さんお得意のミステリなのだと推測。それの想像の斜め上に行くのがこの本でした。
法曹界出身の傘寿の女性と、矍鑠とした、口の悪い底意地の悪い車椅子のおじいちゃんが
仲良く謎解き……さにあらず。
静さんは人品骨柄この上なく素晴らしい。
逆に心地よいほどの罵詈雑言まみれ、地位名誉はあるけど何か欠損している(?)玄太郎さん。
これ程のキャラクターをメインに据えて謎は?
どれもイマイチなミステリーだったのが残念ポイント。推測の域内でした…
強き者より弱き者、富めるものより貧しい者〜の
立場に寄り添い謎を解いてゆくお二人。
で、
中山さんの本は他のシリーズともリンクしているのでソコのところをかつての読んだ本の中から明らかにしてゆくという楽しみがこれからです。
もう、だいぶ見当は付いてますが。楽しい読書タイムをありがとうございました。
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Posted by ブクログ
あれ?
中山七里さん、人死なんやん!
中盤超えても?
何か、違った意味のミステリー?
う〜ん。珍しい…
ごめんなさい〜
認識間違いでした〜
血ドバドバでした〜
令和の「八つ墓村」か、「津山事件」って感じや!
お父ちゃん亡くなって、無職になって、故郷に帰って来た。
でも、そこは、限界集落と呼ばれるような所。
都会とは、全然違って、閉鎖空間で、意識も内向き…
そこで、頑張って、村興しみたいなのして、失敗して、村八分_| ̄|○
でも、こんな村人とは、老人多いとは言え付き合えんな…
バラエティー溢れる嫌がらせに、最後に愛犬を…
これで、プチッ!
(ポキっ!ではない!)
タイトルがここで効いてくるとは。
ワルツ踊りながら、刃物振り回す〜
祟りじゃ〜!やな。
まぁ、別の意味でも踊らされてる訳やけど(−_−;)
中盤まで、どうなる事かと思ったけど、ホッとした〜(血ドバドバで、ホッとしない!^^;)
限界集落とか、そんな何もないとこ、いくら無職やからって帰りたくないよ〜!
携帯圏外、
コンビニなし、
本屋なし、
映画館なし、
ショッピングセンターなし
は、キツい…
ちょっと、「ヒートアップ」とかに繋がってるのが、オマケ貰ったようで嬉しい(^_^)v -
Posted by ブクログ
葉真中顕、中山七里、呉勝浩、深町秋生、下村敦史、長浦京、柚月裕子『警官の道』角川文庫。
7人の作家の短編を収録した警察小説アンソロジー。7人の作家全員が自分の好みというのはなかなかあり得ないことだ。読んでみれば、柚月裕子の『聖』がピカイチで後は平凡な短編ばかりで、少しがっかりした。
葉真中顕『上級国民』。本作に描かれる刑事事件とされなかった交通死亡事故は、2018年に東京都港区で起きた元東京地検特捜部長による自動車死亡事故を思い出す。実際にこういうことはありそうだ。90歳の佐々木嘉一が交通事故で亡くなった。しかし、車を運転していた谷田部洋は逮捕されなかった。その裏には驚愕の事実が隠されていた。★★★★
中山七里『許されざる者』。復興五輪などと銘を打って、コロナで延期された汚職に塗れた東京オリンピック。犬飼隼人シリーズの短編。今の時代、こんなこともありそうだ。東京オリンピックの閉会式を演出する予定の演出家の三浦伽音が殺害される。一体何があったのか。★★★★
呉勝浩『Vに捧げる行進』。警察官の名前がモルオとは。コロナ禍で疲弊する日常の中、町で頻出する落書き犯。その驚愕の意図とは。モルオという名前がどうにもこうにも。ストーリーが入って来ない。★★★
深町秋生『クローゼット』。ゲイの警察官か。世も末だななんて言うと顰蹙を浴びる、何とも嫌な世の中になったものだ。LGBTQなる少数派ばかりを擁護して一体何になるんだろうか。上野署の荻野大成と相棒の中澤祐一は荒神と呼ばれ、重宝されながら管内で起きる様々な事件現場に臨場する。その荻野には誰にも言えない秘密があった。★★★
下村敦史『見えない刃』。最近、やたらと性犯罪のニュースを耳にする。世の中、おかしなことになっているな。ある日、刑事課長に呼ばれた明澄祥子は性犯罪を専任することを命ぜられる。東堂とコンビを組んで性犯罪の捜査に乗り出した明澄が見た現実とは。★★★★
長浦京『シスター・レイ』。最近、注目している作家の短編。フランス帰りで予備校の講師という能條玲という謎の美女が主人公。玲は半グレ集団のトラブルに巻き込まれた知人の家族を救うために、果敢にも半グレ集団のアジトに乗り込む。★★★★
柚月裕子『聖』。最後の最後に納得のいくレベルの短編が収録されていてほっとした。母親と自分を虐待し、母親と別れたろくでなしの父親に復讐するためにヤクザに憧れ、組事務所に出入りする少年・聖。中華料理店でアルバイトをしながら、神戸の金坂組のバッジをもらうチャンスを狙う聖は、組に出入りするサングラスをかけた迫力十分の男に弟子入りを懇願する。★★★★★
本体価格820円
★★★★