中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
御子柴礼司の妹・梓が30年ぶりに訪れ、母・郁美の弁護を依頼する。
郁美は、再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕された。
接見した御子柴に対し、郁美は容疑を否認。
郁美が再婚した男は、最愛の妻を通り魔の男に刺し殺された。
この通り魔が、統合失調症であったために、医療刑務所に入れられ、親族は逃げてしまい、郁美の夫は、慰謝料を請求することも出来なかった。
どうする事も出来ない憤りをぶつける相手として、郁美と再婚した。
ネットで、郁美が「死体配達人」の母だと知り、自殺をして、郁美を保険金目当ての殺人犯に仕立てようとしたのだ。
しかし、御子柴礼司の雇った、優秀な「氏家鑑定センター -
Posted by ブクログ
ネタバレオーディブルにて。
ここ1週間で御子柴シリーズを怒涛の勢いで聞いている。
今回は夫殺しで疑われてる実母を弁護する話。
前作では父親のように慕ってる稲見をなんとか無罪にしようと奮闘していたが、今回は実母なのに弁護することすら嫌がり、ずっと突き放した態度で接する。
自分が犯罪を犯したことで加害者家族となり迷惑をかけておきながら実母や妹に対しての物言いが酷すぎてギャップを感じるけど、少年院時代に関わろうとしてくれず自殺を選んだことで 逃げた という被害者意識を抱えているのか。
でも最後に母親の言葉を受けて悩むところまでが今回のテーマなんだろうな。
毎回冒頭のストーリーの回収まで含めて面白い。 -
Posted by ブクログ
久しぶりの中山七里さん。
あの「護られなかった者たちへ」の続編ということで。テーマは震災。
社会派ミステリーとして重たいというより、「震災(被災)」そのものがあまりにも重い…。
表紙そのまま、「生者と死者」「売る者と買う者」「残された者と消えた者」「追われる者と追われない者」「孤高と群棲」の境界線をみる物語。
中山七里さんって、作中で統計データや制度の説明(メリット・デメリットも含めて)をかなりきっちり説明するので、テーマに対してそれがなぜ起きるのかまでちゃんと理解できるようになっていると思う。私はそこが好きなんだと気付いた。
お話としては正直もうひとひねりあってほしかったと思ったりもするけ